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ETF買い入れは株価変動抑制に効果、株価引き上げ効果は大きくない=日銀総裁
https://jp.reuters.com/article/boj-kuroda-etf-idJPKCN1SR061
[東京 21日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は21日の衆議院財務金融委員会で、日銀による上場投資信託(ETF)買い入れ
は株価の引き上げが目的ではなく、その効果があっても大きなものではないとの認識を示した。ただ、株価の変動を抑制している
のは事実とも語った。川内博史委員(立憲)の質問に答えた。
黒田総裁は、日銀によるETF買い入れは、リスクプレミアムに働きかけ、経済・物価にプラスの影響を及ぼしていくと説明。現在は、
株式市場のリスクプレミアムの状況に応じて弾力的に買い入れ額を上下させており「リスクプレミアムが拡大することを防止、変動
幅を小さくしているという意味では、株価の大きな変動を抑制している効果があるのことは事実」と述べた。ただ「株価引き上げが目
的ではない。東証時価総額の4%程度の保有であり、株価引き上げの効果があってもそれほど大きなものではない」と指摘した。
昨年9月末でETFの市場の時価総額は37兆円、このうち日銀は29兆円を保有している。
現代貨幣理論(MMT)については「理論モデルがはっきりしない」とした。そのうえで、日本の財政当局は機動的な財政運営ととも
に、中長期的に持続可能な財政構造を確立するための取り組みを進めており、市場の信認確保に努めていると指摘。そのため、M
MTが前提としている「財政赤字や債務残高を考慮しないというスタンスにはない」とし、金融政策についても「物価安定目標実現の
ために最も適切なイールドカーブ形成を促すよう国債を市場から買い入れている。これは、物価の安定のために実施しており、財政
ファイナンスではない」と述べた。
総裁は「日本の財政や金融政策運営はMMTが想定している状況とは全く異なっている」と繰り返した。 債券、15年ぶり買い越し、大手銀4月、世界経済減速懸念で。
2019/05/22 日本経済新聞 朝刊
大手銀行が債券を買っている。日本証券業協会が21日までにまとめた4月の売買動向(短期証券を除く)によると、同月としては15年
ぶりに買い越しに転じた。例年、新年度が始まる同月は債券を売る傾向が強い。ただ世界経済の減速懸念から「安全資産」である国債な
どの需要が高まったほか、そもそも保有残高が少なく、売り余地が狭まっているようだ。
日証協が公表した公社債の投資家別売買動向によると、大手銀(都市銀行)は4月に債券を6306億円、買い越した。4月は利益目標
を早めに達成するために、保有する債券を売って利益を確保する傾向がある。当初はこうした売りが出たが、次第に買いが優勢になったと
いう。
理由は主に2つ。1つ目は米中貿易摩擦を背景に世界経済の減速懸念が強まったことだ。米欧の中央銀行が相次いで金融引き締め路
線を停止。日銀がまとめた3月の全国企業短期経済観測調査(短観)でも大企業製造業の景況感が大幅に悪化し、景気の先行き懸念か
らリスク回避の資金が国債に集まった。
2つ目はすでに銀行が持つ債券が大幅に減っていることだ。日銀は異次元の金融緩和に伴い、銀行から大量の国債を買い続けてきた。
銀行は様々な取引の担保に差し入れるために一定の国債を持っておく必要がある。
日銀のある政策委員も3月の金融政策決定会合で「金融機関の国債保有額が資金調達の担保として最低限、必要な水準まで近づいて
いる可能性がある」と指摘している。このため、日銀は4月の決定会合で銀行が日銀から資金調達する際の担保の要件を緩和することを
決めた。 大手金融グループ 経営効率化を加速 低金利で環境厳しさ増す
2019年5月22日 20時17分
長引く低金利で経営環境が厳しさを増していることから、大手金融グループは、経営の効率化を急ぐ方針を相次いで打ち出しています。
このうち、三井住友銀行のSMBCグループは、店舗で行う書類づくりなど単純な事務作業を機械化することによって、今年度末までに
これまでの計画よりおよそ1000人分多い、5000人分近い業務量を削減することにしています。
また、過去に大量採用した行員の退職が進むことで、人員の数は、今年度末までにおよそ4000人減る見込みだということです。
一方、三菱UFJ銀行は店舗の統廃合の計画を上積みし2023年度末までに全体の35%にあたるおよそ180の店舗を減らすことにしてい
るほか、業務量についても従来の計画より500人以上多い1万人分以上を減らすとしています。
さらに、みずほフィナンシャルグループも統廃合する店舗を従来の計画より30店舗増やし2024年度までに130店舗減らすほか2026年度
までに1万9000人の従業員を減らすとした計画を、できるかぎり前倒しで取り組むとしています。
長引く低金利による収益の低下に加えて、IT企業など新たなライバルの参入で金融業界を取り巻く経営環境は厳しさを増しており、各
グループにとって、利用者の利便性を損なわずにどう効率化を進めるかや、成長が見込める分野にどう人材を振り向けていくかが課題
になっています。 三井住友FG、ITで省力化5000人 業務削減、1000人弱分上振れ
https://www.sankeibiz.jp/business/news/190523/bse1905230500003-n1.htm
三井住友フィナンシャルグループがITなどによる省力化技術を活用し、2017〜19年度の中期経営計画の期間中に、ローン関連
事務などの業務量を5000人弱分削減する見通しであることが22日、分かった。従来計画から1000人弱分上振れする。
17日に開催した投資家向け説明会で明らかにした。超低金利の長期化で国内の収益環境は厳しさを増しており、店舗なども含め
合理化に力を入れている。計画期間中に国内の人員が定年退職などの自然減で4000人減る見込みであることも示した。
業務量削減は、定型的な仕事を自動化する「ロボティック・プロセス・オートメーション」(RPA)と呼ばれる技術の活用が中心だ。同
じメガバンクの三菱UFJフィナンシャル・グループやみずほフィナンシャルグループも国内事業を抜本的に見直している。 米長期金利が1年8カ月ぶり低水準、NY株は232ドル安
2019/05/29 05:32 日経速報ニュース 545文字
【ニューヨーク=後藤達也】米長期金利の低下が続いている。28日の債券市場で米10年物国債の利回りは2.26%と2017年9月以来、
1年8カ月ぶりの低さに低下(価格は上昇)した。米中貿易戦争が世界経済に悪影響を与えるとの懸念が強く、安全資産である米国債を
買う動きが続いている。米株式市場では売りが先行し、米ダウ工業株30種平均は先週末より237ドル安い2万5347ドルに下落した。
トランプ米大統領は27日、訪問先の日本で「中国は合意したがっているが、私たちはその用意がない」と述べた。中国も歩み寄る姿勢は
見せておらず、市場では米中戦争が長期化するとの見方が増えている。23日に発表された5月の米製造業の景況感指数も大きく悪化し
ており、米景気の先行きにも警戒感が出始めている。
長期金利が短期金利を下回る「逆イールド」という状態も一段と進んでいる。米モルガン・スタンレーのマイケル・ウィルソン氏は「貿易交
渉の結果にかかわらず、米景気減速や景気後退のリスクが起こり始めている」と指摘する。市場では米連邦準備理事会(FRB)が年内に
1〜2回利下げするとの観測も強まっている。
米株式市場では、長期金利の低下で利ざやが縮小するとの観測から、ゴールドマン・サックスなど金融株が大きく値を下げた。 日銀の桜井審議委員、「追加緩和、現時点で不要」、副作用を意識。
2019/05/31 日本経済新聞 朝刊
日銀の桜井真審議委員は30日、静岡市で記者会見し、米中貿易摩擦の再燃などを踏まえて「景気はかなり微妙な段階に来ており、
(先行きの)不確実性も高まった」と語った。景気や物価を下支えするため、大規模な金融緩和が長期化するとの見通しを示した。ただ、
銀行収益の悪化など副作用を意識し「追加緩和は現時点で必要ない」との認識も示した。
桜井氏はこれまでも地方での講演や会見の場で追加緩和に慎重な意見を述べてきた。こうした姿勢を今回も維持した。
経済情勢が大きく悪化するなど「必要があれば、いろんな手段を考えていく」とも語った。当面は中国の景気対策の効果をはじめとする
海外経済の動向や10月に予定する消費増税の影響を慎重に見極める考えを示した。
桜井氏は金融緩和が長引くことで「地方の金融機関の経営はトレンドとして厳しい状況にある」と認めた。そのうえで、運用難の金融機
関が投融資を増やすなど「リスクを抱えつつあるかもしれない」と指摘した。金融緩和の副作用を「今までと違う観点から広く慎重に考え
る必要がある」と強調した。 ▽31日の起債予定
発行体 年限 発行額
・武田(4502) 60年 5000億円
(劣後債、5年5カ月目以降の期限前償還条項付き) アクアパレス, ,palace,0019,
アトリエなにわ, ,naniwa,naniwa,
エクセレントクラブ男爵, ,dvip,5229,
エメラルド皇帝, ,e-vip,0923,
エル・クィーン, ,会員ページなし,
エルドール, ,avip,1977,,
MSJグループ(サブマリン・姿麗人・ミンク), ,3WAY,7221,
オーキッド倶楽部, ,会員ページなし,,
オペラ, ,operamember,yoisigoto
カモミール, ,member,ree,
クラブオアシス,→サンタ・フェG,,,,
クラブ華, ,member,55hana,
ケリーヒルズ, ,netmember,birkin
コルドンブルー, ,cordon,4126
サテンドール, ,1126,
サブマリン,→MSJグループ,3WAY,7221
サンタ・フェG,個人ごとに違うものが必要(クラブオアシス、ビッグマン、サンタ・フェ、セリアオペラ、シーザースパレス),,,,
シーザースパレス,→サンタ・フェG,,,,
シャトー・ルイ(川崎), ,louiloui,cl1232,
シャトーペトリュス, ,1288,,
ジャルディーノ, ,gvip,0915,
女帝, ,3875,6938,
d-collection, ,d-coll,3500, ハールブルグ, ,6802,4977,
薔薇の園, ,3872,0077,,
ピカソ,,picasso,651028,
フォーシーズン(吉原 ,,imadesho,abenomics
プレジデントクラブ, ,1918,0202,
ボジョレ・ヌーボー, ,12345,montrachet,
マティーニ, ,sting80,police08,
マティーニ(携帯), ,sting80,police08,
マンダリン, ,mandarin,first3,
ムーランルージュ, ,3874,1299,
メイクアップ, ,mvip,0209,
阿吽(あうん), ,会員ページなし,
王室, ,okg3790,0338713790
王様と私, ,会員ページなし,
牛若丸, ,ushiwaka,bestsoap,
金瓶梅(吉原),※★でS有無 p、ハート有無も意味あり, ,
金瓶梅PLATINUM,※★でS有無 p、ハート有無も意味あり,会員ページなし,,
銀馬車, ,会員ページなし,
恵里亜, ,eria,0071,
迎賓館, ,GK,4194,
姿麗人, ,→MSJグループ,,,
石亭本店, ,sekitei40,※6桁の数字
石榴, ,zakuro,vip3396,
多恋人倶楽部, ,talent,2222,
秘書室, ,5603,4463,
麗嬢, ,reijou,777 米国株、買い先行 米の対メキシコ関税見送りを好感
2019/06/10 22:42 日経速報ニュース
【NQNニューヨーク=戸部実華】10日の米株式相場は買い先行で始まった。午前9時35分現在、ダウ工業株30種平均は
前週末比175ドル51セント高の2万6159ドル45セントで推移している。トランプ米大統領が7日夜、メキシコからの全輸入品
への関税発動を見送ると発表した。サプライチェーン(供給網)が寸断される事態が回避され、買い安心感が広がった。
メキシコに生産拠点を持つ自動車のゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーターが高い。相対的に安全資産とされる
米国債は売られて米長期金利が上昇しており、利ざや改善期待からゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど
金融株に買いが優勢となっている。 金利低下、日銀のジレンマ、容認なら、年金の運用難拍車、阻止なら、円高を招くリスク(ポジション)
2019/06/11 日本経済新聞 朝刊
米国発の金利低下が日銀のジレンマを深めている。幅広い年限で国債利回りの低下(債券価格は上昇)が進むなか、さらなる下げを
容認すれば金融緩和の副作用が強まる半面、食い止めようとすれば円高を招くリスクもあるためだ。超低金利を生かした財政支出で景
気や物価の押し上げを求める声も強まっており、日銀の政策運営のかじ取りは難しさを増している。
長期金利の指標になる10年債利回りは7日に一時、マイナス0・135%と2年10カ月ぶりの低い水準まで低下。10日も上昇機運は
乏しかった。
米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測で米金利が急低下し、日本の金利も下がっている。プラスの利回りを確保しようと、償還
までの期間が10年超の超長期債への投資も活発化。半年前に0・9%台だった40年債の利回りは足元で0・4%を下回る。長短の金
利差が縮まり、利回り曲線(イールドカーブ)は寝た状態になっている。
日銀は短期金利をマイナス0・1%、長期金利をゼロ%程度に誘導する「長短金利操作」を政策の柱に据える。2016年のマイナス金
利政策の導入後、長期金利がマイナス0・3%まで下がるなど利回り曲線全体が沈み、年金の運用難や金融機関の収益圧迫といった
副作用に対応するため16年9月から今の政策に切り替えた。昨年夏の微調整を経て長期金利は「マイナス0・2〜プラス0・2%程度」
の範囲に収まるよう誘導している。
ある日銀幹部は「長期金利はまだ下限(マイナス0・2%)まで距離があり、問題ない」と話す。だが市場では「金利はかなり微妙な水
準まで下がり、一段の低下は金融緩和の副作用を深刻にする」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の石井純氏)との声も出る。
市場参加者が注目するのは一段の金利低下時の日銀の出方だ。食い止める場合、国債の買い入れオペ(公開市場操作)を減額した
り、買い入れる国債の利回りに下限を設定したりする手がある。ただ日米で同時に金利が下がる局面で日銀が金利低下を容認しない
となれば、日米金利差は縮小し、円高を招きかねない。
日銀は金融政策の軸足を金利の操作に置く一方、国債購入などを通じたマネタリーベース(資金供給量)の拡大方針も維持している。
ここ数年の国債保有残高の急拡大に伴い、残高の増額ペースは鈍っているが、長期金利を下げないように一段と購入を抑制すれば政
策の整合性が取れなくなる恐れも出てくる。
日銀内では長期金利の下限を厳密にマイナス0・2%とはせず、それ以上の金利低下もある程度容認する案も浮かぶ。その場合でも
「金融機関の体力は長短金利操作を始めたころよりも落ちている」(大和証券の谷栄一郎氏)ため、副作用への対策をセットで講じる必
要に迫られそうだ。
足元では世界景気の先行き不安などを理由とした大規模な追加経済対策も取り沙汰され始めた。超低金利が続くなかでは財政規律
への意識も緩みがち。金利低下は財政政策と金融政策の境界線を曖昧にしかねない危うさもはらむ。 なんじゃこのスレはあああああああああああああああああ 米国発の金利低下で日銀板挟み
https://www.sankeibiz.jp/business/news/190613/bse1906130500005-n1.htm
米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ観測を背景にした米国発の金利低下で日本銀行が板挟みに陥りそうだ。金利低下
による景気刺激を優先すれば金融機関の収益力悪化など大規模金融緩和の副作用が拡大し、逆に金利を上げようと手を打てば日
米の金利差縮小で円高が進みかねない。これまで以上に慎重な手綱さばきを求められる。
日銀は昨年7月から、長期金利の変動幅がプラス0.2%〜マイナス0.2%程度の範囲に収まるよう国債売買などの市場調節(オ
ペレーション)で誘導する方針を示している。指標となる新発10年債の終値利回りが今月5日にマイナス0.130%と2年10カ月ぶり
の低水準に沈んだ(価格は上昇)ことで徐々に防衛ラインが意識されそうだ。
長期金利が一段と低下した場合、日銀はどんな手を打つのか。副作用の拡大を防ぐには、金融機関からの国債購入額を減らして
金利を押し上げる必要がある。
ただ、市場ではFRBが早ければ7月にも利下げに動くとの観測が強まり、米国の長期金利も低下している。日米の金利が同時に
下がる場面で日本だけ押し上げに動けば、日米の金利差が縮小するとの思惑から円を買ってドルを売る動き強まり円高が進みかね
ない。
また、今月末に見込まれる米中首脳会談が決裂するなど貿易摩擦が一層悪化した場合、FRBの利下げが加速し急激な円高にな
りそうだ。日銀も景気下支えや円高防止のため利下げを含む追加緩和を検討せざるを得ず、副作用は拡大する。
このため、日銀は副作用への配慮と追加緩和の優先順位を問われる局面に入りそうだ。桜井真審議委員は「どちらを取るのかとい
うジレンマに陥ったとき、バランスを考えなければいけない。大変厳しい判断を迫られる」と指摘している。 銀行の議決権行使のあり方、今後の検討課題=高島・全銀協会長
https://jp.reuters.com/article/japan-banks-idJPKCN1TE0WP
[東京 13日 ロイター] - 全国銀行協会の高島誠会長(三井住友銀行頭取)は13日の定例会見で、銀行が持つ政策保有株式の
議決権行使について、どのような対応が望ましいかは引き続き検討していく必要があるとの考えを示した。
日本版スチュワードシップ・コードの浸透で、機関投資家は議決権行使結果の開示を進めているが、銀行は開示していない。高島会
長は「一般の機関投資家は投資家を背後に抱えているため、積極的に開示が必要」とする一方で、銀行は一般の機関投資家と立場
が異なり、銀行勘定で政策保有株式を保有していると説明。「スチュワードシップコードに対応して開示をすることにはつながらない」と
語った。
その上で、「今後は、スチュワードシップ活動でどのような役割を発揮するのかは検討していく必要がある」との認識を示した。 日本株ADR14日 売り優勢、LINEが下落 ソニーは3%高
2019/06/15 05:08 日経速報ニュース 162文字
【NQNニューヨーク=横内理恵】14日の米株式市場で日本株の米預託証券(ADR)には売りが優勢だった。
同日の米株式相場が反落し、日本株のADRにも売りを誘った。LINEやホンダ、武田が下落。野村や三菱UFJも安い。
一方、米ヘッジファンドが半導体部門の分離・独立を要求したと伝わったソニーが3%あまり上昇。みずほFGも上げた。 武田、「背伸び」でメガファーマに 重い債務が課題
2019/06/19 21:24 日経速報ニュース
武田薬品工業は6.2兆円の巨額買収をテコに、製薬企業で世界9位の売上高を手に入れた。ライバルを見渡すと、薬を生む資金力は
なお武田を上回る。「背伸び」した分、重い債務というハンディも背負う。出遅れたバイオ製薬でトップになるには、焦点を絞った投資が
求められる。
「世界のトップテンでも、グローバルに売り上げが成長する薬を14も抱えているところはない」。5月14日の決算説明会で、クリストフ・
ウェバー社長は世界で戦う力を強調した。
製薬企業が新薬を生む方法は自力か外部から種を買うかの大きく2つがある。研究開発と購入のどちらにも資金をつぎ込める潤沢な
現金創出力が欠かせない。
この力を測るため、研究開発費(R&D)に、本業で稼ぐ現金に近いEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)を足した「R&D+EBIT
DA」を「創薬資金力」と見立てて比較した。「創薬資金力」から基礎研究や治験に費用を振り向け、他社やベンチャー企業の製品を購入
する。
1位のジョンソン・エンド・ジョンソンの「創薬資金力」は4.3兆円と1年で第一三共を買収できる規模がある。研究開発に年1.2兆円を投
じ、自前で薬を生む力に定評がある。17年にはスイスのバイオ医薬品大手を3.4兆円の現金で買収し、自前と購入の両輪をフル回転さ
せている。
米ファイザーは3.3兆円。特許切れを買収で乗り切る「ファイザーモデル」で成功している。19年12月期も疼痛(とうつう)治療薬「リリカ」
の米特許が6月に切れるが、利益水準は前年並みを維持する見込みだ。
武田はどうか。買収ではシャイアーの現金を生む力を強調してきた。シャイアーは希少疾患向けの薬が主軸のため、治験が小規模で
すむ。
ただ、買収後の20年3月期の「創薬資金力」は1.4兆円と上位10社の平均2.5兆円の半分強しかない。現金を生む効率を示す売上高
に対する「創薬資金力」の割合は約40%と平均50%のトップ10に劣る。グローバル品が14あっても利益率の高い大型薬が少ない。
財務面での課題も大きい。買収により有利子負債は約5.7兆円にまで膨らんだ。有利子負債を「創薬資金力」で割ると4.2倍程度と、
他のメガファーマの実績値(0〜2倍台)と比べると突出して高い。
武田の株価が8430円の最高値を付けたのは07年と12年も前だった。糖尿病など生活習慣病の領域でヒットが多く1.8兆円の手元資
金を蓄えたが、そこが製薬業界の転換点だった。
創薬のカギは化学合成で作る「低分子化合物」から、抗体などを利用する「高分子化合物」にシフトし、競争環境も一変した。急成長
する米アッヴィは抗体医薬の抗リウマチ薬「ヒュミラ」の売上高が6割を占める。有望な種を抱えるベンチャー企業も取り合いだ。ファイザ
ーは17日、米バイオ医薬品会社を1.2兆円で買うと発表した。
シャイアーの買収は、10年に渡って苦しんだ武田の起死回生を狙う1手だ。多額の負債を抱えながら、バイオ医薬品でも先行するライ
バルと戦うには資源の集中が欠かせない。
ウェバー社長は非中核資産の売却に乗り出し、5月にはシャイアーから引き継いだ点眼薬事業などを売却すると発表した。売却資金
で有利子負債の1兆円余りを返済する予定だ。
疾患領域も絞る。がん、中枢神経、消化器系疾患と、シャイアー買収で加わった希少疾患と血液製剤の5分野で業界トップを狙う。開
発中の新薬候補ではようやく、バイオや中分子など低分子以外の技術に基づく製品が約7割になっている。
「総花主義、自前主義からの脱却」(坂根正弘取締役会議長=コマツ相談役)が今回の買収策のテーマだった。まだ投資家からの信
頼を十分には得られておらず、株価は17年末に比べ4割安の水準で低迷が続く。医薬品業界に詳しい北川哲雄・青山学院大学名誉教
授は「買収の目利き力や創薬力があることを実績として示すまでは市場の評価は得られない」と指摘する。
日本発のメガファーマと認められるようになるために「創薬資金力」を引き上げながら、それを使った開発でも優位に立ち続ける――。
船出したTAKEDAの航海は決して順風満帆ではない。 「金融相場に幕」警戒感―決算悪化、緩和で支えられず(スクランブル)
2019/07/13 日本経済新聞 朝刊
金融緩和への期待が世界の株高を支える相場が続いている。11日の米市場ではダウ工業株30種平均が史上初の2万7000ドル
超えとなり、12日の東京株式市場でも日経平均株価は小幅高となったが、市場のムードは楽観からはほど遠い。これから本格化する
4〜6月期の決算発表で業績の悪さが意識されれば、「金融相場が終わる」との警戒感が出始めている。
「欧米の中長期投資家はみな、今は動けないと話している」(CLSA証券の釜井毅生エグゼキューション・サービス統括本部長)。米
連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の議会証言から7月の0・25%の利下げがほぼ確実視されるのに投資家の腰を重くしている
のが、目前に迫る4〜6月期決算だ。
□ □
日本企業の業績は米中貿易摩擦の影響を受け始めている。4〜6月期の業績は前年同期に比べて2ケタ減益との見方が多い。現状
の株価は一定程度の業績悪化は織り込んでおり、決算発表が「悪材料出尽くし」となる可能性もあるが、想定より悪い決算が続けば「
下期回復のシナリオが修正されるリスク」もある。
3〜5月期決算に対する市場の反応にも2つの見方に揺れる投資家心理が透けてみえる。3〜5月期の純利益が前年同期比7割減
だったと発表した安川電機。受注動向の改善を好感する声もあったが、12日の株価は一時5%安に沈んだ。
□ □ 日本に先駆け4〜6月期決算発表が始まる米国では、今決算が下期回復シナリオの修正にとどまらず、金融相場の終わり
を招く可能性を指摘する声が上がる。
UBSのストラテジスト、フランソワ・タハン氏はS&P500種株価指数と米国の「サプライズ指数」との関係に注目する。サプライズ指数
は、経済統計の事前の市場予想と結果の乖離(かいり)幅を指数化した指標で、市場予想に対して実績が悪ければ指数は低下する。
今年2月以降、サプライズ指数が低下すると株価は上昇した。景気が悪くなればFRBが緩和をして支えるとの期待からだ。
2007〜08年にもサプライズ指数と株価が逆行したが、08年9月に突如崩れ、サプライズ指数と株価が連動して下がった。きっかけ
はS&P500の「予想1株当たり利益(EPS)の伸び率が0%を下回ったこと」(タハン氏)。業績悪化が顕在化すれば緩和期待では株
価を支えられない。同じ現象は01年にも起きている。S&P500の予想EPS成長率は急速に低下し足元で4・5%程度。決算が悪けれ
ばマイナスに転じてもおかしくない。
これまでは緩和期待が景気や企業業績の悪さを覆い隠すことで株高を演出してきた。米国株は日本株ほど業績悪化を織り込んでお
らず、決算で成長率が下がって金融相場が終幕したときの影響は大きい。
日本株の投資家にとって、日本企業の下期回復シナリオが修正されることに米国株の下落が重なれば最悪のケースとなる。今回の
決算は投資戦略の再考につながるかもしれない。 マイナス金利の深掘り、金融仲介機能はさらに低下=全銀協会長
https://jp.reuters.com/article/jba-takashima-boj-idJPKCN1UD14N
[東京 18日 ロイター] - 全国銀行協会の高島誠会長(三井住友銀行頭取)は18日午後の定例会見で、日銀のマイナス金利
深掘りの可能性について「マイナス金利深掘りによる物価上昇の効果については、慎重に見極める必要がある」と述べ、副作用
にも留意する必要があるとの認識を示した。
マイナス金利深掘りの副作用については「金融仲介機能のさらなる低下を引き起こす」と指摘するとともに、金融機関の収益低下
を招き、その結果として「銀行システムの格付けが引き下げられれば、外貨調達コストの増加などを通じて悪循環的に金融仲介
機能不全に陥るリスクがある」との見解を示した。
日本政府による韓国向け輸出管理の運用の見直しについては「あくまで輸出管理の厳格運用。金融規制を含めた対抗的な制裁
措置とは性格がまったく異なる」と述べ、今後、金融規制措置には至らないとの見通しを示した。その上で「民間ベースのビジネス
関係は金融を含めて健全に清々と行われている。従来通り、Win−Winのビジネス関係を維持したい」と語った。 アサヒ、豪ビール最大手買収、1.2兆円で合意。
2019/07/20 日本経済新聞 朝刊
ビール国内首位のアサヒグループホールディングスは19日、ビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)から
オーストラリア事業を買収することで合意したと発表した。取得価格は1兆2000億円。国内ビール市場が2018年まで14年連続で
縮小する中、海外で需要が伸びる高級ビールの販路を広げる狙い。日本のビール大手による海外のビール会社の買収で1兆円を超え
るのは初めて。(関連記事7面に)
買収するのはインベブ傘下のカールトン&ユナイテッドブリュワリーズなど。同社は豪州で5割弱のシェアを持つ最大手で、「ビクトリ
アビター」といったブランドで知られる。18年12月期の売上高は約1700億円。最終的な買収額は契約完了時に対象事業が持つ
現金や負債などを考慮するため流動的な面がある。
同国の高級ビール市場は伸びており、アサヒは今回の買収で主力「スーパードライ」の販路確保につなげる狙いもある。
インベブはアジア子会社の上場を市況などを理由に7月に断念した。過去のM&A(合併・買収)に伴う巨額負債の圧縮などのため
に代替の資金調達手段を求めていた。アサヒは高級ビールの世界展開を成長戦略に掲げており、海外M&Aに積極的だ。16〜17年
には計1兆2000億円を投じ、インベブから相次ぎ欧州ビール事業を買収していた。
最大2000億円、普通株で調達。
2019/07/20 日本経済新聞 朝刊
アサヒグループホールディングスは19日、自己株式の活用を含む普通株式で最大2000億円を調達すると発表した。買収による
財務悪化に対応する。野村証券などが引き受ける。このほか劣後債2000億円や社債などの発行も検討する。買収資金にあてる
約1兆2000億円のブリッジローン(つなぎ融資)は三井住友銀行が全額融資する。 90歳まで運用せず生きると…、老後資産、6割超で枯渇、三菱UFJ信託調査。
2019/07/29 日本経済新聞 朝刊
老後への備えに注目が集まるなか、資産運用せずに90歳まで長生きした場合、6割を超える世帯で金融資産が枯渇する恐れが
あることが三菱UFJ信託銀行の調査でわかった。2千人超に家計の保有資産や収支を個別に聞き取り、推計した。「人生100年時
代」に備えた資産運用の重要性を訴える狙いがある。
調査によると、退職後から全く資産運用しない場合、90歳まで金融資産を保てる世帯は全体の34%にとどまった。年率3%で運
用すれば全体の53%、このケースで介護費用が生じなければ、全体の84%が90歳時点でも金融資産が残っているという。201
7年の日本人の平均寿命は女性が約87歳、男性が約81歳。
17年の家計調査によると、高齢者世帯の貯蓄額の中央値は1600万円強。今回の調査はこの中央値に合わせる形で退職時の
保有資産が600万〜3千万円となる50歳以上の男女、約2200人を調べた。資産は持ち家を除き、退職金など金融資産を対象とし
、公的年金などの収入額、生活費やローンの返済といった支出額を聞き取った。
そのうえで各種統計に基づき、海外旅行や住宅改修、介護など老後に生じる可能性がある大きな出費を織り込み、保有資産が何
歳までもつかはじいた。
金融庁の審議会は6月、平均値で老後資金に2千万円の蓄えが必要だとする報告書を出し、物議をかもした。 米利下げでも…国内金利は上昇?―融資の25%「低採算」、日銀、不良債権化を警戒。
2019/07/30 日本経済新聞 朝刊
日本で続く低金利は運用難を招き、一部でゆがみが生じている。日銀によると2017年度の銀行融資は全体の約25%が
「貸し倒れリスクに見合わない低い金利」で、調査を始めた01年度以降、最高だった。大規模緩和に伴うカネ余りを背景に企
業向け融資は毎年3%前後で伸びているが、リスクや採算を度外視した融資は将来の不良債権につながる恐れがある。
日銀が帝国データバンクの情報に基づき、総資産利益率(ROA)と借金依存度を基準に貸出金利との関係を調べた。
利益率が低かったり、借金への依存度が高かったりする企業にもかかわらず、優良企業より低利な融資の比率は25%に
達した。金融機関別に見ると低採算の融資が全体に占める割合が「25〜30%」となっているのが29%と最多で、「40〜45
%」も2%あった。
信用力が乏しく「ミドルリスク」と呼ばれる企業向け融資は本来、金利が高く、厚めに利ざやを取ることができるため銀行の
採算は改善する。ただ融資先の開拓が難しくなるなか、規模を確保するために貸し倒れリスクを反映しない低い金利での融
資が広がっている。
低採算の融資先は利払い能力が低いこともあり、日銀は「景気悪化や金利上昇などのショックが起きると、信用コストが急
激に増える可能性がある」と指摘。ただ銀行融資の増加は日銀による超低金利政策の結果でもある。大量のマネーが本来
貸すべきでない相手に回っているともいえる。 <東証>武田が8カ月ぶり安値 大和は判断下げ、「ニンラーロ」売り上げ予想減額
2019/08/16 11:18 日経速報ニュース
(11時15分、コード4502)武田が続落している。一時前日比84円(2.3%)安の3531円と、昨年12月19日以来およそ8カ月ぶりの
安値をつけた。アイルランド製薬大手シャイアーの買収費用負担で、2020年3月期が最終赤字になる見通しを示すなど業績悪化
への懸念が株価の重荷となるなか、大和証券が15日付で武田株の投資判断を5段階中で上から2番目の「2(アウトパフォーム)
」から真ん中の「3(中立)」に引き下げたことも売りを促している。
大和は売り上げが大和想定を下回っていることなどを理由に、血液がん治療薬「ニンラーロ」や高血圧薬「アジルバ」の売上高予
想を減額した。2019年7〜9月期以降の想定為替レートも1ドル=105円と従来の110円から円高・ドル安方向に見直し、全体の
業績予想も引き下げ、目標株価は従来の4500円から3700円に見直した。担当アナリストの橋口和明氏は同日付のリポートで「開
発パイプラインの現況に鑑みれば楽観的かもしれないが、今後の動向次第では評価上昇余地が浮上する可能性はある」とみていた。 マイナス金利「深掘り」判断に割れる日銀、円高圧力・副作用の板挟み。
2019/08/30 日本経済新聞 朝刊
金融緩和手段としてマイナス金利を深掘りすることを巡り日銀内で意見が割れている。鈴木人司審議委員は29日、一段と金利が
低下すればむしろ緩和効果が反転しかねないと懸念を表明。一方、別の委員は7月の金融政策決定会合で深掘りすべきだと主張し
た。深掘りは円高抑止に一定の効果があるとみる向きもあるが、副作用も大きく慎重に是非を検討する。
「副作用を上回る効果があるかは非常に慎重に検討する必要がある」。鈴木氏は29日の熊本市での記者会見でこう述べ、マイナ
ス金利の深掘りに慎重な考えを重ねて示した。すでにマイナス圏に沈む長短金利がさらに下がれば、利ざやの縮小や運用難が銀行
収益を圧迫。自己資本比率の低下を避けたい銀行は融資を絞り、むしろ緩和の効果が反転する可能性にも触れた。
収益低下に耐えられなくなった銀行が預金に手数料を課し、実質的に預金がマイナス金利になりかねないとの認識も示した。そのう
えで「現時点で緩和の必要性はない」と述べた。
マイナス金利政策は銀行が日銀に預ける当座預金残高の一部にマイナス0・1%を適用するしくみ。余剰資金を日銀に積んでおくこ
とに「罰金」を課し、お金を融資や投資に振り向けさせることで経済の好循環につなげるのが本来の狙いだ。
現在マイナス金利が適用されている当座預金残高は約19兆円で、単純計算で銀行界の「実害」は190億円。ただ長期金利も含め
た金利全体を押し下げることで、低い金利で調達し、それより高い金利で貸すことで得られる利ざや収入が大幅に縮むというのがマイ
ナス金利政策に伴う銀行界への本質的な影響だ。
マイナス金利を深掘りしても、銀行の経営体力が弱れば、本来の目的である貸し出し増を通じた経済の刺激効果は限られるとの見
方も多い。一方、片岡剛士審議委員は7月の金融政策決定会合で、「短期政策金利を引き下げる(マイナス金利を深掘りする)ことで
金融緩和を強化することが望ましい」として、金融政策の現状維持に反対票を投じた。
黒田東彦総裁は同会合後の記者会見で「マイナス金利については色々な意見があることは承知している」と述べたうえで「片岡委
員の考え方で、委員会で共有されているわけではない」と述べた。金融政策を決める9人の政策委員の中で鈴木氏は緩和慎重派、片
岡氏は緩和積極派とみられていることを考慮する必要はあるがハードルが高い手段との認識が強い。
ただ米中摩擦を背景に、外国為替市場では円高基調が続く。26日には約7カ月ぶりの円高・ドル安水準となる1ドル=104円台に
突入した。米連邦準備理事会(FRB)が9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利下げに踏み切れば、日米金利差が縮小し
円高が進む可能性もある。
マイナス金利の深掘りは副作用も大きい半面、市場では「深掘り↓日米金利差の縮小に一定の歯止め↓円高抑止」との見方もある。
ある幹部は「やりたいと思わないが、やらざるを得なくなる局面がくるかもしれない」と話す。刻々と変わる米中摩擦の情勢やそれで振
れる金融市場の動向をにらみながら次の一手を探ることになる。 INCJ、コマツ、三井住友銀などが新会社設立 建設業者向け決済サービス提供
2019.8.30 17:37
INCJ(旧産業革新機構)とコマツ、三井住友銀行などは30日、建設業者向けに資材の購入費の立て替えといった決済サービス
を提供する新会社を共同で設立したと発表した。業者の業務効率化を支援する狙い。来年度以降の収益化を目指し、将来的にはリ
ース事業なども展開する予定。
建設業者は専用アプリで資材を購入できるようになり、受発注や経理などの事務業務を効率化させる。さらに過去の取引データな
どを分析して与信を行い、資材費の立て替えなどを行い、業者の資金繰りや財務体質の改善を図る。
一般的に建設業者が売り上げを受け取れるのは工事の完了後。先だって必要な資材費は負担だった。デジタル化が遅れている企
業も多く受発注などの事務業務も膨大だった。人手不足や就業者の高齢化もあり業務効率化は急務だった。
社名は「ランドデータバンク」で資本金は4億円。出資比率はINCJが70%、コマツが15%、三井住友銀行、三井住友ファイナンス
&リース、三井住友カードがいずれも5%。 急騰する銀行株 上昇続くか 市場関係者に聞く
2019/09/11 14:57 日経速報ニュース
銀行株の戻りが鮮明だ。米中貿易協議の進展期待などを背景に米国の長期金利が底入れの兆しをみせている。利ざや悪化懸念
が和らぎ、9月に入ってからは世界的に銀行株が買われている。一方で、来週17〜18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)も含め
、世界の中央銀行の政策金利の引き下げは今後も相次ぐ見通しで、長期金利の上昇の持続性には疑問が残る。銀行株の上昇は続
くのか。市場関係者に聞いた。
■高井晃・大和証券アナリスト
「中長期的には高配当利回り株として上昇」
足元の銀行株の上昇は米長期金利が上昇したことに加え、円安進行で日銀のマイナス金利深掘り懸念が後退したことが大きい。
銀行株は今年に入り米中貿易摩擦の激化を背景とした米長期金利の低下に連動する形で大きく売られていたが、米金利の反転を
きっかけにこれまでの売りの持ち高を買い戻す動きが起きた。
メガバンクは業績懸念が地銀に比べ小さいことも追い風だ。海外比率の高いメガバンクは米連邦準備理事会(FRB)の利下げで
米ドルの調達コストが低下するメリットを享受できる。メガバンク株は今回の上昇が一服しても高い配当利回りは投資妙味を誘う。
中長期的には高配当利回り株としての側面が強くなり、株価はゆっくりと上昇していくだろう。
■佐藤雅彦・SMBC日興証券アナリスト
「戻しは短期的、銀行株の低迷続く」
銀行株の上昇は長く続かないだろう。足元の銀行株高は米長期金利の上昇が要因だが、FRBは今後も利下げを継続するとの見
方は強い。その状況下で投資家が米国債の売却を続ける可能性は低い。
今年に入り銀行株の下落が続いたのは米中貿易摩擦の激化による米長期金利低下に連動したもので、6月以降は円高進行に
よる日銀のマイナス金利深掘りが意識されたことも加わっている。再び円高が進めば日銀のマイナス金利深掘りへの思惑が高まり
、銀行株の上値を抑える。メガバンク株の利回りは高いが、下支え要因となるのであれば年初からの下げがここまで大きくなること
はなかったはずだ。米中貿易摩擦が短期間で解決するとも思えず世界的な低金利は続くため、中長期でも銀行株の低迷は続くだろう。
■市川雅浩・三井住友DSアセットマネジメント
「FRBの利下げでバリュー株買いは一服」
銀行株を始め割安(バリュー)株上昇の要因となっている米長期金利の上昇は続かず、結果的に巻き戻しも短期で終わる可能性
が高い。米長期金利が1.5%近辺から上昇し始めたのは、FRBの大幅な利下げを市場が織り込み過ぎ、短期筋を中心にいったん
利益確定売りが進んだためだ。米中貿易交渉のニュースで一喜一憂するが、この問題が短期間で解決するとは恐らく誰も思ってい
ないはずだ。
長い目で見れば債券など安全資産への資金流入は続く。FRBの利下げも続くため、米10年債が2.0%近辺まで上昇すれば今後
は割安感から押し目買いが入り再び低下する可能性は高い。17〜18日のFOMCで利下げが実施されれば、そうした先行きに対
する意識が再度強まりバリュー株買いの動きは一服するだろう。 割安株の買い戻し鮮明 悲観論後退、成長株からシフト
2019/09/11 20:30 日経速報ニュース
東京株式市場で割安株を買い戻す動きが鮮明となっている。米中貿易摩擦などを背景に、外部環境に業績が左右されにくい
安定成長株などを好む動きが続いてきたが、足元では流れが逆転。米中対立を巡る過度な警戒感が和らぐとともに、PER(株
価収益率)など投資尺度でみて割安感のある金融株や素材関連の上昇が目立っている。
11日は三菱UFJフィナンシャル・グループが約5カ月ぶりの高値を付け、野村ホールディングスは年初来高値を更新した。神戸
製鋼所や総合商社など素材・資源株も軒並み上昇した。幅広い業種で、収益力や保有資産からみて相対的に割安な水準にあ
る銘柄に資金が向かった格好だ。8月までPBR(株価純資産倍率)1倍割れの場面もあったトヨタ自動車は年初来高値を更新し
た。
対照的にPBRやPERが高めの銘柄群は株価がさえない。第一三共は前週末対比で5%安、オリエンタルランドは同3%安
だった。これまで世界景気の先行きとは関係なく安定成長できる事業モデルを強みにマネーの逃避先となっていたが、米中閣
僚級協議の再開など好材料が出たことで投資家心理が好転。マネーが割安株へシフトした。
PBRの低い銘柄で構成する、東証株価指数(TOPIX)の「バリュー指数」は8月下旬の年初来安値から9%上昇。米国市場
で割安株の買い戻しが鮮明になり、東京市場にその流れが波及した側面もあった。
成長株を買い持ちし、割安株を売り持ちしていたヘッジファンドの持ち高解消という需給要因が割安株上昇を主導しているよう
だ。「日本株そのものの割安さに着目した長期投資家の資金も流入している」(マッコーリーキャピタル証券の増沢丈彦氏)との
指摘もあり、物色の流れが変わる可能性もある。 再送-日銀決定会合こうみる:新たな文言、次回の予告ではない=みずほ証 丹治氏
https://jp.reuters.com/article/idJPL3N26A119?il=0
[東京 19日 ロイター] -
<みずほ証券 チーフ債券ストラテジスト 丹治 倫敦氏>
日銀は公表文に新しい文言を入れてきた。「海外経済の減速の動きが続き、その下振れリスクが高まりつつあるとみられるもとで、
日本銀行は物価安定の目標に向けたモメンタムが損なわれるおそれについて、より注意が必要な情勢になりつつあると判断して
いる」としたうえで、「次回の金融政策決定会合において、経済・物価動向を改めて点検していく」とした。
これは市場の期待感をつなぎとめるためのもので、次回の会合で具体的に追加緩和策が検討されることを予告するものではない
だろう。急激な円高が進まない限りは、次回も現状維持になると予想している。
後場、円債が買われているのは、市場の一部に期待があった超長期ゾーンのスティープ化促進策が見送られたことが一因ではな
いか。具体的な政策予想があったわけではないようだが、金利上昇懸念が剥落するなかで、買いが強まっている。
ただ、9月以降の金利上昇は、米中対立緩和期待など海外の要因がドライバーだった。海外情勢に大きな変化がない限り、金利低
下トレンドになるとはみていない。 日銀、緩和カード温存、「経済・物価来月に再点検」、円高リスクを警戒。
2019/09/20 日本経済新聞 朝刊
日銀は19日の金融政策決定会合で現行の金融緩和策の維持を決めた。米連邦準備理事会(FRB)をはじめ世界の中央銀行が
金融緩和に動くなか、今後の円高リスクなどをふまえ、貴重な緩和カードを温存した格好だ。世界経済の下振れには警戒を強めてお
り、10月に景気や物価動向を再点検する方針も表明した。(会見要旨5面に)
日銀は決定会合後の声明文で、海外経済について「減速の動きが続いている」として判断を引き下げた。米中の追加関税の引き
上げが進み、中東情勢の緊迫化で原油価格が一時急騰するなど景気の下押し要因も増えたためだ。
経済協力開発機構(OECD)が19日発表した2019年の世界の実質経済成長率の見通しは2・9%で、前回5月から0・3ポイント
下方修正した。
日銀が今回動かなかったのは、国内の景気や物価にはまだ波及していないと判断したためだ。黒田東彦総裁は19日の記者会見
で「個人消費は比較的底堅く推移し、設備投資もしっかりした計画になっている」と述べた。
18日にはFRBが2会合連続の利下げを決め、先週には欧州中央銀行(ECB)も利下げや量的緩和の再開に動いた。米欧との内
外金利差の縮小から円高が進めば輸出企業の収益悪化や株安を招く恐れがあったが、足元の円相場は1ドル=108円前後で推移。
一時104円台を付けた8月下旬より円安・ドル高の水準にあり、日銀が現状維持を決めるのを結果的に後押しした。
日銀は主要中銀の中でいち早く大規模な金融緩和に取り組んできたとはいえ、直近の動きだけをみれば、金融政策を維持する少
数派だ。超低金利が地方銀行などの収益圧迫や年金基金の運用難を招くといった副作用も顕在化しつつあり、日銀としては可能なら
緩和カードは温存しておきたいというのが本音だ。
一方で市場参加者から無策とみられれば円高圧力が強まりかねない。このため決定会合後の声明文を通じて次回の10月末の決
定会合で「経済・物価動向を改めて点検していく」と打ち出した。
10月会合はもともと四半期ごとの「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を公表するタイミングだが、状況次第で追加緩和に動く
可能性があると市場に印象づける狙いが透ける。会見で追加緩和への姿勢を問われた黒田氏は「前回の会合よりも前向きになって
いるかと言われればその通りだ」と応じた。
ただ日銀は7月の会合後の声明文でも物価上昇のモメンタム(勢い)が損なわれそうになれば「ちゅうちょなく追加的な金融緩和措
置を講じる」との一文を加えた経緯がある。米欧が利下げという現実の政策変更に踏み出すなか、「口先緩和」でどこまで市場の期待
をつなぎ留められるかは微妙だ。
黒田氏は追加金融緩和に関して「政策のベネフィット(効果)とコスト(副作用)をしっかり比較考量して適切な措置を考える」と述べ、
副作用にも目配りする考えを重ねて示した。 黒田日銀総裁会見の要旨、消費増税の影響大きくない、追加緩和さらに前向きに。
2019/09/20 日本経済新聞 朝刊
問 欧米の中央銀行が金融緩和に踏み切るなか、現状維持の判断をした理由は。
答 どの国の中央銀行も、自国の経済・物価の安定を実現する目的で、それぞれの置かれた状況に応じて金融政策を運営してい
る。主要国の金融政策は国際金融市場や世界経済におよぼす影響があり得るが、その大きさは経済情勢や市場環境によって異な
る。日銀としてはこうした状況を注意深く確認しつつ、毎回の会合で適切な金融政策運営に努めている。
問 あえて次回会合での点検を明示した。政策の枠組みを変更する可能性があるのか。
答 通常、年4回の展望リポートでは、経済指標などから今後の経済・物価の動向を予測する。それを踏まえて金融政策を行うとい
う点では特に違うことはない。追加緩和を仮に議論する場合にも、現在の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の全体の枠組み
を変更する必要があるとは思っていない。
問 新たな条項を入れたことで、前回会合と比べて金融緩和にさらに前向きになったのか。
答 追加緩和について前回より前向きなのかと言われれば、その通りだ。海外経済の下振れリスクは高まりつつあるとみており、
次回の会合で十分に経済・物価情勢を点検していく。
問 日銀には緩和をさらに進める余地が少ないとの声があるが。
答 米連邦準備理事会(FRB)の政策金利は2%程度で、単純に比較すると、日銀の政策金利はマイナス0・1%なので緩和余地
が少ないかもしれない。他方で欧州中央銀行(ECB)は政策金利をマイナス0・5%に引き下げており、ECBと比べればまだ緩和余
地がある。いずれにせよ、以前から述べている4つの選択肢とその組み合わせにより金融緩和の余地は十分にある。
問 マイナス金利の深掘りは追加緩和の有力な選択肢か。
答 短期金利の引き下げ、長期金利の操作目標引き下げ、資産買い入れ拡大、マネタリーベースの拡大ペース加速という4つの選
択肢やその組み合わせがあり得るというのは前から言っている。マイナス金利引き下げも入っている。その時の決定会合で議論して
効果と副作用を十分勘案して適切な緩和措置を行う。現時点で何かを優先的に選択することはない。
問 銀行が口座維持手数料を導入するなどして、預金金利を実質的にマイナスにすることについての考えは。
答 欧州はユーロ圏に限らず、中央銀行が政策金利を深掘りしているが、個人の預金金利がマイナスになっているという話はあまり
聞かないので日本でそうなる可能性はないと思う。口座維持手数料は各金融機関が経営判断で決めることで、私からコメントするこ
とは差し控える。
問 現在の国債のイールドカーブ(利回り曲線)の水準は適切か。
答 超長期国債の金利が下がりすぎると年金や生命保険の運用利回りが下がるのではないかという消費者心理への影響があり得
る。適切なイールドカーブになるよう国債買い入れについて必要な調整を行っていく。
問 長期金利が低下したときの対応は。
答 海外の金利低下とともに国内金利が下がるのは市場機能が発揮されている面もあるので、それをすべて止めなければならない
というのも変だ。ただ10年物国債の金利の操作目標としてゼロ%程度と申し上げているので、それを外れる状態をいつまでも容認す
るということはない。国債買い入れのプログラムを市場の状況に応じて修正しており、今後も必要に応じてやっていく。
問 消費増税を踏まえ、財政政策の重要性は。
答 財政政策は政府の所管だ。一般論として、中銀が金融緩和を推進する状況で財政支出を拡大する場合には、相乗効果で景気
刺激効果がより強力になる。消費増税については様々な措置が講じられており、現時点で大きく経済が影響を受けるとはみていない。
消費者心理はいろいろなところで影響されるので十分注視していきたい。 問 米国景気などの海外経済リスクは。
答 米国経済は比較的堅調だ。特に消費がしっかりしていて賃金も上がっている。すぐに景気後退に陥る可能性はあまりないと思う。
欧州経済はやや減速の状況が続き、ECBが措置をとった。中国経済も減速しているが、財政金融政策などの措置をとっている。それ
ぞれ状況に応じて中銀が政策をとっている。
問 米国での住宅価格上昇などバブル経済のリスクをどう見るか。
答 今の時点で大きなバブルがあるとか、金融規制の網が十分でなく大変なことになる懸念があると言っている国際機関や中銀はな
い。ただリーマン・ショックの反省もあるので注意深く見ている。今の時点で、特に先進国の金融システムで何かリスクがたまっていると
は考えていない。
問 米国の短期金利上昇の背景をどう見るか。財政問題が反映されているとの見方もある。
答 季節的な要因も重なっており、財政や金融に大きな構造的な問題があるとは思わない。FRBは迅速に流動性を供給して対応し
た。国際金融市場の動向には注意していきたい。 マイナス金利深掘りの見送りを「歓迎」、全銀協会長。
2019/09/20 日本経済新聞 朝刊
全国銀行協会の高島誠会長(三井住友銀行頭取)は19日の記者会見で、日銀が追加の金融緩和策としてマイナス金利の深掘り
を見送ったことを「歓迎したい」と述べた。そのうえで「(金融機関に与える)副作用の緩和策がすべて実行されても悪影響を完全にオ
フセット(相殺)することにはならないだろう」と今後の深掘りをけん制した。
日銀は2016年2月に始めたマイナス金利政策で、銀行などが日銀に開く当座預金の一部から金利を徴収している。現在の金利
幅はマイナス0・1%で、決定会合の前には緩和の強化策の一つとしてマイナスの金利幅を広げるのではないかとの観測もあった。
高島氏は「銀行の健全性が損なわれれば金融仲介機能が低下するなどのデメリットがある」と話した。
マイナス幅の拡大で貸出金利が一段と下がれば銀行の収益を圧迫し、預金者に負担を求める口座維持手数料の導入論にも波及
する可能性がある。欧州では一定の残高を持つ預金者から手数料を徴収する動きが広がっている。高島氏は「口座の維持や管理に
コストが発生しているのは事実だが、マイナス金利と別に論じられるべきものだ」と指摘した。 住宅ローン、ネットに軸足、大手行、長期金利低下でシフト、投資商品にも余波。
2019/09/26 日本経済新聞 朝刊
長期金利がマイナス圏で推移するなか、金融商品に影響が広がってきた。住宅ローンは採算が悪化し、大手行はコストのかからない
インターネット販売へのシフトを促している。投資商品でも債券中心の「安定型」は運用が厳しくなった。効率化や、よりリスクの高い商品
への移行など、金融機関は工夫を迫られている。
日本の10年物国債利回りは8月に急低下し、一時は過去最低のマイナス0・3%に近づいた。米欧の中央銀行が金融緩和を再開した
ことで、世界的に金利低下圧力が強まっている。9月前半にマイナス幅が縮小する場面もあったが、水面下での推移が定着している。
大手行は毎月末に翌月の住宅ローンの適用金利を公表しており、各行は9月の適用金利を引き下げるとみられていた。しかし、指標と
なる10年固定型を引き下げたのは大手5行のうち、りそな銀行だけだった。
市場の金利が低下しても、住宅ローン金利が下がりにくくなっている。この現象はデータをみれば明らかだ。5行平均の最優遇金利は
9月時点で0・729%。7月以降、ほぼ横ばいだ。その結果、長期金利との乖離(かいり)幅は8月末に1・02ポイントと2011年5月(1・
06ポイント)以来の大きさとなった。
住宅ローンの審査などにかかるコストを考慮すれば、金利収益の低下は限界に近づいている。長期金利と住宅ローン金利の格差には
大手行の苦しい台所事情が透ける。3メガ銀行の居住用住宅ローンの残高は19年3月末で前年比3%減の31・6兆円。14年度以降
、毎年数%ずつ減っている。
だが銀行にとって住宅ローンは、個人の顧客と生涯の資産形成に関われる重要な商品だ。個人との長い取引の手掛かりを得るため
、「ある程度の採算は度外視して続けなければならない」(大手行幹部)。そこで各行が力を入れるのが販売の効率化だ。
三菱UFJ銀行は17年4月にインターネット経由で新規契約を受け付ける電子化を開始した。19年9月には不動産会社経由での販売
でも顧客自身がスマートフォンで事前審査の申し込みができるサービスを始めた。「来店者の減少により、ネットと不動産会社経由での
販売を重視している」(担当者)という。三井住友銀行やみずほ銀行も住宅ローンの審査や契約を電子手続きでできるようにしている。
一方、インターネット系銀行は金利の低さと簡便な手続きを売りに残高を伸ばしている。住信SBIネット銀行は19年3月期の新規の貸
出額が約8200億円と、前の期比18%増加。低金利の継続を見据えて変動型を重視しており、同行では9月現在で35年物の最優遇
金利で0・457%を提示した。大手行とは逆に対面での営業にも力を入れており、専属の銀行代理店「ローンプラザ」を首都圏を中心に
14店舗展開し、ネットでの契約に抵抗感のある顧客の開拓に動いている。
投資商品でも変化が起きている。SMBC日興証券は運用を一任するファンドラップで、最もリスクの低いタイプの商品「RU1」に初めて
株式を組み入れる。これまでは国内外債券40%、オルタナティブ(代替)資産60%で運用してきた。
今月からリバランス(資産の再配分)を開始し、国内外株式の組み入れ比率は20%程度を予定している。日本や欧州でのマイナス金
利に加え、米国も金利低下傾向が続いていることを受け、相対的に値動きの大きい株式にも投資してリスク分散や収益源の多角化を図る。
日銀の長期金利の誘導目標は「0%程度」。黒田東彦総裁は日本経済新聞とのインタビューに「(長期金利の低下が)行きすぎれば当
然チェックする」と話したが、長期金利を無理に引き上げることに対しては慎重な姿勢を示している。マイナス圏が続けば、商品の中身や
サービスのあり方は見直しを迫られそうだ。 三井住友FG、電子契約推進へ新会社、弁護士ドットコムと。
2019/09/26 日本経済新聞 朝刊
三井住友フィナンシャルグループ(FG)は企業の契約手続きを電子化する取り組みを進める。10月に弁護士ドットコムと共同出資会
社をつくり、ネット上で契約書の締結や保管ができるクラウドサービスを始めると25日に発表した。書類のやり取りで生じる印紙代や
郵送費の削減と業務の効率化を後押しする。
担当者がネット上に契約書をアップロードし、クリックすれば契約が成立するしくみ。企業間の売買や業務委託に関する契約書だけ
でなく、同意書や発注書での活用も見込んでいる。新会社への出資比率は三井住友FGが51%、弁護士ドットコムが49%で、10月
中に業務を始める予定だ。
契約書の締結や保管に限らず、人工知能(AI)の活用で文書を校正したり、追加すべき条項を提案したりする機能も今後加える。三
井住友FGは契約に伴う資金決済の拡大に商機を見いだす。 マイナス金利、CPでも続々、日銀政策、調達変える。
2019/09/27 日本経済新聞 朝刊
企業がお金を3カ月など短い期間で借りるために発行するコマーシャルペーパー(CP)でマイナス金利が相次いでいる。キリン
ホールディングスや王子ホールディングスなどがマイナス0・01〜0・0001%で資金を調達した。市場関係者によると、CPの発
行残高に占めるマイナス金利の割合は3〜4割に達する。銀行融資からCPへの調達シフトも一部起きているもようで、日銀のマ
イナス金利政策が企業の資金調達に変化をもたらしつつある。
マイナス金利でCPを発行したのはキリンHDや王子HDのほか、DICや三越伊勢丹ホールディングス、横浜ゴムなど。いずれも
発行金利はマイナス0・01〜0・0001%だった。企業はお金を借りたうえで、さらに利息も受け取ることになる。証券保管振替機
構によると、CPの発行残高は8月末で約21兆3000億円。金融機関のCP担当ディーラーによると「このうち3〜4割がマイナス
金利」という。
CPは社債と似た商品性を持つ。満期までの期間が1年未満ならCP、1年以上は社債となる。社債では、マイナス金利での発
行実績はまだないが、CP市場ではマイナス金利が広がっている。
日銀は16年にマイナス金利政策を導入し、銀行が日銀に預けるお金(当座預金)の一部にマイナス0・1%の金利を適用してい
る。銀行などの金融機関がマイナス金利でもCPを購入せざるを得ないのは、日銀に0・1%の金利を支払うよりはまだ損失を抑え
られると判断しているためだ。 M&A絡む節税の抜け穴封じへ、ソフトバンクGが発端、財務省「意図的な赤字」問題視。
2019/10/20 日本経済新聞 朝刊
財務省は、ソフトバンクグループ(SBG)が用いたM&A(合併・買収)に絡んだ節税策を防止する方針を固めた。同一グループ内の
資本取引で実態に変化がないにもかかわらず巨額の赤字を意図的につくり出して、ほかの部門の黒字と相殺して法人税を減らす手
法を認めない。予期せぬ大規模な節税につながった制度の抜け穴をふさぐ。
財務省が問題視しているのは、子会社などが中核事業を放出して企業価値が落ちた状態にしてから売却し、簿価と売却額の差だ
け赤字を発生させる仕組みだ。このため、子会社の中核事業を手放す際には簿価も目減りさせるルールを軸に検討する。子会社を売
却しても簿価と売却額の間に差がなくなり、意図的に赤字をつくれなくなる。
与党の税制調査会での議論も踏まえて、2020年度の税制改正大綱に関連法令の見直し方針を盛り込みたい考えだ。
SBGは買収したアーム・ホールディングス(HD)と、その中核事業を担う子会社の「アーム・リミテッド」に関する資本取引で大規模
な節税を実施した。開示資料などによると、SBGは18年3月にリミテッド株の4分の3をアームHDから配当という形で吸い上げた。
これにより、アームHDの実質的な価値は大きく目減りした。
SBGは買収時より価値が大幅に落ちたアームHD株の8割弱を同じく傘下にあるソフトバンク・ビジョン・ファンドなどに売却して赤字
を発生させた。この赤字をほかの事業で生じた黒字と相殺し、SBGの法人税負担はゼロになった。中核事業のアーム・リミテッドは親
会社が変わったが、SBGの傘下にあることに変わりない。
一つ一つの取引に違法性はなく、制度の抜け穴となっていた。国税庁からの相談を受け、財務省は今夏ごろから対策の検討を始め
ていた。一部有識者の間では、包括的に税逃れを制限する規定をつくるべきだという意見もあった。 日銀決定会合、先行き指針修正検討、利下げ可能性明示へ。
2019/10/31 日本経済新聞 朝刊
日銀は31日の金融政策決定会合で、政策金利の先行き指針(フォワードガイダンス)を修正する検討に入った。現在は「少なく
とも2020年春ごろまで現在の極めて低い長短金利」を続けるとしているが、将来の利下げの可能性を盛り込む方向で調整する。
日銀は今会合で追加緩和は見送る公算が大きいものの、指針の修正で緩和に前向きな姿勢を改めて示す。
指針は中央銀行が将来にわたり、緩和的な金融環境が続くことを約束するための手段で欧州中央銀行(ECB)も導入している。
日銀は18年7月、現在の超低金利を「当分の間」、続けるとする指針を導入。19年4月に「当分の間、少なくとも20年春ごろまで」
と時期を明確にする修正を施した。
今回は、約束する金利水準について、利下げの可能性を明示する方向で調整。日銀は2%の物価安定目標に向けたモメンタム(
勢い)が損なわれるおそれが高まった場合には、現在マイナス0・1%の短期政策金利の引き下げ(利下げ)を含めて「ちゅうちょなく
追加緩和する」と表明している。
このため指針でも、利下げを含めて緩和に前向きであることを明示するのが妥当との判断に傾いている。現時点で日銀が早期に
利上げに動くとみている市場参加者は皆無のため、超低金利を約束する期間を単純に延ばすことには懐疑的な声が多い。今回の
会合で指針修正を議論し、最終判断する。 株高に乗れない国内勢―「高所恐怖症」急落の記憶残る(スクランブル)
2019/11/06 日本経済新聞 朝刊
5日の東京株式市場では米景気や米中の貿易摩擦についての明るい話題を受けて、海外短期筋の買いが入った。だが一方で
国内の機関投資家は株高の流れに乗れていない。長期的な株高に対する自信の無さと、2018年に経験した株式相場の急落の
記憶から買いの手が鈍い。「持たざるリスク」とのはざまで足踏みが目立っている。
「やはりという印象」。ある国内運用会社の担当者がこう評価したのは、この日に三菱UFJフィナンシャル・グループが財務省に提
出した、企業14社の保有比率引き下げを記した大量保有報告書だ。「足元の株価を踏まえて、利益確定売りを出したのだろう」。
三菱UFJは、日経平均株価が上昇の勢いを強めた9月中旬から、保有株の売却を積極的に進めてきた。
□ □
このところの上昇相場では、海外投資家の買いばかりが目立っている。日本取引所グループの投資部門別売買動向(現物と先物
の合計)を見ると、9月から2兆6000億円を買い越した。対照的に金融機関と投資信託を足した国内機関投資家は計1兆5000億
円の売り越し。国内勢は直近の相場を格好の利益確定の場とみている。
売らざるをえない事情もある。資産に占める日本株の組み入れ比率をあらかじめ定めている投資家も多い。「年金基金などは株高
によって目安を超え調整のため株を売却した」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘氏)との見方がある。
さらにまとまった買いに動けない大きな理由は「高所恐怖症」だ。ファイブスター投信投資顧問の大木将充氏は「日本株の長期的
な上昇に自信が持てないことが最大の要因だ」と指摘する。
□ □
日本経済新聞のまとめでは、国内製造業の20年3月期純利益予想の引き下げ幅は1日時点で合計1兆円に迫る。市場では「これ
以上悪くならない」との期待も強い一方、企業の長期的な成長を描けず「短期で売却しようという判断が働く」(大木氏)という。
急落の記憶も新しい。18年2月と10月には、高値圏にあった日経平均が約1000円下げた日がそれぞれあった。大木氏は「昨年
の記憶もあり、多くの投資家は恐る恐るこの10月を迎えた」と話す。米連邦準備理事会(FRB)が10月に利下げを決めて金融相場
の色彩が強まっている。「当面は株高は続くだろうが、誰かが『高値つかみ』というババを引く相場になる」(農林中金全共連アセット
マネジメントの山本健豪氏)と警戒心が先に立つ。
もっとも慎重派は悪材料を凝視しがちだ。山本氏も「当面の悪材料はない」と話す。18年から続く米中の貿易摩擦については、トラ
ンプ米政権が対中制裁関税を一部撤回すると報じられた。英調査会社IHSマークイットが算出する世界の製造業の購買担当者景気
指数(PMI)は3カ月連続で上昇している。
慎重な国内投資家の心理が好転するのは「株高が定着した後ではないか」(国内証券)と突き放す声もある。
国内勢が保有比率を下げた主な銘柄
提出日 銘柄 保有者 保有比率(%)
11月5日 アインHD 三菱UFJFG 7.24→7.21
Jフロント 三菱UFJFG 7.47→6.36
資生堂 三菱UFJFG 8.76→7.25
クラレ 三菱UFJFG 7.66→6.03
10月23日 東建物 SMBC日興証券 5.38→4.02
JUKI 三井住友DSアセット 6.84→5.93
シノケンG 東京海上日動火災保険 6.26→4.99
(出所)大量保有報告書 日本株「真空地帯」が招く一段高 日米で売り手不在
2019/11/06 21:54 日経速報ニュース
日本株の「年末高」の条件が整いつつある。カギは良好な需給環境だ。6日の日経平均株価は連日で年初来高値を更新し、昨年
10月の高値(2万4270円)まで1000円を切った。過熱感を示す指標も一部にあるが、11月は日米で金融政策が動かず、短期筋が売
りを仕掛けるタイミングは乏しい。
「熱狂感なき株高」。国内証券首脳の今回の高値更新に対する感想だ。日経平均が2万円を割りそうになったのはわずか2カ月半
ほど前。10月に米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀の金融政策決定会合を無風で通過したとはいえ、日米の株価指数が軽々
と節目を超えていくのはさすがに強すぎる印象もある。
一方で「日経平均が年内に2万4000円台を回復する可能性が出てきた」(みずほ証券の三浦豊シニアテクニカルアナリスト)との声
も増えてきた。理由の一つが2万3000円以上の価格帯に「戻り待ちの売り手」が少ないことだ。
今年に入ってからの日経平均の価格帯別売買代金(日時の終値ベース)を見ると「2万2000円以上、2万3000円未満」には約65兆
円の売買があった。ここは9月下旬以降の上昇でクリアした。2万3000円以上は11月に入っての約5.5兆円しかなく、高値づかみした
投資家がほぼいない「真空地帯」だ。
昨年10月の高値近辺ではこの価格帯に48兆円の売買代金があった。だが、昨年末の急落で損切りとなった部分も多いとみられる。
今年10月以降に上昇した主な銘柄を見ると、半導体から製薬、陸運など幅広い業種が全体を押し上げている。
上昇ペースが速かった分、過熱感も強まっている。6日時点での25日移動平均線との乖離(かいり)率や日経平均の騰落レシオ(2
5日移動平均)でみると目先は調整が入りやすい。
みずほ証券の三浦氏は高値を追う条件に東証1部の売買代金が2兆5000億円程度を維持することをあげる。日経平均が大きく上昇
した5日は約2カ月ぶりに3兆円を超えた。「先物買いで様子見をしていた海外投資家が現物を買い始めた可能性がある」。6日もほぼ
条件をクリアした。
日本株が連動しやすい米国株市場でも需給の軽さが目立ち始めた。米証券業界の自主規制機関である金融取引業規制機構(FI
NRA)によれば、投資家が金融機関から株式購入のために借り入れた資金(証拠金債務)の残高は9月末で5559億ドル(約61兆
円)だ。
米株の時価総額(ニューヨーク証券取引所とナスダックの合計)に対する比率は1.6%と、08年のリーマン・ショック以降の最低を記
録した。日本の信用取引と同じ仕組みで、信用買いが「枯渇」しているということは、上昇局面で利益確定による売りが出にくくなって
いることを示す。
11月は日銀や米連邦準備理事会(FRB)による金融政策の変更がなく、主要イベントは米中貿易交渉に絞られる。交渉の行方は
予断を許さないが、米中摩擦が緩和に向かうなら、年末と言わず11月中にも高値を試すかもしれない。 みずほ系・丸紅、米航空リース買収、1900億円。
2019/11/07 日本経済新聞 朝刊
みずほフィナンシャルグループ(FG)系のみずほリース(旧興銀リース)は6日、丸紅と共同で、米大手航空機リース会社エアキャ
ッスルを2020年6月までに買収すると発表した。投資額は2社で約1900億円とみられる。丸紅は既に同社株を3割弱保有してお
り、既存株主から残りの株を買い取る。成長が見込まれる航空機リースを共同で強化する。
エアキャッスルは04年設立で、約280機の航空機を保有する。丸紅が28・8%の株を持ち、みずほリースも16年にエアキャッス
ルと合弁の航空機リース会社を設立している。みずほリース単独の投資額は約690億円で、関係会社を通じて利益を取り込む。
みずほリースとエアキャッスルの合弁は機内の通路が1本の「ナローボディー」を中心に扱うが、エアキャッスル本体は通路が2本
ある「ワイドボディー」も扱っている。 為替と日本経済(中)「通貨安=株高」は例外――購買力低下、長期的な重荷(チャートは語る)
2019/11/17 日本経済新聞 朝刊
20カ国・地域(G20)で為替相場と株価の関係を分析すると、日本では当然と思われる「通貨安=株高」は世界的に見れば
少数だ。円安で企業の円換算利益が膨らむことを投資家は好感するが、一方で物価や各国との貿易から見た「実質実効レー
ト」(3面きょうのことば)は下がって購買力が落ち、企業は海外での投資が難しくなる。円安頼みで持続的な成長は望めない。
2000年以降、36業種別の日経平均株価と為替の連動性を見ると、自動車や電機など主力銘柄が多い10業種は円安の局
面で株高という関係が明確に出た。円高時に株高という結果が出る業種はない。日本株全体では「円安=株高」といえる。
G20では、この関係は日本と米国だけにみられる。米は1990年代後半に当時のルービン財務長官が提唱したとされる「強い
ドル」政策のもと、海外資金を集めて株高につなげた。一方で円と同じように、投資家がリスクをとって株を買う「リスクオン」の時
にドル安と株高が併存する傾向もあるようだ。
欧州各国は為替と株価に明確な関係はない。通貨安が自国からの資本流出を招く新興国は基本的に「通貨高=株高」だ。
日本株を半世紀以上にわたり分析してきた岡三オンライン証券の伊藤嘉洋氏は「日本も1980年代半ばまでは円高で株高だ
った」と振り返る。円高は国の信用力が高いことを意味し、データでも80年代は円高期に株高になっていた。
ところが90年代には明確な関係がなくなる。2000年代は円安で株高の傾向となり、10年代には関係が強くなる。大和証券
の木野内栄治氏は「デフレで円高による輸入物価の下落が意識されにくくなり、株価との関係が薄くなった」と話す。
株高の裏側で、円安は購買力の低下を招く。
貿易の状況を表す指標に「交易利得」がある。金額が大きいほど有利に貿易ができていることを示すものだ。11年をゼロとする
今の統計で見ると、18年度の利得は2兆7千億円。00年度の7分の1にすぎない。この間に海外のモノやサービスを買う力を映
す円の実質実効レートが4割下がり、18年度は00年度に比べると不利な貿易だった。
円安時は海外への投資も割高になる。経済産業省のデータを見ると、国内企業の海外での設備投資は円安になって3年ほどで
減る傾向にある。M&A(合併・買収)に占める海外比率も同じだ。
貿易による所得が縮み、企業が投資をしなければ成長は鈍る。物価や為替の違いを除いた購買力平価(PPP)ベースで見た日
本の1人あたり名目国内総生産(GDP)は18年までの20年間で7割伸びたが、米国は2倍弱、中国は7倍超だ。日本は成長が
弱く、豊かさを示すPPPベースでも米中より伸びが小さい。
日本は円高のメリットが感じにくい国との指摘もある。国内で供給される財とサービスに占める輸入品の比率が17%(17年)と、
経済協力開発機構(OECD)平均の28%に比べて低いためだ。「円高は企業に一時的な痛みがあるが、家計への恩恵は少ない。
だから円高恐怖症をぬぐえない」(第一生命経済研究所の熊野英生氏)
円安がもたらす短期的な株高に目を奪われていると、購買力の低下を通じて日本経済の地盤沈下を招きかねない。 地銀、不良債権処理費2倍、中小の経営悪化で、4〜9月、7割が減益・赤字。
2019/11/20 日本経済新聞 朝刊
地方銀行の苦境が続いている。上場する78の地銀・グループの2019年4〜9月期連結決算について、18年に巨額の赤字
だったスルガ銀行を除いてみると、不良債権の処理費用が前年同期の2倍以上になった。リーマン・ショック後に支援を続けた
中小企業の経営難が響いた。7割にあたる56行が最終減益か赤字で、事業の改革を進める必要性が高まっている。
投資用不動産向け融資で不祥事があったスルガ銀は18年4〜9月期に巨額の赤字に陥った。78の地銀・グループは同行を
除いた数字で19年4〜9月期を見ると、経営が厳しさを増していることが分かる。
19年4〜9月期の連結最終損益の合計額は前年同期比16%増の5515億円。スルガ銀を除くと5355億円で7%の減益だ。
「全体として収益的に厳しい環境を反映している」。常陽銀行の笹島律夫頭取(全国地方銀行協会会長)は今回の決算について
こう語る。
収益を押し下げる要因となったのが「与信費用」の増加だ。融資先の業績悪化による将来の貸し倒れに備えて積む引当金や、
不良債権として損失処理する費用などを含む。スルガ銀を除いたベースでみると、4〜9月期の与信費用は計1077億円で2・2
倍に膨らんだ。
背景にはリーマン・ショック後にできた中小企業金融円滑化法に基づき、返済猶予などで支援した企業の経営難が顕在化してき
たことがある。
西日本フィナンシャルホールディングスは前年同期は融資先の業績回復などで引当金からの「戻り益」があったが、4〜9月期は
一転して32億円の与信費用を計上した。谷川浩道社長は「債務者に対して利払い猶予などの対応をしてきたが、思ったように進
捗せず息切れしてきた」と語る。
帝国データバンクによると、同法にもとづき返済猶予を受けた後、再建できずに倒産した企業の件数は18年度は480件で3年
連続で増加。19年4〜9月の累計でも255件と前年度を上回るペースで倒産が相次いでいる。担当者は「後継者などが確保でき
ずに事業継続を断念するケースが出ている」と指摘する。
本業で稼ぐ力は低迷したままだ。貸し出しで稼いだ資金利益は1兆7366億円で4%減った。日銀によると地銀の新規の長期貸
出金利は8月時点で1%を下回る。顧客の獲得競争は激しく、「貸出金利が下げ止まらない」(三重銀行の渡辺三憲頭取)。
債券や株式など有価証券の運用は持ち直し、4〜9月期の含み益は3月末より8%増えた。米金利の低下(債券価格は上昇)で
米国債の含み益が出たとみられる。
78行は今回の決算から、自ら保有する投資信託の解約益を除いた利益を開示した。約9割の地銀は解約益で本業の「コア業務
純益」を補完していた。低金利の市場環境は国内外で長引いており、今後の運用による収益は細る可能性がある。
島根銀行、みちのく銀行、東日本銀行の3行は最終赤字。島根銀は9月、異業種であるSBIホールディングスから出資を受ける
方針を発表。みちのく銀はライバルの青森銀行と包括業務提携に向けて検討を始めた。コンコルディア・フィナンシャルグループの
東日本銀には、グループ中核の横浜銀行が新頭取を派遣し経営立て直しをめざす。
20年3月期の連結純利益は前期比0・3%減の8575億円の見込み。期初の増益予想から一転して、4期連続の減益となる見
通しだ。 地銀、不良債権処理費2倍―地域商社やネット銀設立、収益多様化の動き相次ぐ。
2019/11/20 日本経済新聞 朝刊
地方銀行は新たな収益源の獲得に向けて動いている。地域商社やインターネット銀行の設立によって取引先の販路開拓を支
援したり、若者向けの新サービスを投入したりする。低金利は長引くとみられ、単純な貸し出しに頼らないビジネスモデルの構築
が急務だ。
地域商社は地域産品やサービスの販路を開拓することで取引先企業の成長につなげようとする事業だ。融資先の売上高が増
えれば設備投資など新たな資金需要が生まれ、地銀の収益向上につながると期待される。
北海道銀行は2015年、北海道総合商事を設立。地理的に近いロシアを念頭に、農業分野などで道内企業の進出を支援して
いる。山口フィナンシャルグループ(FG)や第四北越FGなども地域商社を通じて地元産品を県外などに売り込んでいる。
金融庁もこうした動きを後押しする。10月に監督指針を改正し、地域商社をつくりやすいように業務範囲を明示した。投資子会
社を通じた事業会社への出資規制も緩和している。
ふくおかFGは20年度中にも、地銀として初めてとなるスマートフォン専業銀行「みんなの銀行」を設立する。営業基盤の九州に
とらわれず、首都圏などで銀行になじみの薄い若者らを取り込む。
決済分野はIT(情報技術)企業が台頭している。島根銀行と福島銀行はデジタル分野で知見のあるSBIホールディングスとの資
本提携に動いた。地銀による収益源の多様化は、再編のきっかけにもなる。 マイナス金利の深堀り余地「十分ある」、緩和方向意識−日銀総裁
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-19/Q16U0KDWLU6I01?srnd=cojp-v2
国債買い入れがこれ以上できないことない、ETFも必要−国会答弁
追加緩和は副作用に配慮、金融システム不安定化リスク大きくない
日本銀行の黒田東彦総裁は19日の参院財政金融委員会で、現行マイナス0.1%の政策金利について深掘りの余地は十分にある
と改めて表明するとともに、市場残高の5割程度を保有する国債の買い入れ増も可能との認識を示した。
日本の経済・物価の先行きについて、海外経済を中心に引き続き下振れリスクに注意が必要とし、「日銀は緩和方向を意識した
政策運営が適当な状況にある」との考えを表明。日銀が重視する2%の物価安定目標に向けたモメンタム(勢い)は「維持されてい
る」としながらも、「目標実現に時間がかかっており、残念」と語った。
物価目標の実現に向けて「在任期間と関係なく最大限努力する」とし、物価上昇のモメンタムが損なわれる恐れが一段と高まる
場合には「政策金利の引き下げを含めて追加緩和を躊躇(ちゅうちょ)なく検討する」との意向を示した。同総裁の任期は2023年4月
まで。
緩和手段は長短金利目標の引き下げ、資産買い入れの拡充、マネタリーベースの増加ペースの加速のほか、その組み合わせ
など「さまざまな余地がある」とした上で、マイナス金利の深堀りも「余地は十分にある」と説明した。
市場残高の5割程度を保有する国債については、「まだ市場に十分あり、買い入れがこれ以上できないということはない」とし、
現時点で国債買い入れの限度も考えていないと述べた。指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れも「リスクプレミアムの過度
な拡大・変動を防ぐ役割があり、引き続き必要な措置」と指摘。日銀の保有は株式市場全体の5%程度に過ぎず、「市場機能に影
響を与えていることはない」との見解を示した。
もっとも総裁は、追加緩和措置を検討する際には、政策の効果と副作用を考慮して「最適な組み合わせによる政策をとる」との
考えも表明。低金利の長期化が金融機関収益の圧迫を通じて金融システムが不安定化するリスクがあるが、総裁はそうしたリス
クは「現時点では大きくない」と語った。
総裁は、10月の金融政策決定会合で決めた新たな政策金利のフォワードガイダンス(指針)について、「物価安定の目標に向
けたモメンタムが損なわれる恐れに注意が必要な間、政策金利について現在の水準を維持する、あるいは状況によっては現在の
水準よりも引き下げる方針を明確にした」と説明した。
総裁は同委員会で、半期に一度の「通貨および金融の調節に関する報告書」の概要説明と答弁を行った。 日銀、27営業日ぶりETF買い入れ 703億円
2019/11/20 18:35 日経速報ニュース
日銀は20日、株価指数連動型の上場投資信託(ETF)を27営業日ぶりに購入した。購入額は703億円と、前回10月9日から
1億円減った。株式相場が下落した日に買い入れの見送りが続いていたため、市場では「ステルステーパリング(見えざる緩和
縮小)」が始まった可能性が指摘されていた。今回の買い入れは投資家に一定の安心感を与えそうだ。
20日午前は東証株価指数(TOPIX)が前日比0.6%下落した。日銀はETF買いのルールを明示していない。だが、市場では
過去の実績からTOPIXが午前に0.5%以上下落したら、買いが入るとみなされている。0.2%台の下げで買いが入った日もある
が、13日に0.497%安となった際には買いを見送っていた。
日銀の年初からの買い入れ累計額は約4兆円で、年6兆円の買い入れ目標を大幅に下回る。東海東京調査センターの仙石
誠シニアエクイティマーケットアナリストは「下げ幅がある程度になれば、日銀が買いに動くことを確認できたのは安心感につな
がる」とみていた。 IMFが緩和長期化の副作用言及、日銀は長期金利目標の年限短期化を
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-11-25/Q1I75ADWLU6801?srnd=cojp-v2
金融政策は緩和スタンス維持を、物価目標レンジ化で政策に柔軟性
大手行の資本上積みや、規制の適用拡大なども求める
国際通貨基金(IMF)は25日に公表した日本経済に関する審査(対日4条協議)に関する声明で、イールドカーブのフラット化に
よる金融機関収益や年金・保険の資金運用への悪影響に言及し、低金利の長期化による金融システム面への副作用対策として
、長期金利目標の対象としている国債の年限短期化などを提言した。
声明では、日本経済の先行きについて「国内需要の緩やかな成長は外的環境の悪化によって損なわれつつあり、下振れリスク
が増大してきている」と指摘。潜在成長率を高め、物価安定を実現するには「日銀の緩和的金融政策スタンスが維持されるべきだ」
とする一方、「金融政策の持続可能性を高め、金融安定性リスク増大の緩和のために、金融政策と金融セクター政策のさらなる連
携が図られるべきだ」としている。
その上で、緩和長期化が金融機関の収益性に与える影響を抑制するため、イールドカーブコントロールでの利回り0%の目標値
の設定対象を「10年物国債から満期のより短い国債に変更し、国債のイールドカーブをスティープ化する」ことを提言した。
また、緩和的な金融環境の下で、金融面での脆弱(ぜいじゃく)性が高まってきていることを踏まえ、政府に対して、貸付損失が
生じた場合に備え、大手銀行にその吸収のための資本上積みを求める仕組みであるカウンターシクリカル資本バッファーの引き上
げや、国内基準行への適用などを求めている。
IMF声明における金融政策と金融セクター政策
物価上昇率の低さに貢献している構造要因を踏まえ、物価目標に合致したインフレ水準の再評価の実施。日銀は物価目標達成が
中長期的なものであることを強調しつつ、インフレ目標を幅で提示し、政策の柔軟性を高めることを検討し得る
日銀は現在の「二つの柱」政策戦略を、インフレ予測ターゲティング(IFT)の採用によって強化することも検討できる
日銀の政策ガイダンスは、1)日本国債買い入れの量的ガイダンスをやめること、2)マネタリーベースからオーバーシュート型コミット
メントを切り離すことで簡略化され得る
金融庁は強力なミクロプルーデンス監督・規制を通じ、銀行に対しリスク管理とリスク耐性の強化を促し続けるべきだ。手段としては
、リスクプロファイルに照らした資本要件の個別設定、フォワードルッキングな形で貸倒引当金を積むことの奨励がある
地方銀行が収入源の多様化、ITとフィンテックの活用改善、再編により、健全性を確保できるように金融庁は促し続けるべきだ
金融庁は危機管理・破綻処理の枠組みを、例えば国内のシステム上重要な銀行(D−SIB)全行に総損失吸収力(TLAC)要件の
適用範囲を拡大することで強化すべきだ 恩恵は海外勢のみ?マイナス深掘り、利回り差拡大でも 邦銀に預金の「ゼロ制約」
2019/11/25 22:13 日経速報ニュース
米欧の中央銀行による金融緩和に一服感が漂うなか、緩和カードを温存し続けてきた日銀の動向に注目が集まっている。金融
市場の安定を背景に12月も追加緩和はしないとの見方が多いが、肝心の物価動向は心もとない。市場の一部にはマイナス金利
の深掘りを長短の利回り差を広げて運用難を和らげる策とみる向きもあるが、恩恵を受けるのは海外勢だけとの冷めた見方が多い。
「超長期金利がそのままで、中短期金利が下がることで(利回り曲線の傾斜が急になる)スティープ化が進めば、利回りの低下を
補う収益も期待できるかもしれない」―。三菱UFJ信託銀行の池谷幹男社長(信託協会会長)は21日の記者会見で、マイナス金利
の深掘りに伴う運用への影響を問われてこう述べた。
運用の基本は低い金利でお金を調達し、より高い利回りのものに振り向けて利ざやを稼ぐこと。一般的に短期の金利は低く、長期
になるほど高い。池谷氏は、あくまで長めの金利が下がらなければという前提つきで、短期金利の引き下げを意味するマイナス金利
の深掘りの影響に言及した。
長短金利差を示す利回り曲線(イールドカーブ)の傾きが急なほど、運用には追い風となる。このため「イールドカーブの傾きこそが
重要だ」との考えに立てば、曲線の始点である短期政策金利を下げるマイナス金利の深掘り自体が傾きを強めるため、運用難への
対応で一定の効果を持つという理屈も成り立つ。
ただ、みずほ証券の上野泰也氏はマイナス金利の深掘りが副作用対策になるとの見方には重要な論点が抜け落ちていると指摘
する。邦銀の調達の大半を占めるのが預金という点だ。「なんらかの形でリテール預金にマイナス金利を適用するのが現実問題とし
ていかに難しいかを見落としている」と話す。
銀行の預金金利は普通で0.001%、定期でも0.01%と預金者からみれば「実質ゼロ%」だが、裏返せばマイナスには沈んでいない。
いみじくも、日銀の黒田東彦総裁もマイナス金利を深掘りしても「個人預金金利をマイナスにするというところは見当たらないと思う」と
重ねて述べている。
しかもマイナス金利を深掘りしても、長めの金利がそのまま維持される保証はない。むしろ、イールドカーブ全体が下押しされると考
えるほうが自然だろう。では深掘りで誰が得をするのか。ある日銀幹部は「短期の、より深いマイナス金利で調達し、浅めのマイナス
金利で運用して利益をあげられるのは海外勢だろう」と話す。
現実的に邦銀は調達サイドの預金金利をマイナスにできない制約を抱えている。イールドカーブ全体がマイナス圏に沈めば、恩恵を
受けるのはゼロ金利制約のある預金を持たない海外投資家ということになる。もっとも、この構図は同じくマイナス金利政策を導入して
いる欧州での邦銀の手法に通じる。
日銀が追加緩和の是非を判断する物価動向は、10月の消費増税というかさ上げ要因を加味しても弱めの動きが続いている。日銀
が12月以降、追加緩和に踏み切るのか、その手立てがマイナス金利の深掘りなのかは予断を許さないが、誰が得をするのかは見過
ごせない論点だろう。 NY金融・外為ハイライト マネー再拡大が阻む金利上昇、株最高値にも動じず
2019/11/26 07:25 日経速報ニュース 905文字
【NQNニューヨーク=張間正義】米中協議の進展期待を背景に米主要株価指数が最高値を更新しても、安全資産とされる債券
価格の下落(金利上昇)にはつながらない。中長期の物価上昇期待が高まらないのに加え、米連邦準備理事会(FRB)の保有
資産の再拡大が演出する過剰流動性が債券相場を支えている。 租税回避地、みずほが係争、国税「84億円申告漏れ」、税制複雑、リスク浮き彫り。
2019/11/27 日本経済新聞 朝刊
みずほ銀行は租税回避地(タックスヘイブン)に置いた特別目的会社(SPC)の税務処理をめぐり、東京国税局から約84億円の
申告漏れを指摘され、過少申告加算税を含め約20億円を追徴課税された。処分取り消しを求め、東京地裁に提訴した。26日まで
に関係者への取材で分かった。租税回避を防ぐ税制を適用した国税当局に、みずほ側は「租税回避にはあたらない」と反論。タック
スヘイブンをめぐる日本企業の税務リスクを改めて浮き彫りにした。
訴状などによると、処分対象は2016年3月期。みずほ銀行は「国税当局と当行に見解の相違があるため訴訟を提起しているの
は事実。係争中のため詳細については回答を差し控える」と日本経済新聞の取材に答えた。
親会社のみずほフィナンシャルグループ(FG)とみずほ銀行は08年のリーマン・ショック後に自己資本を増強した。みずほFGが0
8年12月にタックスヘイブンの英領ケイマン諸島につくったSPCが有価証券(優先出資証券)を約3600億円発行するスキームを利
用し、資本を調達。スキームに違法性はない。
優先出資証券を15年6月に償還し、投資家に出資金を完済した時に、争点となる事態が起きた。
投資家に返すお金は、みずほ銀行が別のSPC(100%出資)から形式上、借りている資本性のある融資(劣後ローン)の返済額
が原資。資本増強時とは逆の流れで投資家にお金が戻った。だが、お金は投資家にすべて返したのに、形式的にみずほ銀行によ
るローンの利払いがSPCの利益とみなされてしまった。そこが盲点になった。
東京国税局は「外国子会社合算税制」(タックスヘイブン対策税制)を適用し、100%出資しているSPCの利益をみずほ銀行の利
益と合算して、法人税額を計算すべきだったと指摘した。合算すれば税額は増す。
タックスヘイブン対策税制とは日本企業が法人税率の低い国・地域にある関係会社を利用して法人税を圧縮するのを防ぐ制度だ。
1978年に導入された。適用されるとタックスヘイブンにある関係会社の利益が日本企業に合算され、税負担が増える。適用は一
定の条件があり、日本企業がタックスヘイブンにある関係会社の利益を実質的にどの程度、享受する権利を持っているかも判断要
素の一つとなる。
みずほ銀行は「一連の資金調達のスキームや構造、資金の流れにおいて何ら租税回避の実態を伴うものではない。課税処分は
違法だ」と訴訟で主張している。確かに問題となったSPCは資本増強で使われた「箱」にすぎず、利益を隠すために使ったものでは
ない。
みずほ銀行は訴状で、SPCの決算を1日ずらしただけで、形式的にほぼ利益が出ないようにでき、課税処分の対象にならなかっ
たと主張。あくまで当局の法令解釈が誤っているとの立場だ。一方、国税当局は過去の判例を引き合いに、悪意がなくても形式的
に申告漏れに当たれば課税処分できると説明する。
日本企業は海外展開が増え、タックスヘイブンが関連する取引も多い。ソフトバンクグループ(SBG)では、買収した米携帯電話大
手スプリントなどがタックスヘイブンに保有していた子会社をめぐり対策税制が適用された例もある。
タックスヘイブン対策税制は何度も改正が重ねられ、複雑で分かりにくいとの声も多い。ただ、ひとたび企業が課税処分を受けれ
ば、負担は重くのしかかる。実態はもとより、形式的にも課税処分を受けないような細心の注意と、それを支える体制整備が重要に
なってきている。 2年物国債の入札低調、追加緩和観測の後退映す。
2019/11/29 日本経済新聞 朝刊
財務省が28日に実施した2年物国債の入札は低調な結果だった。応札額を落札額で割った応札倍率は4・13倍で、前回
(4・81倍)を下回った。日銀の追加緩和観測が後退しており、金利低下(債券価格の上昇)が進みにくいとの認識が投資家
の間で広がったようだ。
「日銀の利下げが遠のいているとの観測が弱めの入札につながった」と三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊氏は
指摘する。27日には日銀の桜井真審議委員が神戸市での記者会見で追加緩和の可能性を問われ「積極的に動く必要があ
るかといえば、まだその段階ではない」と述べた。
米国の感謝祭の休みに重なり、入札参加者が少なかったことも影響したとみられる。28日の国内債券市場では低調な入札
を受けて、2年債の利回りが前日比0・015%高いマイナス0・185%に上昇した。
ただ、今後も金利上昇が続くかについては懐疑的な見方が多い。岡三証券の鈴木誠氏は「マイナス金利の2年債は超長期
債に比べれば需要は弱く、市場環境で上下に動きやすい」と話す。米中通商交渉の先行き不透明感も続いており、鈴木氏は
「今後もマイナス0・2%付近でもみ合うのではないか」と指摘する。 マイナス金利は有害−PIMCOが批判に加わる、重大な欠陥3点
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-12-04/Q1Z1OOT1UM0X01?srnd=cojp-v2
デンマークでは小口の顧客にコストを転嫁する銀行が増える
スウェーデン中銀は今月にもマイナス金利解消へ
債券ファンド大手の米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)が、マイナス金利政策には効果より弊害の方が
大きいと指摘するグループに加わった。
PIMCOは3日公表したリポートで、マイナス金利の重要な欠陥を3つ挙げた。第1は銀行の収益性を圧迫し、貸し付けを減
らす結果になる可能性があることで、第2は市場のリターンを押し下げ固定給付を提供する年金基金と保険会社にとって「深
刻な難題」になることだ。貯蓄者が貧しくなっているように感じる「幻想」を生み出し消費を抑制することが3番目の問題点だと
している。 世界経済は前向きだが不確実性も大きい、緩和方向維持が適当=日銀総裁
https://jp.reuters.com/article/kuroda-boj-comment-idJPKBN1YN0N3
[東京 19日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は19日、金融政策決定会合後の会見で、当面の政策運営について、
世界経済には前向きな動きがみられるものの、不確実性が大きく経済・物価の下振れリスクには注意が必要だとして、
引き続き緩和方向を維持した政策運営を行っていくことが適当だと述べた。 今日の債券 長期金利、プラス圏に 2年入札に警戒感
2019/12/24 08:07 日経速報ニュース
24日の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは小幅に上昇(価格は下落)し、プラス圏での取引となり
そうだ。米中対立が和らぐとの見方が、安全資産とされる債券に売りを促すとみられる。24日に財務省が実施する2年物国債入札
は海外投資家の需要が一時的に後退するとみられ、弱い結果になるとの警戒感がある。ただ、国内勢を中心に余剰資金の運用先
としての国債需要が根強く、10年債の相場の下値は限定的だろう。 後退する追加緩和観測、市場が見透かす日銀の受け身の姿勢
2019/12/24 12:36 日経速報ニュース
金融政策の影響を受けやすい短い期間の債券利回りが上昇(価格は下落)している。新発2年物国債の利回りは24日に一時、
マイナス0.095%に上昇し、日銀の短期の政策金利であるマイナス0.1%を上回った。市場で日銀によるマイナス金利深掘りという
追加緩和観測が一段と後退しているのが、利回りを押し上げている。市場参加者は、環境次第で追加緩和もあり得るという日銀
の受け身の姿勢をかぎ取っているようだ。
2年債利回りは2018年8月以来、1年4カ月ぶりの高さに上昇した。主因は「日銀のマイナス金利深掘りを織り込む動きが、はが
れ落ちた」(国内銀行の市場担当者)ことだ。
米中貿易協議や英国の欧州連合(EU)離脱を巡る不透明感による海外経済の下振れリスクを背景に、日銀は夏以降、市場に
追加緩和を織り込ませるような発信を続けていた。7月の金融政策決定会合では「ちゅうちょなく、追加的な金融緩和措置を講じ
る」との文言を加え、9月には物価目標に向けたモメンタム(勢い)が損なわれるおそれに「より注意が必要な情勢になりつつある
」と強調。そのうえで次の10月会合で「経済・物価動向を改めて点検する」とわざわざ追記した。
10月までに米連邦準備理事会(FRB)は3会合連続で利下げし、欧州中央銀行(ECB)はマイナス金利の深掘りと資産買い入
れ拡大の再開を決めた。
これに対し日銀は10月、政策の先行き方針であるフォワードガイダンスを変更した。物価目標に向けた勢いが損なわれるおそれ
に注意が必要な間は「現在の長短金利の水準、または、それを下回る水準で推移」と、政策金利に利下げ方向のバイアスを加えた。
それでも日銀は追加緩和には踏み込まなかった。24日公表の10月30〜31日の金融政策決定会合の議事要旨によると、多くの
委員が「先行き、相応の長い期間にわたって緩和方向を意識した政策運営をしていく必要があることが確認された」ことを踏まえ、
フォワードガイダンスの見直しが適当と判断していた。利下げの可能性は足元で相当低下しているとはいえ、マイナス金利政策が
当面続くことも意識されやすくなっている。
野村総合研究所の木内登英氏は「フォワードガイダンスに利下げバイアスが入ったままでも、金融正常化に向けたガイダンスとし
て使うことは可能」と指摘する。市場との対話にフォワードガイダンスは有効な手段だといい、「日銀は金融緩和だけでなく正常化
も含めた両にらみの政策運営を続ける」とみる。
国庫短期証券(TB)なども上昇しているほか、5年あたりまでの利回り曲線は逆イールドが解消してきた。追加緩和観測は大幅
に後退している。とはいえ、超長期債相場は底堅い動きを続けるなど、本格的な日本経済の先行きの回復をみているとは言いが
たい。世界経済がよほど好転しない限り、金融政策はおろか、フォワードガイダンスですら変更はなさそうとの見方がやや優勢だ。 TOPIX改革、日銀緩和に波紋、連動型ETF、年4.2兆円購入、銘柄限定で効果低下も。
2019/12/25 日本経済新聞 朝刊
東京証券取引所の市場改革が日銀の金融緩和策を巡って波紋を起こしている。東証1部に上場する全銘柄が対象の東証株価指数
(TOPIX)を、より流動性の高い銘柄に絞り込んだ新指数に衣替えする案が浮上しているためだ。日銀は緩和効果を幅広く行き渡らせ
るために上場投資信託(ETF)の買い入れでTOPIXの割り当てを増やしてきた。改革はこの動きに逆行しかねず、日銀も行方を注視し
ている。(1面参照)
金融庁の金融審議会は11月、東証の市場改革で、TOPIXを銘柄を絞り込んだ新指数にするのが望ましいとの方針を示した。TOPIX
に含まれる約2000銘柄には、流通する株が少なくて売買が低調な銘柄も多い。このためTOPIXに沿って買うと、流通量が少ない企業
の株価が押し上げられ、実態にそぐわないとの指摘が出ていた。
24日に金融庁が示した改革案では、大株主の保有分を除いた浮動株の時価総額を基準として銘柄を絞り込むことが提言された。
一方、日銀は大規模な金融緩和の一環で年間約6兆円を目安にETFを買っている。買い入れ枠の半分弱の2・7兆円をTOPIX連動
のETFに充てていたが、2018年に全体の7割強の4・2兆円を振り向けるよう運営方針を見直した。
代わりに、TOPIX・日経平均株価・JPX日経インデックス400の3指数に連動するETFの買い入れ枠は減らした。「時価総額の大き
い特定の銘柄に偏ることなく、広く市場全体に緩和効果が及ぶようにする」(日銀)のが狙いだった。TOPIX銘柄の絞り込みは、この動
きと逆行することになる。
TOPIXの銘柄数が減ると、ETFの買い入れを通じて日銀が市場に出回っている浮動株の多くを保有し、他の投資家の買う余地を狭
めているというゆがみをさらに強める懸念が浮上する。
野村証券の試算によると、11月時点で日銀はETFを通じて上場企業全体の時価総額の約5%を間接保有する。なかでも日経平均
やTOPIXへの組み入れ比率の大きい銘柄への影響は大きい。
例えばアドバンテスト株では発行済み株式の2割を日銀がETF経由で保有する。ファーストリテイリングやTDKなどほか33銘柄でも
1割以上を保有するとみられる。
日銀の黒田東彦総裁は19日の記者会見で、TOPIX改革について「株式市場が企業の資金調達の場としての機能を高める、また
一方で資産運用の魅力を増すという観点から様々な改革を議論していると承知している」と指摘。その上でETF買い入れへの影響は
「金融審で議論しているので、その結果などを踏まえて対応の要否を含めて検討していきたい」と述べるにとどめた。
第一生命経済研究所の藤代宏一氏は「より流動性が高く、成長力のある銘柄に資金が流れる方が日本経済の活性化につながり
、理にかなっている」と指摘する。「日銀の資金には公的な意味合いも強い」として、日銀マネーが選抜された銘柄に流れ込むTOPIX
改革は合理的だと評価する。
日銀幹部は「金融庁はこれまで運用してきた投資家にも配慮し、市場の連続性は考えているはず」と、ある程度の銘柄の多様さが
確保されると期待。金融政策の効果につながる問題だけに改革を注視する。緩和が長期化するなか政策の整合性をとる難しさは日銀
内外で増している。 ___
/ミ彡ミミ彡彡彡:-__
/ミ;ミ彡ミ彡ミ彡ミ彡彡>
‖彡 彡ミ彡====--- 人 \
‖ 彡彡/ ミ ミ
/ 彡/ ミ ミ
| 彡| _ __ _ __ ミ ミ 壊れたテープレコーダーは不要です
彡_/ _=ミミミミミミ 川_/ミミミミミミ=_ ミノミ
彡/┫ /~●\ ┠┨ /~●\ ┣ミ彡 物価モメンタム損なわれる恐れ高まれば、躊躇なく緩和=日銀総裁
‖| \二三/| |\三二/ |丑| https://jp.reuters.com/article/boj-kuroda-idJPKBN1ZE02W
| |\ / \ /|//
\| | λ___)\ ノ |丿
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黒黒黒\ \_ _/ |藁黒黒黒\
黒黒黒黒\ ~~~~~ |藁黒黒黒黒黒\
黒黒黒栗# \ /田\ /藁黒黒黒黒黒黒#\
黒黒黒黒## \ /田田 \/藁黒黒黒黒黒黒黒#| リース「Oneみずほ」に壁―東京センチュリー、NTTと提携、銀行の規制に緩和機運(金融コンフィデンシャル)
2020/02/11 日本経済新聞 朝刊
1月10日、みずほフィナンシャルグループ本社に坂井辰史社長、藤原弘治みずほ銀行頭取を訪ねる人物がいた。系列リース最大
手、東京センチュリーの浅田俊一社長だ。「NTTと提携を交わし、出資を受け入れる」。ほのめかした決断は、東京センチュリーに連
結グループ入りを求めたみずほの意向と真っ向から反する内容だった。
東京センチュリーは6日、NTTと筆頭株主の伊藤忠商事を対象とする第三者割当増資を発表した。NTTと伊藤忠を合わせた出資
比率は、みずほと親密先の合計を超す。浅田氏が古巣のみずほから距離を置いた背景に何があったのか。
旧第一勧業銀行系の東京センチュリーと旧富士系の芙蓉総合リース、旧日本興業系の興銀リースの3社が並ぶリース事業は、良
くも悪くもみずほを象徴していた。歴史もカラーも異なる旧3行が結びつきを保ちつつ競い合うのがみずほ流。グループ内のライバル
心が活力になる効果と、まとまりの弱さが併存した。
1年前、みずほは懸案だったリース事業の再編へ一歩を踏み出した。丸紅と組んで興銀リースに追加出資し、連結対象の持ち分
法適用会社にした。興銀リースは2019年10月に社名を「みずほリース」へ改め、グループの一翼を担う姿勢をアピールした。
興銀リースに続く形でグループ入りを促すみずほと、首を縦に振らない残る2社。みずほが特にこだわったのが東京センチュリーだ
った。双方の駆け引きはこの1年、水面下で熱を帯びた。緊張が頂点に達したのは19年6月の株主総会にかけての攻防だった。
みずほは株主総会で東京センチュリー経営陣の提案に賛成しない可能性をちらつかせ、グループ入りを迫った。だが、東京センチ
ュリーからは「みずほがこういう荒っぽい手で来るなら、我々も徹底的にやるべきだ」との声が漏れ、みずほへの反感が芽生えた。
リースの「Oneみずほ」を阻んだ心理面の壁だ。
東京センチュリーにとって現実的な壁が銀行法の規制だった。銀行グループに入ると、不動産関連の取引や資産の面で厳しい制
約が課される。不動産案件を積極的に手掛けてきた東京センチュリーは経営のダメージになると懸念した。
足し合わせれば他の2メガ銀グループを上回る系列リース会社を引き寄せるのは、みずほにとっては理にかなう。半面、東京センチ
ュリーからすれば、戦略の自由度を落とす判断は株主への背信行為になりかねない。両者のミゾは埋まらないまま年を越え、東京セ
ンチュリーはNTTとの提携へと傾いた。
振り返ると、08年のリーマン危機でリース業界が大慌てしたのはほんの10年余り前。日銀が異次元の金融緩和を続ける今、当
時の緊張感は過去のものになり、リース業界を包むムードも様変わりした。みずほの呼びかけが響かないのは足元の金融環境も
映し出す。
では、系列3社が団結する「大みずほリース」構想は幻に終わるのか。先行きを占ううえで、気になる動きが出てきた。銀行に対す
る規制のあり方を大がかりに見直そうという機運だ。
日本は異業種から銀行への参入にはオープンなのに対し、銀行の業務拡大には制約が多い。「楽天は銀行を運営できても、銀行
は楽天を経営できない」という銀行界の不満は、みずほの苦悩と重なる部分がある。
「ガチガチの規制を見直し、銀行本体はともかく、銀行持ち株会社に課す制限をもう少し柔軟にしたらどうだろう」。金融庁ではそんな
頭の体操が語られる。銀行がもっと自由にリース業を営めるようになれば、みずほと系列リースを取り巻く風景も変わり得る。
もちろん、こうした風を生かすも生かさないも、坂井氏が率いるみずほ経営陣の胆力と求心力にかかっている。独特の流儀で育ん
できた強さを損ねず、中央集権的な思想を浸透させる手綱さばきが試される局面は続く。リース再編の次の幕が開くまで、それほど
時間はかからない。関係者の間には、早くもそんな緊迫感が漂っている。 マーケットの話題、配当権利付き最終日はいつ?(市場点描)
2020/03/28 日本経済新聞 朝刊
27日は3月期決算企業の配当などの権利付き売買最終日だった。だが数日前からこの日を巡って投資家に困惑が広がっている。
企業が新型コロナウイルスの影響で株主総会の開催を延期した場合について、東京証券取引所が「配当の権利を得られる基準日が
変わり、配当を受け取れない可能性がある」と注意喚起したためだ。
問題となっているのは、配当の支払いを決める総会決議日が基準日より3カ月を超えた日になる場合だ。総会延期にあたって新たに
基準日を設定する必要が出てくる。27日までに株を買っていても、新しい基準日まで株を持ち続けなければ配当を受け取れない。
インターネット上では著名投資家がこの問題を懸念するつぶやきが話題になっている。ただネット証券への問い合わせは「目立って増
えてはいない」。
大半の企業は「本来の総会日程も決まっていない」(トヨタ自動車)状態だ。このため機関投資家は様子見姿勢が強い。株主総会では
なく、取締役会の決議で配当支払いを決められるように定める企業も増えている。「株価指数に関連するような大企業ではこの問題の影
響はないのではないか」(松井証券の窪田朋一郎氏)との見方もある。 2020/04/07 18:00
三井住友FG(8316)
日系大手証券、レーティング引き下げ、中立。目標株価引き下げ、3,000円。
日系大手証券が4月7日、三井住友フィナンシャルグループ<8316>のレーティングをやや強気(2)から中立(3)に引き下げた。
同様に、目標株価も4,500円から3,000円に引き下げた。因みに前日(4月6日)時点のレーティングコンセンサスは4.25(アナリ
スト数12人)で「やや強気」の水準、目標株価コンセンサスは4,579円(アナリスト数12人)となっている。
04/08 8316 三井住友FG 大和 3格下げ 4500円→3000円 2020/04/07 18:00
三菱UFJFG(8306)
日系大手証券、レーティング引き下げ、中立。目標株価引き下げ、450円。
日系大手証券が4月7日、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>のレーティングをやや強気(2)から中立(3)に引き下げた。
同様に、目標株価も650円から450円に引き下げた。因みに前日(4月6日)時点のレーティングコンセンサスは4.3(アナリスト数
10人)で「やや強気」の水準、目標株価コンセンサスは632円(アナリスト数10人)となっている。
04/08 8306 三菱UFJFG 大和 3格下げ 650円→450円 2020/04/07 18:00
みずほFG(8411)
日系大手証券、レーティング引き下げ、中立。目標株価据え置き、135円。
日系大手証券が4月7日、みずほフィナンシャルグループ<8411>のレーティングをやや強気(2)から中立(3)に引き下げた。
一方、目標株価は135円を継続。因みに前日(4月6日)時点のレーティングコンセンサスは3.08(アナリスト数12人)で「中立」
の水準、目標株価コンセンサスは163円(アナリスト数12人)となっている。
04/08 8411 みずほFG 大和 3格下げ 135円継続 米国株、続伸しダウ285ドル高 FRBの金融緩和政策の拡大で
2020/04/10 05:27 日経速報ニュース
【NQNニューヨーク=張間正義】9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸した。前日比285ドル80セント(1.2%)高の
2万3719ドル37セントで終えた。
FRBの企業向け資金供給和を好感し、JPモルガン・チェースやシティーグループなど銀行株が大幅高。 2020年04月10日10時11分
三菱UFJなどメガバンクが高い、FRBによる資金供給策で欧米銀行株が急伸
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>や三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>
といったメガバンクが高い。
米連邦準備理事会(FRB)は9日、一般企業に対する融資など2兆3000億ドルの緊急資金供給策を発表。大企業などから
社債の買い取りを行うことも明らかにした。この発表を受け、金融市場の安定化に向けた期待が高まり、欧米の銀行株が急伸。
米国のJPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカ、英国のバークレイズなどが値を上げた。
この流れのなか、日本のメガバンクにも買いが膨らんでいる。 <東証>りそなHDが小動き、SMBC日興が目標株価引き下げ、与信費用増で収益圧迫
2020/04/10 12:33 日経速報ニュース
【材料】SMBC日興証券は9日付けのリポートで、りそなホールディングスの目標株価を従来の450円から350円に引き下げた。
与信費用の増加で収益が圧迫されるとの見方から、2021年3月期の連結純利益が1100億円程度になるとの見通しを示した。
従来予想から400億円近く引き下げたことになる。新型コロナウイルスの影響で個人向け、法人向けともに営業環境が厳しく、
「当面は『コロナ前』に戻らないと予想」と担当アナリストの佐藤雅彦氏は指摘する。 2020/04/10 14:05
三井住友FG(8316)
米系大手証券、レーティング強気継続。目標株価引き下げ、3,250円。
米系大手証券が4月10日、三井住友フィナンシャルグループ<8316>のレーティングを強気(買い)に据え置いた。
一方、目標株価は4,820円から3,250円に引き下げた。因みに前日(4月9日)時点のレーティングコンセンサスは
4.17(アナリスト数12人)で「やや強気」の水準、目標株価コンセンサスは4,454円(アナリスト数12人)となっている。
04/10 8316 三井住友FG GS 買い継続 4820円→3250円 04/10 8306 三菱UFJFG GS 買い継続 710円→510円 2020年04月15日09時14分
三井住友---上方シグナル発生が近づく
4000円を挟んだもち合いレンジから、2月以降の下落により3月23日には2507.5円まで下落。足元ではダブルボトム形成後
のリバウンドをみせてきており、25日線が支持線として機能している。一目均衡表では雲を下回っての推移が続いているが、
遅行スパンは実線に接近してきており、上方シグナル発生が近づいている。 15日の米株式市場で金融大手のゴールドマン・サックス株が売り先行後に下げ渋っている。
朝方は前日比5.1%安の169.15ドルをつけたが、小幅に上げに転じる場面もあった。
15日発表した2020年1〜3月期決算は与信費用がかさみ、利益が半減した。ただ、売上高
が市場予想を上回ったことを材料視する買いが徐々に優勢になった。
15日の米株式市場で大手銀行のバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)が売られ、一時は前日比7.7%安
の21.91ドルまで下落した。15日朝に発表した2020年1〜3月決算は新型コロナウイルス対応による
貸倒引当金の積み増しで大幅減益となり、嫌気した売りが出た。
同じく大幅減益決算を発表したシティグループも一時6.2%安を付けた。 2020年04月16日09時10分
三菱UFJなど銀行株が安い、決算悪受けた米金融株安に追随
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ
<8411>いずれも続落。
前日の米国株市場ではNYダウが一時700ドル超の下げとなったが、そのなか、バンク・オブ・アメリカなど大手金融
機関の決算悪が嫌気され銀行株の下げが全体地合い悪を助長する形となった。貸倒引当金の計上などが利益を押し
下げたが、東京市場でもメガバンクの業績への警戒感が売りを誘発している。 2020年04月22日09時07分
三菱UFJなどメガバンクが安い、米大手金融株軒並み安受け売り圧力表面化
三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>などメガバンクが売られている。
前日の米国株市場では新型コロナウイルスの影響による経済先行き不透明感から債券に資金が流れ、米10年債利
回りは再び0.6%台を下回ってきた。ゴールドマン・サックスやシティグループなど大手金融株が大きく売り込まれて
おり、この流れが東京市場にも波及している。
メガバンク3社は配当利回りが6%台を超えており、下値ではインカムゲイン狙いの買いも入りやすいが、内需企業の
与信コストの上昇なども警戒され目先は売り圧力が強い。 サウジ石油1兆円借り入れ 三井住友銀が融資幹事か
https://www.sankei.com/world/news/200422/wor2004220041-n1.html
2020.4.22 23:29
サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコが、約100億ドル(約1兆800億円)の融資を受けることを検討しており、
協調融資の幹事に三井住友銀行と英HSBCを選んだことが22日明らかになった。ロイター通信が報じた。両行は融資
団の組成に向け、他の金融機関との調整役を担う。
アラムコは借り入れた資金を、石油化学大手サウジ基礎産業公社の株式取得に充てる。昨年3月に同公社の株式の
70%を政府系ファンドから691億ドルで買い取ると発表していた。石化部門を強化し、事業の多角化を加速する。 三井住友FG、SBIと提携、スマホ金融で顧客拡大、本体出資も視野。
2020/04/28 日本経済新聞 朝刊
三井住友フィナンシャルグループ(FG)とSBIホールディングス(HD)はスマートフォン向け金融サービス(3面きょうのことば)など
デジタル分野を軸に包括提携する。三井住友がSBI傘下のスマホ専業証券に出資するほか、SBIが設けるデジタル分野の企業に
投資する1000億円規模の新ファンドにも出資する。異業種からの金融業参入が相次ぐなか、メガバンクとネット証券最大手が組ん
で対抗軸をつくる。(関連記事7面に)
週内にも基本合意する。両社は将来的に本体の資本提携も視野に一段と連携を深める考えだ。
金融業界ではスマホを使った決済や資産運用を中心に業種の垣根を越えた競争が激しくなっている。LINEのような異業種がスマ
ホアプリで得た顧客情報を武器に、決済や証券、保険で顧客の囲い込みを進めている。楽天は通販や旅行から金融にまたがる巨大
な経済圏を築いている。
三井住友FGはインターネット証券最大手のSBIと組むことで異業種に対抗する。これまで後れをとっていた融資や運用などの個人
向けサービスのデジタル化に弾みをつけるほか、SBIとともにスマホ向けの新たな営業体制をつくる。
SBI傘下のネット証券会社は口座数が510万を超える。ネット証券2位の楽天証券(410万超)を引き離し、野村証券の530万あ
まりにも迫る。SBIはネット専業銀行やスマホ専業証券も手掛けており、三井住友FGはデジタル化を進めるうえで最適の協力相手だ
と判断した。
まず三井住友FGが6月中をメドにスマホ専業のSBIネオモバイル証券(東京・港)の発行済み株式の20%を取得する。投資額は
数十億円の見通しだ。ネオモバイルは銀行、証券、保険の各分野の金融商品を取り扱える「金融サービス仲介業」の登録を目指す。
スマホでは簡単な操作で多様な選択肢から金融商品を選ぶことができるようになり、政府も金融サービス仲介業を創設するなどし
て企業間の競争を促している。三井住友FGとSBIはネオモバイルを窓口として若年層を取り込み、両社が手掛ける投資信託や保険
など幅広い金融商品を選べるようにする考えだ。
ネオモバイルは買い物でつくポイントなどを使った投資サービスを手がけており、投資経験の少ない20〜30代を主な顧客とする。
一方、三井住友FG傘下のSMBC日興証券の顧客はシニア世代が中心だ。両社が連携することで、幅広い世代の顧客開拓を加速
する。
SBIは年内にもデジタル技術に関わる企業に投資する新たなファンドを1000億円規模で創設し、三井住友FGから出資を受け入
れる。
新ファンドはフィンテックやブロックチェーン、次世代通信規格「5G」といった分野に投資していく。三井住友FGとSBIは出資先の
テクノロジー企業と事業面での連携も深め、デジタル戦略を加速させていく。
対面販売でも連携する。資産運用の相談窓口を全国展開するSBIマネープラザとSMBC日興証券で人材交流や運用商品の相互
利用を進める。同証券はSBIマネープラザへの出資も視野に入れる。
地域金融機関の証券ビジネスの支援事業も共同で展開する。SBIが掲げる複数の地方銀行と連携する「地銀連合構想」で協力す
る。SBIは5月以降、地銀に共通システムやフィンテックのサービスを提供する新会社を設立する方針で、三井住友FGはこの新会社
に出資する方針も固めた。 SBI、店舗・法人部門を増強、楽天経済圏に対抗。
2020/04/28 日本経済新聞 朝刊
三井住友フィナンシャルグループ(FG)とSBIホールディングスが包括提携に乗り出す。三井住友FGがネット分野の強化を見据
える一方、SBIが狙うのはメガバンクが抱える顧客基盤や、傘下のSMBC日興証券の営業力だ。SBIは総合金融グループと手を
組むことで、金融分野でも存在感を高める「楽天経済圏」に対抗していく。(1面参照)
証券ビジネスを軸に業容を広げてきたSBIの北尾吉孝最高経営責任者(CEO)は「個人向け金融サービスを網羅する」と宣言。
利益規模、顧客基盤ともネット証券では圧倒的で、対面営業型の大手証券にも肉薄する。
もっとも、ネット証券業界では「ゼロ化」まで視野に入った手数料の引き下げ競争が激しく、成長のハードルは上がっている。楽天
市場やクレジットカード事業といった「楽天経済圏」を武器に顧客規模を広げてきた楽天証券は強敵に映る。
SBIはこれまでも地銀との実店舗の展開や法人部門の強化など、伝統的な金融ビジネス分野を強化してきた。あくまでネット中心
の楽天に対してSBIは「リアル」の強化を軸に据える。今回の包括提携でも三井住友銀行が全国に持つ企業の顧客基盤にアクセス
できるとSBIにとっては戦略の幅が一気に広がる。
三井住友FGの傘下の有力証券、SMBC日興も全国に141以上の営業拠点と3000人以上の証券営業体制を抱える。地銀との
ビジネス拡大を進めるSBIにとって、営業面で協力関係を築く効果は大きい。
SBIとSMBC日興がシステムや事務部門を数年かけて共通化することも今回の包括提携に盛り込まれる見通しだ。新規株式公開
(IPO)引き受けでも共同主幹事案件の増加を目指す。
ネット証券ではauカブコム証券が三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)とKDDIの傘下で、デジタルを軸に通信と金融の融合
を目指している。SBIは三井住友FGとの提携で対面の強化という全く異なる戦略を狙う。業態の垣根が崩れる中、新しいビジネスモ
デルを模索する動きは他の金融機関でも活発になりそうだ。 三井住友FGとSBI、難題にらみスピード決着、包括提携、楽天証券の買収は不発に。
2020/04/29 日本経済新聞 朝刊
三井住友フィナンシャルグループ(FG)とSBIホールディングス(HD)が28日、包括提携すると正式発表した。スマートフォン金融
や対面営業など互いの強みを生かすことで思惑が一致。手数料の無料化や顧客の高齢化など事業環境の激変に対応する。金融
業界で「デジタル」と「リアル」の陣取り合戦が繰り広げられるなか、既存の大手が組んで対抗する。
「近未来の金融地図を見通し、互いが果実を得られる戦略的な提携ができた」。28日、SBIHDの決算説明会で北尾吉孝社長は
力を込めた。
交渉が本格化したのは2月中旬だ。手数料引き下げ競争が激しさを増し、代わりの収益源を見いだしたいSBIHD。自前主義に限
界を感じ、外部との提携に活路を求めた三井住友FG。北尾氏は会見で「双方がリーダーシップを取った。太田さんでなければ難しか
った」と話し、三井住友FGの太田純社長とのパイプを強調した。
三井住友FGにも提携の方向感をめぐって複数案が出ていたが、トップの親近感が異例のスピード合意に導いた。
実は三井住友FGにはほかにも候補がいた。昨年、秋から冬にかけ検討されたのが楽天証券の買収だ。中核子会社のSMBC日興
証券は販売力で大手の一角を占めるがデジタル分野は手薄。野村HDがLINE(ライン)と協業し、大和証券は独自でネット分野を開
拓する中で出遅れていた。
親会社の楽天が期待した売却額は3千億〜4千億円。楽天市場を中心とする楽天経済圏からの切り離しという条件もつき、交渉は
打ち切りになった。「ヤフー」のZホールディングス・LINE陣営と組む案も浮上したが、「現実的なSBI」(関係者)に落ち着く。
包括提携に踏み出した両社の突破口はどこか。
一つはスマホ金融だ。SBIHDは傘下にスマホ専業のSBIネオモバイル証券(東京・港)を持ち、三井住友FGから2割の出資を受け
る。買い物のポイントを投資資金に回せるサービスが売りで、デジタルに親しむ20〜30代の若年層が主要顧客。ネオモバイルで資産
形成層を掘り起こし、保険や資産運用といった両社のサービスに呼び込む青写真を描く。
もう一つは三井住友FGが持つリアルの全国ネットワーク。
SMBC日興は全国に141の支店網がある。SBIの資産運用の相談窓口「SBIマネープラザ」は約30店。富裕層などの資産運用
を通じ、株式のネット取引で得る手数料収入から、顧客と長期に関係を結んで収益を得るビジネスへの転換を急ぐが、営業力はまだ
弱い。
強い個性のリーダーが引っ張る異例のタッグだが、提携効果をいかに素早く引き出せるかが今後の課題となる。
融資や個人向け証券といった本丸でどれだけ互いの関与を許すかや、本体同士の資本提携に発展するかが焦点。北尾氏は28日、
「メインバンクのみずほ銀行に恩をあだで返すことはない」と話した。みずほが巻き返しに出る可能性もある。
IT(情報技術)や携帯電話関連の企業が本業で築いた顧客網を武器に金融サービス市場をうかがう。だが簡単に収益には結びつか
ない。
auカブコム証券は今も株式の過半を三菱UFJフィナンシャル・グループが保有するが、相乗効果は少ないとみられ、KDDIの出資受
け入れにつながった。SBIはZHDとも金融事業で包括提携を結ぶが成果を出すのはこれから。北尾氏は「双方にウィンウィンなのか
吟味しながら考える」と話すにとどめた。 日銀ETF買い入れ、市中流通残高に応じた購入に変更−5月から
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-04-30/Q9KQMGDWRGG701
日本銀行は30日、指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れについて、日銀保有分を除いた市中に流通する残高に比例して
購入する方法に5月1日から変更すると発表した。現在は銘柄ごとの時価総額に比例して買い入れを行っている。
日銀が大規模なETF買い入れを進めている中で、浮動株比率が低くなる銘柄が出ていることなどが市場で問題視されていた。
日銀は3月に開いた金融政策決定会合で、ETF買い入れの一段の積極化を決定。保有残高をそれまでの年間約6兆円増加さ
せるペースから、「年間約12兆円に相当する残高増加ペースを上限に、積極的な買い入れを行う」ことを決定した。
これに伴い、買い入れ額が大きく変動する可能性があるため、これまで金額で示していた買い入れ額の配分の表示を比率に変更
。TOPIXに連動するETFを約75%とし、TOPIX、日経225、JPX日経400の3指数に連動するETFを約25%とした。 銀行の出資規制緩和、フィンテック参入、届け出で、法改正検討。
2020/05/06 日本経済新聞 朝刊
政府・自民党は銀行グループのIT(情報技術)事業などへの参入を後押しする。金融とITを融合したフィンテック企業などに出資する
場合は金融庁への届け出だけで済むように改める。子会社の売り上げへの規制を緩め、ネット広告やシステムの外販もしやすくする。
フィンテック市場で資本力の高い銀行が支配を強めればイノベーションが進まないなどの懸念もある。今後の制度設計が焦点となる。
自民党のプロジェクトチームが近く提言をまとめる。政府は6月につくる成長戦略に反映し金融庁の審議会で検討する。来年の通常
国会で銀行法改正案の提出を目指す。
米アマゾン・ドット・コムなど国内外でIT大手が金融に進出する一方、邦銀は本業以外に制限がある。邦銀の異業種参入への規制は
緩和してきたがさらに事業会社との競争条件を近づける。成長分野のフィンテックを中心に収益確保を促す。
銀行の持ち株会社は事業会社に15%までしか出資できない。金融庁が認可すればフィンテック企業などに15%超を出せる。政府・
自民党は認可要件を改め機動的に参入できる仕組みを検討する。
銀行のシステムや顧客データを活用した事業もしやすくする。システム開発や広告を担う子会社が売り上げの過半を銀行関連にしな
ければならない規制を緩める選択肢がある。銀行の決済システムなどの外販先を広げ、広告業では住宅ローンの契約先への広告配
信などを促すことを想定する。
グループ内の銀行と証券で海外の法人顧客の情報を共有する際の制限も緩和する。邦銀は顧客の同意が必要で外銀との競争条件
で不利にある。
自民党のプロジェクトチームは銀行の国内での不動産仲介業への参入を求める。取引先の事業再生を支援する過程で出てきた不動
産の売却案件などに絞る案だ。銀行が店舗の閉鎖時にその不動産を自由に賃貸できるようにすることも要望する。
事業会社による銀行業への参入に制限を検討する。事業会社が新たに保有できる銀行の対象範囲を狭める案が浮上する。 薄れる「5月売り」懸念―売り残が招く意外高(スクランブル)
2020/05/09 日本経済新聞 朝刊
東京株式市場で、5月の株価下落を表す相場格言の「セル・イン・メイ(5月に売れ)」への懸念が後退している。新型コロナウイルス
が経済に及ぼす悪影響への警戒が続くなかでも8日の日経平均株価は2万円の大台を回復した。背景を探ると需給面で買い戻しを
促す材料が浮上しており、意外高につながっているようだ。
8日の市場では、すかいらーくホールディングスやDMG森精機が6%高となり、日経平均(3%)を大きく上回る上げ幅となった。
いずれも足元で空売り比率が高い銘柄で、買い戻しの動きが優勢だった。非鉄金属など、空売り比率の高い業種も上昇した。
□ □
「今年はセル・イン・メイは来ない」。こう話すのは、リブラ・インベストメンツの佐久間康郎氏だ。4月中旬以降、リクルートホールディン
グスや第一興商といった銘柄に新規に買いを入れた。
リクルートは求人数の減少、第一興商はカラオケボックスの需要減による収益への不安から大きく売り込まれていた銘柄だが、8日
にはそれぞれ4%高、8%高となった。
佐久間氏が先行きの下値不安が小さいと判断する指標が、株価指数先物と現物の価格差を利用して取引する裁定取引の動向だ。
東証によると、4月24日時点での裁定取引に伴う現物株の売り残高(期近・期先合計)は過去最高の2・4兆円まで積みあがった。
市場で先安観が台頭していた4月半ばまで先物の売りが膨らみ、その過程で安くなった先物を買って割高な現物を売る取引が拡大。
裁定売り残が急増した。
市場関係者の脳裏をよぎるのが、昨年秋の上昇相場の再来だ。昨年9月にも裁定売り残が2兆円を超える水準まで膨らんだあと、
買い戻しの動きが進んで年末にかけて株価が上昇した。
「経済の悪化を織り込んだ結果、悪い経済指標が出ても市場は不感症になっている」(楽天投信投資顧問の平川康彦氏)という。
金融緩和でマネーが流れ込むことによる需給要因が、実体経済と株価の乖離(かいり)につながっている。
□ □
二番底につながるセル・イン・メイが起こらなければ、空売り勢による損失覚悟の買い戻しが発生し、一段高となるシナリオも出始
める。「今後の株価を押し下げる悪材料は当面見当たらず、日経平均は夏までに2万3000円をうかがう」(JPモルガン証券の阪上
亮太氏)との見立てがささやかれる。
ただ、過剰流動性を背景にした株価回復には危うさも見え隠れする。8日の株式市場ではペッパーフードサービスが前日比7%高
、レナウンが4%高となった。いずれも直近で「継続企業の前提に関する注記(ゴーイングコンサーン)」が財務諸表に付された企業だ。
業績や財務に対する懸念がある企業まで買い上げられている。
世界的な金融緩和は「稼いだ利益で負債の利払いをまかないきれないような企業の延命につながる」(りそなアセットマネジメント
の黒瀬浩一氏)との指摘がある。需給面の材料に依存した株高が、リスクの蓄積と隣り合わせにある点には十分な注意を払うべき
だろう。 マツダ、3000億円融資要請、3メガ銀などに、前期、営業益5割減。
2020/05/10 日本経済新聞 朝刊
マツダが3メガ銀行などに対し、計3000億円規模の融資を要請したことが9日、明らかになった。日本や北米で販売苦戦に陥って
いたところに新型コロナウイルスの感染拡大で収益環境が急速に悪化している。事業活動に関わる現金の流れもマイナスとなってお
り手元現金を積み増す。
産業界はトヨタ自動車が計1兆円の融資枠設定を金融機関に求めるなど安全網の拡充に動いている。ただ、金利や手数料などの負
担も背負い込むことになり、コロナ危機の長期化に耐えられるかが焦点となる。
3メガ銀行や日本政策投資銀行、三井住友信託銀行などに融資を要請した。銀行側も応じる見通しで、一部は実行済みだ。
マツダは2019年12月末時点で現預金を約5000億円、有価証券を約630億円持つ。融資枠も三井住友銀行などから約2000億
円を確保している。ただ、有利子負債(3面きょうのことば)は6500億円あり、同4〜12月期のフリーキャッシュフロー(純現金収支)は
1300億円の赤字になっている。
感染拡大の影響は深刻だ。20年2月の販売台数は14%落ち込み、3月も33%減となった。欧州が54%減、米国が42%減と急減
した。日本や北米での販売は感染被害の広がる前から落ち込む。2月には20年3月期の販売台数予想を前の期比6万台減の150万
台(従来予想は155万台)に下方修正している。
生産調整も続く。日本やメキシコなど内外の工場で稼働休止や減産に踏み切った。
販売や生産減が響き、20年3月期の本業のもうけを示す連結営業利益は400億円程度と、前の期に比べて5割減ったようだ。3割減
を見込んでいた従来予想から減益幅が広がる。 社債、日産が示す安堵感 日銀が「堕天使債」予備軍に買い
2020/05/08 20:00 日経速報ニュース
社債市場で企業の資金調達環境への改善期待が出ている。日銀が、投資不適格になることが警戒されている日産自動車の
社債を買い入れたとみられるためだ。新型コロナウイルスを背景にした投資家の慎重姿勢が和らいでいる。信用リスクの高い企
業を中心に、社債利回りの低下につながりそうだ。
「日銀は再びサプライズを提供してくれた。社債投資家はみんな助けられた」と国内のファンドマネジャーは話す。日銀は8日実
施した社債の買い入れオペで、日産の社債を買い入れたもよう。4月の金融政策決定会合で買い入れ枠を増額すると発表した後
、初めての社債オペだった。
日産の社債は投資不適格に格下げされる「堕天使債」になる可能性が市場で取り沙汰されてきた。投資不適格とは格付けが
ダブルB格以下の銘柄を指す。
格付け会社のムーディーズ・ジャパンは日産を3月に「Baa3(トリプルBマイナスに相当)」に引き下げ、さらに格下げ方向で見直
す姿勢だ。2026年に償還する日産の社債の国債に対する上乗せ金利(スプレッド)は1.44%と2月末の0.7%から急騰していた。
日銀は社債オペの買い入れ対象をトリプルB格相当以上としたうえで、独自の信用力評価と合わせて判断している。投資家は
前もって日銀に売りたい銘柄を提示し、日銀がその可否を示して買い入れする。日産社債の売りを提示した投資家などに聞き取り
したところ、日銀は8日のオペで買い入れたという。
日産は現時点でトリプルB格を保つが、市場は先行きを不安視。一部では日銀の買い入れ対象から除外されるとの観測も出ていた。
信用力が相対的に低いとされるほかの銘柄も今回の買い入れ対象となったようだ。ムーディーズがBaa3を付けたJFEホールデ
ィングスや住友化学(その後、格付けを取り下げ)などだ。
新型コロナ禍の対応として、米連邦準備理事会(FRB)はいち早く堕天使債の買い取りを発表。「日銀も堕天使債候補の買い取り
を打ち出したことで、市場に一歩踏み込んだメッセージを送った」とマニュライフ・インベストメント・マネジメントの押田俊輔クレジット調
査部長はみる。
5月8日の社債オペでは日銀の買い入れ価格の指標となる「案分レート」がマイナス0.12%まで急低下し、7カ月ぶりにマイナスと
なった。最近のオペよりも高値で買い入れたことを示す。
投資家からは「(価格上昇で)利益確定売りの機会になった」との声が聞かれ、心理の改善につながっている。アセットマネジメント
Oneの加藤晴康ファンドマネジャーは「日銀オペの買い入れ対象銘柄には素直に買いで応じたい」と話す。
QUICKによると償還までの年限が4〜7年でトリプルBプラスのスプレッドは4月末に0.77%で天井を打ち、徐々に低下し始めている。
4月は投資家のリスク回避姿勢が鮮明で、格付投資情報センター(R&I)がトリプルB格を付与する企業では、電力会社くらいしか
社債を発行できなかった。ただ「6月以降はトリプルB格の起債に期待が持てる」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の池崎陽大デ
ット・キャピタル・マーケット部長)という。
日銀の追加緩和策によるテコ入れで、社債市場におけるマネーの目詰まりはひとまず改善に向かいつつある。もっとも景気低迷が
長引けば日本でも堕天使債が増える懸念が高まる。危機時とはいえ、日銀依存の高まりをどこまで許容するのか。重い宿題を背負
ったともいえる。( 3メガ銀、純利益横ばい、前期、今期は株主還元焦点に。
2020/05/13 日本経済新聞 朝刊
3メガバンクは15日、2020年3月期の連結決算を発表する。純利益は3メガ銀合計で前の期比横ばいの1兆7千億円程度だった
もよう。新型コロナウイルス対応で収益の下振れ要因となり得る貸倒引当金は、多くが21年3月期に計上される。収束への道筋が
なお不透明であるため、どの程度損失に備えるべきか読みかねており、株主に還元する利益を抑制するかが焦点に上っている。
20年3月期の純利益は、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)が前の期比40%減、三井住友FGが4%減となる一方、みずほ
Gは4・6倍となる見通しを公表している。みずほは前の期に基幹システムの大規模減損を計上しており、その反動増益で、実質減益
とみられる。
不透明な状況下で、今まで還元重視を打ち出していた株主対応も聖域ではなくなる可能性がある。配当と自社株買いを合わせた総
還元額は、三菱UFJで19年3月期に約4400億円だった。三井住友は3200億円、みずほは1900億円と、各社とも利益比で高水
準を維持してきた。
「悩ましいのはむしろ今期だ」。3メガ幹部がそろってこう話すのは21年3月期の貸倒引当金の扱いだ。銀行は融資の回収見込みに
応じて、損失に備えた引当金を積む。新たに積み立てた分は費用として計算する。 銀行貸出残高、4月伸び率、「リーマン」以来の高水準。
2020/05/13 日本経済新聞 朝刊
全国銀行協会は12日、全国の銀行の4月末の貸出金残高が522兆434億円となり、前年同月比で20兆814億円、率にして
4%増えたと発表した。伸び率は米リーマン・ショック後に経済混乱が起きていた2009年4月以来、11年ぶりの高水準となった。
新型コロナウイルスの感染拡大により営業や生産を休止する企業が相次いでおり、資金繰りを支援するための融資が積み上がった。
3メガバンクなど大手行の残高は4・9%増で、地銀に比べて高い伸びとなった。政府は緊急経済対策で企業の資金繰り支援を後
押ししてきた。信用保証協会を通じて金融機関の融資に付ける保証を拡充。日銀も融資の原資をゼロ金利で金融機関に貸し出す制
度を3月に始めた。 4月の銀行貸出残高、前年比3.1%増 都銀はリーマン後以来の高水準
2020/05/13 10:27 日経速報ニュース
日銀が13日発表した4月の貸出・預金動向(速報)によると、全国の銀行(都市銀行、地方銀行、第二地方銀行)の貸出平均残高
は前年同月比3.1%増の482兆8637億円だった。伸び率は前月(2.2%)を上回った。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、手元
資金を厚くしておきたい企業向けの貸し出しが増えた。
業態別では都市銀行が同3.4%増の224兆8144億円で、伸び率はリーマン・ショック後の2009年1月(3.6%)以来の高水準だった。
地方銀行と第二地方銀行は合計で同2.9%増の258兆493億円だった。
手形や小切手を除き、譲渡性預金を含む預金平均残高は都銀、地銀、第二地銀を合わせて前年同月比4.2%増の755兆2057億円
だった。残高は過去最高となった。 武蔵野大・深尾氏「いつか来る信用不安、そしてインフレタックス」〜コロナ後の資本主義
2020/05/13 13:00 日経速報ニュース
新型コロナウイルスの感染拡大で景気の冷え込みが鮮明になるなか、政府は過去最大規模の緊急経済対策を打ち出し、財政
支出の財源を国債発行に頼っている。日銀も国債購入上限の撤廃などの対応策を決めた。新型コロナによる緊急事態宣言の一部
地域での解除も始まろうとするなか、対策は今後の日本の景気や財政構造にどのような影響を与えるのか。日銀出身で前日本経
済研究センター理事長の深尾光洋・武蔵野大学教授に聞いた。
(聞き手は日経QUICKニュース 大石祥代)
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■社会のあり方激変 金融政策には限界
――新型コロナ禍は日本の景気をどの程度下押しするでしょうか。
「2008年のリーマン危機より景気は悪化しそうだ。20年1〜3月期の日本の国内総生産(GDP)は、19年の水準から10%から15
%減少するとみている。人の動きが制限され、打撃が大きい」
「新型コロナについては解明できていない部分も多い。他の感染症を引き起こすウイルスのように、感染で免疫ができても数年で
なくなってしまう可能性もある。ワクチンができても定期的に接種を受けないといけなくなれば、長期的に感染率を低く維持するのは
難しい」
――社会のあり方が大きく変わるということでしょうか。
「全然違ったものになるかもしれない。大規模なスポーツイベントや大型競技場でのライブなどはもうできない。海外への渡航などに
もワクチン接種が義務化されるといった制限が加われば、航空機の需要は激減する」
「テレワークが進んで学校や企業、医療分野でのオンライン活用が普及する。公的な手続きも簡略化される。大抵のものがリモート
で済むようになれば都心のオフィス需要が低下し、都心の不動産価値が下落する。不動産業でオフィスビルなど不動産を保有してい
る企業のバランスシートが悪化するなどの影響も出てくるだろう。混乱が落ち着くまで景気への下押し圧力は続く」
――日銀は4月27日に開いた金融政策決定会合で、コロナ感染拡大で厳しさが増す景気を下支えするため、国債購入枠の制限撤
廃やコマーシャルペーパー(CP)、社債の買い入れ強化などを決めました。
「ゼロ金利下で中央銀行ができることは限られている。日銀はほとんど意味がないことをやっている。日銀が何か行動を示さないと円
高になるリスクがあるため、動いているにすぎない」
「量的緩和は当初のアナウンス効果が強いだけで、長期化するとその効果は薄れる。マイナス金利についても、日銀当座預金のほん
の数パーセントに付けているだけで、大半の銀行は日銀からプラスの金利を受け取っている」 ■直ちに日本の信用不安起きず 財政健全化は「インフレタックス」に依存
――一方、日本の財政を考えると国債発行が増えて財政健全化が遠のいています。グローバル市場で日本の信用問題が意識される
リスクが高まりませんか。
「財政健全化は当分棚上げになるだろう。一時的にせよ、大きく影響を受けるとみられる非製造業を支えないといけない。支援継続に
は限りがあるため、他のビジネスに移ってもらうことになるだろう。例えば、レストランは弁当宅配業者や顧客の家に出張して料理を作る
など、事業を転換するということだ」
「コロナ禍で日本だけを対象とした信用不安は起きないだろう。いまは米欧アジア、どこも財政が悪い状態で、お金の逃げる先がない」
「ただ、投資家の信用は無限ではない。どこかで政府が信用をなくす時がくる。どの時点で信用不安が発生するかは誰にもわからない
が、その時点で国債や銀行券から不動産や貴金属などへの資金移動が発生する可能性が高い」
――財政再建は進められますか。
「前向きな解決策はなく、最終的にはインフレで政府債務の大部分を帳消しにする、いわゆる『インフレタックス』に頼らざるを得なくなる
のではないか。財政赤字の拡大に伴い、政府への信用が薄れ国債価格が暴落し長期金利が上昇する。物価上昇で政府は税収が増え
る一方、名目の負債金額はそれほど変わらないため、財政は健全化する」
「ただ、物価上昇で貨幣価値が低下し、預金や国債などで金融資産を保有していた国民は大きな損失を被る。民間から政府への所得
移転が起こるわけで、あったと思うお金が突然なくなる」 銀行規制緩和、自民提言へ、「フィンテック優先」に反動、コロナ対応、信頼左右。
2020/05/14 日本経済新聞 朝刊
政府・自民党が銀行の規制緩和に動き出す。同党が近くまとめる提言は銀行の業務範囲の縛りを緩めるのが柱で、ここ数年の
フィンテック優先の流れの揺り戻しの面もある。超低金利や人口減で銀行の苦境は深まっている。新型コロナウイルスの影響が
拡大するなか、金融インフラを支える銀行の存在意義を問い直す機運も出ている。
「今回のコロナ危機が『銀行絶滅前』だったのがせめてもの救いだ」――。金融庁幹部はこう話す。緊急事態宣言に伴う経済活
動の急停止で、銀行には売り上げや収入が激減した中小企業や個人から資金繰りの相談が殺到している。5月からは民間金融
機関による実質無利子、無担保融資も始まった。
もちろん、フィンテック企業もスマートフォンを使って24時間、融資申し込みができたり、預金口座の出納状況で条件を決めて迅
速に融資したりするサービスなどで存在感を高めている。フィンテック企業が提供する「速い、安い、便利」なサービスは健全な競
争を生み、利用者にもメリットが大きい。
ただ、小口融資が中心で、数百万〜数千万円といった資金需要にこたえる機能には乏しい。政府がととのえた制度融資や現金
給付の実務の担い手も銀行だ。
メガバンクや地方銀行など従来型の金融機関、店舗を持たないネット専業銀行、フィンテック企業それぞれ役割は異なる。勃興
期でもあり、ここ数年は政策的にフィンテック企業を後押しする動きが続いた。自民党の提言には、一方的に攻め込まれる構図だ
った銀行への規制を緩めて、異業種とのバランスをとりたいとの意向がにじむ。
「先生の紹介案件」といった具合に、融資判断への不当な介入を避けるために、銀行は伝統的に政治と距離をおいてきた。ただ
今年1月、全国銀行協会が開いた賀詞交換会は例年にはない場面があった。全銀協会長ら銀行首脳、麻生太郎金融相とともに、
10人以上の国会議員がひな壇で記念撮影に納まった。
「フィンテック推進も大事だが、銀行をたたき過ぎるのもどうかという認識が広がってきたように感じる」。参加者の一人はこうつぶ
やいた。金融の暴走が招いた1990年代後半の不良債権問題や2008年のリーマン・ショックと異なり、今回のコロナ危機は、い
かに金融が実体経済を支えられるかがカギを握る。
「やっぱり銀行は頼りになる」という再評価につながるのか、「雨の日に傘を貸してくれない」との批判が強まるのか。コロナ対応
は銀行、フィンテック企業双方にとって今後の環境を決定づける岐路になる。 4月の貸出残高、過去最高、3%増、大企業向け伸びる。
2020/05/14 日本経済新聞 朝刊
日銀が13日に発表した4月の貸出・預金動向(速報)によると、全国の銀行と信用金庫の貸出平均残高は前年同月比3%増の
553兆4863億円だった。統計の公表をはじめた2000年1月以来、約20年ぶりに過去最高を更新した。新型コロナウイルスの
招く経済の停滞に備え、企業が資金を確保する動きを反映したが、過度な貸し出し増を警戒する声もある。
貸出残高の伸び率は17年8月(3・2%)以来、2年8カ月ぶりの大きさだった。業態別では3メガバンクなどの大手行の伸び率が
3・4%と地銀や信金より大きくなり、大手行と取引の多い大企業向けの融資が活発だった様子がうかがえる。
金融機関はバブル崩壊後に不良債権の処理に追われ、1990年代後半から2000年代半ばまでほぼ一貫して貸出残高を縮小
してきた。アベノミクスによる景気回復局面では不動産向けやM&A(合併・買収)向けを中心に融資を伸ばしてきたが、コロナ危機
後は手元資金を厚くしておきたい企業の「守り」のニーズを受け、一段と貸し出しを伸ばしている。
5月からは政府の緊急経済対策を踏まえ、実質無利子・無担保の融資が民間金融機関でも始まった。日銀も企業の資金繰りを支
える金融機関に有利な条件で資金を供給するオペ(公開市場操作)を拡充している。銀行や信金による貸し出しも当面、拡大を続け
る公算が大きい。 4月の貸出残高、過去最高 3%増、大企業向け伸びる
https://www.nikkei.com/nkd/industry/article/?DisplayType=1&n_m_code=121&ng=DGKKZO59040410T10C20A5EE9000 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています