文藝春秋 2018年11月号
▼丸の内コンフィデンシャル
ttp://bunshun.jp/articles/-/9185
 通信速度が現行の百倍になる第五世代(57G》の次世代通信網整備には、膨大な費用がかかる。携帯電話会社
一社あたりの投資額は3兆円とも4兆円ともいわれ、ソフトバンクグループ(孫正義社長)が資金をどう調達するのか
が話題だ。有利子負債が多く、金融機関が「これ以上の融資に応じられない」という姿勢を見せているからだ。
 …(略)…不安はなさそうに見えるが、アリババ株は政策的に売れない。
 …(略)…そんな折、ソフトバンクに救世主が現れた。「中国の通信機器大手のファーウェイが融資をもちかけて
いる(関係者)というのだ。ソフトバンクの通信網整備に必要な設備をファーウェイが納入する代わりに資金を出す、
という。
 …(略)…同様のリスクは日本にも当てはまり、政府関係者の中には、ソフトバンクに対するファーウェイの融資を
警戒する声もある。
「いまのところファーウェイの通信機器からデータが抜き取られ、中国に流れるという確たる証拠はない」と、ある
政府関係者は言う。それを見抜いてなのかどうか、ソフトバンクは「設備の調達で政府に指示されるいわれはない」
という立場をとっている。
 だが、「強気の姿勢を崩さないのは、それだけ資金調達に苦労しているということの裏返し」(前出・政府関係者)。