盲検化した治験では、途中でデータが集まってきても、どの薬のデータなのかわかりません。
この段階では、書き間違いや誤解による誤った記載があっても、正しい記載に改めることが出来ます。
一つ一つ点検し、治験担当医はデータを誤解のない正確なものにしなければなりません。
誤解による誤記載には、日付の間違い、勘違いなどがよくあります。
どの薬か分からないのですから、データを修正してもバイアスはかかりません。
 こうして、データ全体にわたって、書き間違いや誤解による誤った記載がないか精査したあと、データをもう修正しないこととします(データ固定)。
 データが固定化されれば、いよいよ、盲検化の解除のステップに移ります。
盲検化の解除とは、とどのつまり、キーコードを担当医も患者さまも、開発する製薬会社も知ることです。
前回、お話したキーコード表を治験関係者の間で公表することがキーオープンです。
患者さまはご自身の飲んだ薬を知り、担当医は患者さま方に処方した薬の内容を知り、製薬会社は全ての患者さま方の飲んだ薬を知ります。
キーコードの封印を解くので、キー(コード)ブレイクとか、キーオープンなどと呼ばれます。
キーコードを知ってからデータを修正すれば、バイアスのかかったデータとみなされ、事実上、二重盲検比較試験ではなくなってしまいます。
 キーオープンして初めて、患者さまのお飲みになった薬が特定でき、データをお薬ごとに集計、解析できようになり、異なるお薬の有効性と安全性を比較できるようになるのです。