【ポテコの細腕半生記】その4 初恋
ポテコは16歳になっていた。恐らくは父親似の鼻筋の通った端正な顔立ち、明らかに母親似の色白な肌と艶やかさをまとった娘であった。
チマチョゴリを着て西鉄バスで朝鮮学校に通うポテコに、老若の男たちが声かけするのも無理のないことであった。ひどい時にはすれ違いざまにIPPATSU YARASERO!と囁いたり、満員バスで体を弄られることもあった。
そんなポテコに気になる異性が出現した、同じ朝鮮学校の先輩であった。「あの人の家は白丁よ」級友が教えてくれた。気にならなかった。