ユビキチン ??

「日本では、不思議なくらい話題になっていないのですが、欧米ではベンチャー企業はもちろん、ここ数年は、大手製薬企業もこぞって、創薬に乗り出しています、、、」だそうです。


以下、【日経バイオテクONLINE Vol.2874】より

低分子薬の概念を変える“標的蛋白質分解誘導薬”
(2018.03.02 )

 おはようございます。日経バイオテク副編集長の久保田です。
従来の阻害薬や作動薬とは違う、全く新しい作用機序を持つ低分子薬が
今、業界で大きな注目を集めているのをご存じでしょうか。

その低分子薬は、ユビキチン−プロテアソーム系を転用して
疾患の発症や増悪に関わる異常蛋白質にE3リガーゼを近づけてユビキチン化。
人為的に異常蛋白質の分解を誘導する薬剤のことです。
欧米では、”Protein degrader (蛋白質の分解屋)”とか、”Molecular glue(分子糊)”
といった表現をされており、我々はこれ

“標的蛋白質分解誘導薬”と命名。

最新号で特集をまとめました。

!おススメ!
特集◎臨床入り目前の標的蛋白質分解誘導薬
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/082400016/022100047/

 標的蛋白質を阻害(ないしは作動)していた従来の低分子薬とは異なり
標的蛋白質分解誘導薬は、標的蛋白質を分解してしまう低分子薬です。
ということは、転写因子やスプライシング因子のように、
酵素活性などのない蛋白質を狙ったり、酵素阻害薬に対して耐性を示す
酵素を狙ったりすることが可能になります。
近年、標的の枯渇が指摘されていた低分子薬を、
まさに“再生”させるような、新たな概念だと言えるでしょう。

日本では、不思議なくらい話題になっていないのですが、
欧米ではベンチャー企業はもちろん、ここ数年は
大手製薬企業もこぞって、創薬に乗り出しています。
そして、これまでの研究開発を通じ、この標的蛋白質分解誘導薬の成否を左右するのは、
“ケミストリー”だということも明確になってきました。
個人的には、日本のメディシナルケミストリーの力を生かせるのではないかと
期待しているところです。
ぜひ、上記の最新号の特集と合わせて、下記の特集連動記事をご一読ください!!

特集連動◎NIHS内藤氏、日本発のハイブリッド型の基盤技術「SNIPER」を開発
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/18/02/22/03900/

特集連動◎東京医大半田氏、「神経疾患でE3リガーゼ活用する創薬手掛けたい」
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/18/02/22/03901/

特集連動◎エーザイ、「標的蛋白質分解誘導薬は癌の発症予防に使える可能性も」
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/18/02/23/03916/

特集連動◎兵庫医療大田中氏、「標的蛋白質分解誘導薬は蛋白質の機能解明に有用」
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/18/02/23/03915/

特集連動◎武田薬品Dick氏、E3リガーゼ標的創薬には“正しいケミストリー”が必要
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/18/02/22/03908/