広島20年五輪:平和の聖火、ともそう(その1) /広島
http://mainichi.jp/area/hiroshima/archive/news/2010/01/01/20100101ddlk34050179000c.html

2020年、広島に五輪がやってきた−−。
今年は正月から、広島市が招致を検討している20年の夏季五輪が実現した場合、招致スケジュールはどうなるか、どの都市との招致競争に競り勝ったのか、想像してみた。
五輪開催実現には財政面など多くの課題から紆余(うよ)曲折が予想され、五輪招致については賛否両論あるが、世界トップレベルの競技が地元で見られることに期待する人もいる。
本紙広島・備後面でおなじみのいくまさ鉄平さんのイラストと共に、五輪について、そして広島五輪の意義について少しの間、思いをはせてみてください。【矢追健介】

◆可能性は?
◇アジア大会実績、評価されそう
05年から06年にかけ、福岡市が五輪招致に向け、活動していたときの福岡市市民局オリンピック招致準備担当部長を務めた山田克己さんに、広島五輪の可能性について聞いてみた。
「可能性はあると思います。広島はアジア大会(94年)を運営したという実績が大きい。アジア大会は、セパタクローといった競技もあり、
五輪より競技数が多い。そういった国際大会を運営したという実績は評価されると思います」「一番大切なのは選手村です。
五輪は各種競技の世界大会の寄せ集めではありません。IOC(国際オリンピック委員会)は選手らが一堂に会することに意義を見いだしているからです」
「五輪は1日40万人の観客が予想されます。広島は1日100万人が参加するフラワーフェスティバルを運営している実績があります。これも有利な面です」

◆課題は?
◇宿泊施設、競技場…運営費は数千億円
JOC(日本オリンピック委員会)総務部の中森康弘招致担当の話 国際五輪協会(IOC)の基準では、メーンスタジアムの半径50キロ圏内に4万室以上の宿泊施設が必要です。
さらに1万6000人収容の選手村に加え、メディア村として2万人の宿泊施設も必要となります。他にも、セキュリティーやスタッフの輸送など、細かい点で必要なインフラが多々あります。
競技場の基準については各競技団体との相談次第になりますが、選考段階では他都市との競争となります。
東京は、北京五輪開催時に計画をIOCに提出したので、どうしても北京を意識したものになり、規模が大きくなりました。
20年夏季五輪計画提出は12年ロンドン五輪の時期ですので、これとの比較は当然されるでしょう。
五輪の運営費は数千億円かかります。スポンサー料や放映権料で全額は無理です。会場が小さくては入場料も減り、自治体負担が増えるでしょう。
五輪規模の縮小は難しいと思います。財政面をどうクリアするのかが課題でしょう。