旧広島市民球場の解体、宙に浮く…跡地計画反対で(2009年11月25日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/sports/npb/news/20091124-OYT1T00611.htm

「今秋にも」とされていた旧広島市民球場(広島市中区)の解体が、来年4月以降に先延ばしされた。
折り鶴の展示施設などを中心とする市の跡地利用計画に、地元から反対の声が上がり、
市議会で計画の検討に必要な費用が二度にわたって退けられたため、解体に着手できない状態になっている。
市は足踏み状態となっている計画を前進させ、来年度にも解体作業に取りかかりたい考えだが、それは、地元や市議会が合意するかどうかにかかっている。
旧市民球場では今月14日もソフトボールの大会が開かれ、グラウンドに歓声が響いていた。今も利用予約を募ると、多くの市民が殺到する人気ぶりだ。
広島市は、広島カープの新しい本拠地「マツダスタジアム」(南区)の建設が決まった2005年から旧市民球場の跡地利用について検討を開始。
市民らから意見を募集し、広島商工会議所の申し入れなども反映して、08年9月に跡地利用のたたき台を作成。
09年1月に、折り鶴の展示ホールのある市民広場を基本とした跡地利用計画を作成した。
これに対して、市中央部商店街振興組合連合会(中振連)や地元住民らでつくる協議会は2月、
「中途半端な計画案。市の計画案で広島の元気につながるのか疑問」として、計画修正を求める陳情を市議会に提出。
地元住民らは「市の計画ではにぎわいは生み出せない」と主張する。
市議会も3月、1930万円の検討費を盛り込んだ市の予算案に対して、「地元の理解が得られていない」とし、予算案は認められなかった。