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 宇野の独特のスケーティングは世界のトップスケーターでもリスペクトする選手が多く、鍵山も「憧れの選手は宇野」と発言していた。

 また本田真凜との交際をオープンにする姿勢も好感を持たれ、フィギュアスケートファンを超えた認知も獲得してきた。大のゲーマーであることを公言し、男性ファンも多い。


羽生が宇野の引退に見せた“高橋大輔のとき”とは違う対応

 そんな宇野にとって最大のライバルは、常に羽生だった。平昌オリンピックで敗れるなど直接対決は大きく負け越しているが、世界選手権の優勝回数は同じ2回。そのことから、互いのファン同士がいがみあう場面もSNSでは少なくなかった。

 しかし宇野本人は「羽生選手をずっと追いかけてきた」と話していた。インタビューなどでは「羽生選手には勝ちたいと思っています」とターゲットにする発言をすることもあったが、前出の記者は「宇野さんは羽生さんを対等だとは思っていなかったのでは」と言う。

「宇野さんにとって羽生さんは、ライバルというよりもあくまでも追いかける目標だったと思います。2人のスケート界での実績を見れば十分ライバル関係と言え、競い合う位置にあったと言えます。しかし当の宇野選手から、強烈な対抗心を感じたことはないんです」

 羽生も宇野の引退に対して、「『ゆづくん』として『昌磨』と世界で競技してこれたことが、本当に幸運なことで、楽しかったです」と親しみを表明するコメントをだしている。これは、羽生にとって“初代ライバル”だった高橋大輔が引退した時とは全く異なる対応だ。

「宇野さんが羽生さんとメダルを争う相手に成長してくる中で、意識しなかったということはないでしょう。ただ、ギスギスした関係ではなかったと思います。お互いのファンの一部が対立しているというか、ひいきが過ぎて相手側を非難しているのは私も何度も目にしました。でも本人たちはずっと会見場などで顔を合わせれば談笑していましたよ」