10年経っても記憶に残る演技と五輪ニ連覇も記憶に全く残らない演技のヅラ

平原綾香 名古屋で「クラシックの扉コンサート」 浅田真央バージョンの曲「宝物」

 本紙でクラシックの名曲を親しみやすい切り口で紹介する記事を連載した歌手の平原綾香が、名古屋市で連載を基にした「平原綾香と開く クラシックの扉コンサート2024」(CBCテレビなど主催、本紙共催)を開いた。フィギュアスケートの浅田真央がソチ五輪のフリー演技で用いた曲を取り上げ、浅田の大ファンの平原は「一生の宝物になりました」と感無量の様子だった。
 平原の記事は「平原綾香と開くクラシックの扉」で2014年から中断をはさんで今年3月まで連載された。19年にはコンサートとしてシリーズ化され、今回が6回目。第1部では連載で取り上げた曲をオーケストラの生演奏で鑑賞し、聴きどころや作曲家のエピソードを解説。第2部は平原がオケをバックに歌うという構成で、人気を博してきた。
 今回は3月31日、名古屋市のNiterra日本特殊陶業市民会館フォレストホールで開いた。第1部で披露したのは、浅田が演技で用いたラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」などで、初の試みとしてピアニストの大貫祐一郎をソリストに招き、渡辺俊幸の指揮するセントラル愛知交響楽団とともに演奏した。「ピアノ協奏曲第2番」は浅田の使用時と同じ編集の特別版を奏でた。
 第2部ではクラシック作品をカバーした「仮面舞踏会」、ミュージカル「サウンド・オブ・ミュージック」のメドレーなどを歌った。曲間に、21年に亡くなった父でサックス奏者の平原まことから「オーケストラと共演するときは第1バイオリンの音程をよく聞き、オケを引っ張ろうと思わず、みんなの力を借りて歌いなさい」と助言を受けたという思い出を語った。
 本編のラストでは「初めて歌うときのように感謝を込めて歌います」と話し、ホルスト「木星」をカバーしたデビュー曲「Jupiter」を圧巻の歌唱で聞かせ、会場は大きな拍手に包まれた。