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――こういうのは1日どのくらい稽古をするものなんですか?

「休憩を挟みつつ、3〜4時間やっていました。撮影と並行して、その合間を縫って2カ月間練習しましたね。2年前のことなので正確には覚えていませんが……。

その日、ビデオコンテを見て、お互いの共通認識はもう固まったんですよね。山アさんは、『キングダム』や『ゴールデンカムイ』など、どちらかというと感情を表に出すようなアクションが多かったんですけど」

――感情を爆発させるような感じですね。

「はい。今回はミステリアスなアクションで、質が違ったので、『ちょっとギアを変えないとな』と言っていました」

――すごいですね。やっぱりそういう風にお考えになるんですね。なにか、園村監督から注文されたことはありますか?

「『あまり感情が出ていないように見える動きで』とは常に言っていました」

――難しそうですね。

「そうなんですよ。身体は躍動感が必要ですが、感情は抑えなきゃいけないという、すごく難しいことを。それに多分、呪術は指の形まで結構細かいので、指先まで気遣いながらやっていたと思います」

――そこもフュギュアスケートのようですね。

「はい。似てる感じがすごいしましたね」

――撮影のためにやっぱり体を鍛えたりとか?

「していると思います。陰陽師にはない動きなんですけれども、うちのスタントマンを捕まえて、自分でミットとグローブを持ってきて、休憩時間にミット打ちとかやっていました。遊びの延長ではあるんですけど、『ちょっとパンチ教えてください』って」

――練習でもあり遊びでもあるんですね。

「体を動かして、身体操作のスキルを上げたいのだろうと思います」