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――羽生さんの『SEIMEI』は何度もご覧になったのでしょうか?

「はい。基本的には、動きをトレースするというよりは、華麗な雰囲気のヒントとして見せていただきました。強いて言えば、羽生さんは、くるくる回って助走をつけてから、ジャンプを跳ばれますよね。そのやり方は、予告にもある、高い靴を履いた山アさんが回転しつつ追手から逃げるシーンの参考にしました」

――術に入るとき、山ア賢人さんは左手で印を結びますが、あれも羽生さんを参考にしているのですか?
「そこは呪術の専門の先生がやってくださいましたね」

――他に監督が担当されたアクションは?

「竜の幻と戦うところなど、大きい動きのある場面は立ち会わせていただきました。あとは僕らの仕事として、役者の方々が怪我をしないよう安全管理もしました」

――撮影で苦労されたところはありますか?

「やっぱり、さきほどもお話しした山アさんが回るシーンですかね。呪術っぽい、CGを使うアクションが多い中でも、ここは肉体的な躍動感で魅せるシーンなので、一番大変でした。撮影本番は3日間ぐらいでしたが、リハーサルは約2カ月前から重ねていました」