羽生
学校に行ってる日も、リンクが近かったということもあって、学校が終わると放課後はリンクに直行して、そのまま練習がはじまるという感じで。ずっと氷の上でやるわけじゃないんですけど、3時から8時ぐらいまでは練習がありました。そうするとやっぱり友だちと遊ぶ時間も少なくて。

糸井
小学校の低学年から、もう、そういう感じなんですね。

羽生
あと、そのころのフィギュアスケート界って、女子選手がほとんどだったんですよ。いまは男子選手も増えてきましたけど、昔はやっぱり、女の子のスポーツというイメージが強かった。

糸井
選手の割合として、バレエとかと似た感じで。

羽生
そうです。だから、まわりに女の子たちがいっぱいいて、ぼくもその状況に対してなんの違和感もなくて。だから、やっぱり、友だちとゲームしたり、スポーツしたりっていう少年時代ではなかったですね。

糸井
それでも、なんていうか、「ふつうの子はこうだ」ってことについて、とってもよくわかってる気がするんですけど。

羽生
ふつうになりたかったんですよ。

糸井
あーー、そういう意味で、学んでたんですね。