糸井との対談
URL貼ると吸い込まれるので貼らないね

第6回
フィギュアスケートは難しい

糸井
表現と得点は、別々のアプローチをしなきゃいけないものかもしれないけど、練習しなきゃいけないのは一緒ですよね。

羽生
そうなんですよね。だから、最近思ってることのひとつが、フィギュアスケートってすごく難しいっていうことで。単純に、やらなきゃいけないことがあまりにも多すぎるんですよね。

糸井
ああ、多いんだろうなぁ(笑)。

羽生
たとえば、速度だけを競う競技だったら、コースはほとんど一定ですし、反復して、比較して、集中することができる。もちろん、そういう競技ならではの、要素の少ない難しさというのはあると思うんですが。でも、1日の5時間とか6時間をそこにずっとかけられるんですね。それに対して、フィギュアスケートというのは、たとえばジャンプにしても6種類あって、そのジャンプを、フリープログラムだったら7回跳ばなきゃいけない。最低でも7本分の練習をしなきゃいけない。その時点で、もう種類が多すぎて、わけがわからないですよね。

糸井
そうなんでしょうね。

羽生
それに、スピンの練習をしなきゃいけない、スピンも何種類もあって、スケーティングも何種類のターンもあって、左回りになったり、右回りになったり、後ろ向いたり、いろんなことをしなきゃいけない。だから、フィギュアスケートって本当に、修練が難しいスポーツであり、その意味ではアートでもあるんだな、っていうのは、最近よく感じますね。

糸井
しかも音楽にシンクロしてないといけないし。

羽生
はい、できれば。でも、できてないなーってぼくは思ってますけど。

糸井
できてない。音楽に合わせることが?