>>93
糸井
つまり気分としては、ファン出身なんですか。

羽生
はい、もちろんです。ぼくは4歳からスケートをはじめてるんですけど、スケートがすごく好きだったかって言われたら、そういうことではじめたわけじゃなくて、4つ上の姉がいて、姉がはじめて、それについて行きたいと言って、ぼくもスケートをはじめてっていう形でした。ある意味では、姉っていう存在が、ずっと憧れの存在だったんだろうなと思います。

糸井
ああ、なるほど。

羽生
そういう憧れの存在が常にいて、一緒にやりたくて、真似をしたくて、っていうのがずっと続いてて、その延長線上に、ジョニーさんがいたりとか、プルシェンコさんがいたりとか、いろんな先輩方がいらっしゃって。だから、ぼくにとって、フィギュアスケートをずっとやっていくっていうのは、憧れに近づいていく作業っていうか。

糸井
はあーー。

羽生
ひたすら憧れて、努力してそこに向かっていって、憧れを超える、みたいなことをずっと続けてきたのが、ぼくにとってのフィギュアスケートなのかな、っていうのは思いますね。

糸井
憧れに近づいて、超えていくうちに、自然と
高い場所に上がっていった。

羽生
そうですね。っていうか、最初に憧れてしまった人が、オリンピック金メダリストだったんで(笑)。そしたら、まぁ、必然的にオリンピックで金メダル以上、2連覇、みたいな感じになっていったのかなと思います。

(つづきます)
2024-03-01-FRI