>>89
羽生
ぼくは、うれしくて、ほんとに。あと、糸井さんとジョニー・ウィアーさんの対談とかも読ませていただいていて。(『Johnny Weir!!! オフィスにジョニーがやってきた。』)ぼくはもともとジョニーさんにすごく憧れていて、ジョニーさんが目指している芸術性だったりとか、求めている美しさ、かっこよさ、みたいな価値観が自分と近いなと感じていましたから、そのジョニーさんと糸井さんがお話されているのは、すごく共感しながら読むことができました。

糸井
ぼくはフィギュアスケートを深く知っているわけではないので、ああいう、競技を超えたぼんやりした話をする人としてとらえてもらえるのがいちばんありがたいです。ぼくからすると、ジョニーさんも羽生さんも、「この人間は、なにかしたがってるんだな」というところでは同じなんですよ。

羽生
「なにかしたがってる」(笑)。

糸井
それは、お相撲を見ようが、棒高跳びを見ようが、「この人はこういうことしたいんだろうな」っていうことは、競技のルールとか専門知識抜きに伝わってくるんですよ。そういうところが、お二人には共通している気がするんですよね。そもそも、ぼくが羽生さんを最初に知ったのはジョニーさんを通じてでしたから。

羽生
そうなんですか。

糸井
ぼくがジョニーさんに招待されて、北陸のほうのスケートリンクにアイスショーを観に行ったとき、そこに羽生さんも出演されていて、「あの子がすごいんだよ!」ってジョニーがぼくに教えてくれたんです。

羽生
あー、新潟か、福井かな?

糸井
福井だったかな。

羽生
あのときは、ぼく、15歳とか、それぐらいだったと思います。

糸井
ああ、そのぐらいだったんですね。たしか、羽生さんの衣装をジョニーさんが手掛けたとか‥‥。

羽生
そうです、デザインしていただいたり。