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「4回転半ジャンプを成功させたイリア・マリニン選手、’22年11月に現役復帰した、私生活でも仲のいい織田信成選手など、羽生さんのライバルたちが勢ぞろいです」(前出・フィギュア関係者)

さらに、ある事情が羽生を復帰へと駆り立てる。

「2度五輪を制覇し、フィギュア界の絶対王者として君臨していた羽生さんですが、離婚騒動でその完璧な印象が崩れつつあります。さらに、バイオリニストの元妻は実名で活動再開。彼女が活躍するほど、“一般人”扱いをした羽生家への風当たりが強まります。

この苦境から逆転するには、現役に戻り、真摯な姿を見せるしかない……。そんな選択肢も考えているかもしれません」(前出・スポーツ紙記者)

フィギュアの実力は現役時代より進化

次の冬季五輪は’26年、ミラノで開催される。羽生の今の実力は、強豪選手たちに匹敵するのか。

スポーツジャーナリストは次のように分析する。

「あのショーには『破滅への使者』という、4回転サルコウや5連続ジャンプを入れた、試合に近い演目があります。最終日にはなんとそれをノーミスで滑っていました。これが本当に素晴らしくて。現役トップでも参考にするような、切れ味のある跳躍でした。

試合に出ればもちろん戦えるレベルです。衰えるどころか、現役時代より進化していますよ」

羽生自身、実力には自信があるようだ。ある日の公演で、突如、

「僕はアスリートとしては勝ちたいって思う」

と宣言したのだ。

「客席から失笑が起きたので、“誰に勝つんだよっていう笑いですよね、今のは(笑)”と慌てておどけてみせましたが、半分本気の“におわせ”だったのでは……。

ファンの反応が予想外だったことで、むしろ火が付いたでしょう」(前出・スポーツ紙記者)

そもそも羽生は“引退”を掲げてはいない。

「彼の憧れ・プルシェンコは、’06年のトリノ五輪で金メダルに輝いてプロ転向後、競技復帰。’10年のバンクーバー五輪では銀メダルを獲得しました。羽生さんは、これまでも不可能だとされることを可能にしてきました。30代で再び表彰台に返り咲くのも夢ではないはずです」(前出・フィギュア関係者)