>>761
 毎週雑誌一冊を作らなければならない週刊誌、ネットに至っては毎日配信の日刊状態なのでひたすら記事を量産するしかない。だからTwitter(現、X)から適当に拾って書いてを繰り返すような行為で、大手のスポーツ新聞社までいわゆる「こたつ記事」を書き散らしている。私はこたつ記事すべてを否定はしないし、むしろ有用な場合もあると考えているが、それが他人の迷惑どころかねつ造のような形となるなら最悪である。

 1月24日、デイリースポーツ新聞社の媒体「よろず~ニュース」が「仁藤氏、射殺された安倍氏は“自業自得”と主張」と書いて裁判で負けたが、これなどはTwitter(現、X)の当該人物のアカウントにこんな直接的な文言はない。ツイートの大半を引用したことはともかく、デイリースポーツ側の「記事を読めばわかる」という主張は先の手口やら、レトリックとしての話なのだが、苦しい。

 実際、判決は見出しのみを対象にデイリースポーツ側の敗訴とした。

 本稿で言及している羽生結弦の文春記事も酷い話なのはもちろんだが、このデイリースポーツの件は首相の射殺事件であり、それに対しての意見を、実際に書かれていない「自業自得」という言葉でタイトルとして括ってしまった。さすがにこの括りでは無理筋だ。当該人物およびその団体が誹謗中傷などで実際に被害を受けていることが立証されていることもあり、いくらなんでも、という話である。

 私も高校卒業後、最初の勤め先がこのデイリースポーツ新聞社のアルバイト社員であった。まあ、下っ端も下っ端の立場から見ても、「当時からこんなもの」という感想はあるが、地方紙の雄、神戸新聞社傘下でもこうした雑な記事を撒き散らしているという現実はある。


羽生結弦がこれまでにどれだけ身を切って、自分の私的な人生まで犠牲にして

 それにしても許せないのは、羽生結弦がこれまで、どれだけ身を切って、自分の私的な人生まで犠牲にして、多くの人々のために無私の行為を繰り返してきたというのか、そうした行為をこんな雑な記事1本で汚すことだ。