パラグアイに負けた後、W杯は意識して見なかった。
自分の出てないW杯なんて見てもしょうがない。
勝ち残っていた選手に嫉妬を感じた。
他の選手が活躍するW杯を見るのは耐えられなかった。
今までW杯に対してそんな風に感じたことはなかった。
チームの2勝と自分の2得点という経験が僕の感じ方を変えさせたのだろう。
モスクワの自宅にいたW杯決勝の日、妻はテレビの生中継を見ていたが、僕は先に眠った。

今大会、印象に残った選手はウルグアイのフォルラン。
彼のどん欲さは凄い。
コースが有ったら必ずシュートを打った。
シュートの形もたくさん持っていた。
ゴールを見てないのかなと思わせてズドンとシュートを入れた。
自分がゴールに決めるんだという強い気持ちを見習いたい。

日本人の良い所って何だろうとよく考える。
例えば気遣いがある。
いろんな所に気づく。視野が広い。
むしろ広すぎるのかもしれない。
考えなくても良い所まで考えている時もある。
フォルランはいったいどういうメンタリティーでサッカーしているのであろう。

これからの目標はW杯優勝とバロンドールの受賞。
実現できるのは本気で願っている選手だと思う。
技術は後からついてくる。
これからいろんな発見をしなくちゃいけない。
どれだけ貪欲になれるかだ。

日本人の僕らは考え方を根本から変えなければいけないとも思う。
横並びが大好きで。出る杭を打つ文化を変えないと。
W杯優勝やバロンドールを目指すのが当たり前になって初めていつか実現できる時が来る。
天才的な選手はきっと、高い目標に到達するための考え方や生き方を自然に出来るのだろう。
僕は天才ではない。だから必死に探るしかない。

選手として挑戦できる時間は限られている。
現役を辞める年齢はもう32歳と決めている。
それまでにW杯は2回。どちらかで優勝したい。
バロンドールもそれまでに取る
-了-