W杯南アフリカ大会の日本代表について、一人一人がエゴを捨てて戦ったという美談が語られている。
勘違いしてはいけない。
エゴを捨てたと言うより、やりたい様にやって勝つだけの力がなかったから、
捨てざるを得なかったと言うだけ、格好の良い話ではない。

確かにチームの纏まりは凄かった。過去の良い試合のイメージも理想も捨てて、
一人一人が「チームが勝つため」を考えた。勝てるならそれで良いと。

日本人が良く言う「一致団結」とも違う感覚。あくまで勝つための纏まりで、纏まりから作ろうとはしなかった。
「まとまろうよ」と言っても、本物の纏まりにはならない。

一次リーグを突破して、決勝トーナメント一回戦でパラグアイと対戦することになった時、
雰囲気が変わった。

自分自身も含め、選手はみんな「まだ満足してない」と自分に言い聞かせていた。
でも、ほっとした思いが少なからずあった。
良い意味でも、悪い意味でもチームの雰囲気が和やかになった。
強化試合4連敗で迎えた初戦のカメルーン戦前では考えられない様な自身もチームに満ちあふれていた。
それは良いことの様だが、何かが変われば、良い影響だけでなく、悪い影響も必ずある。

カメルーン戦の前に日本代表に漂っていた不安は、良い不安だったと僕は思う。
自身のない不安ではなく、負けたくないという危機感だったから。
勝たなければいけない試合ほど、負けるのが怖い。
用心深くなり、準備を怠らない。
細かい所に気をつけて、やるべき準備をキッチリやる。
チームの良い纏まりが築かれたのもそういう心理が働いていたからだ。

その「良い不安が」パラグアイ戦の前はなかった。
デンマークに勝って調子に乗ってしまい、次も勝てるだろうとしか思っていなかった。
自分も準備の甘さに後になって気づいた。
得点機に対する想定をもっと厳しく持てたはず。
もっと注意深く入念に準備していればパラグアイ戦は勝てた。
僕はそう思う。

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先週はザックの就任で延期
>>109のDL数40、思ったより居るなぁ
荒らしに反応するお子様もいらっしゃる居る様で…