ITUのドラフティング禁止ルールでは、
Drafting of another competitor or motor vehicle is forbidden. の次に、 Competitors must reject attempts by others to draft.
(競技者は、他競技者がドラフティングをしようとしていたら、これを拒否しなければならない)と規定されている。
 これは意訳すれば、他の選手が近づき過ぎると感じたら、「下がれ!」あるいは「ドラフティングです。下がってください。お願いします」
といったことをルールが要求しているということである。
 欧米流のルールの考え方が表れている。この自主規制を要請するルールが本当に機能すれば、ドラフティング違反は、
よほど過剰の選手を狭いコースに入れない限り、スムーズにレースができる。
 また、仮に選手から「ドラフティングだらけじゃないか、審判員はもっと取り締まってくれないと困る」、と言われても、このルールを伝えれば、
「自分が、接近してきた選手に、ルールどおりに警告を与えないほうが悪いのだ。君がルールを守っていない!」と言い返せることになる。
 いずれにせよ、トライアスロンは、ゴルフ競技のように、自主規制そして自己申告により相互規制が発揮されると、「野性味あふれる紳士淑女のスポーツ」になっていくだろう。