>>87のつづき



「ゆうべ亡くなった並木君は、タイに日本語の語学ボランティアで入ろうと思っていた。5月から1年間行く予定でした。
日本のことをしっかり伝えたいと、バイクで日本全国を回って、“日本ってこんなに素敵なんだ”とタイの子に教えようと
していた。子どもが大好きな子でした」

 事故の2日前、ゼミで尾木氏の誕生日(1月3日)を祝った。サプライズだった。尾木氏にケーキを渡したのは事故で
亡くなった3年生の西原季輝さん(21)だった。

 ゼミ長で、テニスでは全国大会に出場しているスポーツマン。ケーキのプレートには《ママとしても、教員としても頑張ってください》と
メッセージが書かれていたという。

 今回亡くなったゼミ生4人のうち3人は教員志望。3年生の林晃孝さん(22)は1年間、カナダに留学していた。

「行動派で、すごく人気者でした。並木くんと一緒に視察した学校でも、汗だくで小学生と遊んでいた。稀に見る感性のいい子です」

 教え子たちの死は、尾木氏個人の悲しみにとどまらず、「教育界の損失」と残念がる。

「教育現場の厳しさは承知のうえ。だから、みんなストレートに教員になろうとは思っていなかった。迂回路を取って、
グローバルな視点を身につけようとしていた。日本の教育をどう変えなければならないかを深く考えていた。人間性も豊かだった。
そうした学生だったことを伝えないといけない。卒業前の学生の命が絶たれることはこんなに重大なことだってことを、
リアリティーを持って知ってほしい」



http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160127-00023199-jprime-soci