両親は「気にするな」と永野さんを励ましてくれたが、あまりのショックで実家にいづらくなると、永野さんは一人東京にやってきた。
「このご時世だから、ホテルや民泊がものすごく安いんです。
 二週間泊まっても三万円、なんていう宿泊施設もあるので、しばらくは転々とするつもり。
 一人は寂しいですし、ホテルにこもってやることといえば勉強しかない。
 でも、実家で後ろ指を刺されながら、両親にまで迷惑をかけるのはやりきれない」(永野さん)
緊急事態宣言が出されたことで、こうした境遇の人々への風当たりがより強くなりはしないか。
それとも「他人事ではない」と感じて、辛い境遇の人々を受け入れられるような空気が醸成されるのか。
日本人の民度が、ますます試されつつある。