■五輪との間に大きなギャップ

 こうしたときにたとえば、トップボーダーらがそろって五輪のボイコットにでも踏み切れば、どうなるのか。

 「スノーボーダー」の編集長、パット・ブリッジはまさにボイコットを主張しているわけだが、
強硬手段に出ればIOCもスノーボーダーらの声に耳を傾けざるを得なくなるのではないか。

 おそらく、ホワイトが今回の平昌五輪の出場をボイコットすれば話が早い。
しかし彼はむしろ五輪を利用してビジネスを展開し、スノーボード界全体のことに興味はない。
ハーコンセンもかつては彼に期待していたがもはや、たもとを分かった。

となると今後問われるのは、平野ら若い世代の五輪との向き合い方となる。
 ホワイトのようになりたいというなら、それも選択肢の一つ。距離を置くこともまた、選択肢の一つ。
しかし、本当のスノーボーダーなら五輪とスノーボードの理念には大きなギャップがあることに気づく。
そこで、スノーボーダーの手にスノーボードを取り戻すために、どんな声を上げるか――。