東京工業大の野上健治教授が、自治体関係者や火山学者らでつくる草津白根山防災会議協議会の委員を辞任していたことが分かった。本人が20日、取材に明らかにした。

協議会は、群馬県草津町と長野県を結ぶ観光ルートの志賀草津道路(国道292号)について安全対策を条件に全線開通を認めた。野上氏は「安全とは言えないと指摘したが、開通ありきの会議だった」などと理由を語った。

野上氏は草津白根山を調査してきた地球化学の専門家。取材に対し「通行中に噴火の兆候が出たとしても、逃げる時間的余裕があると限らない。私からすれば開通すべきではない。道路直下で噴火が起こる恐れも否定できない」と述べた。