その4年後に、彼らはそれを1.5ppm に引上げた(7)。
明らかにその根拠となったのは、局の研究者であったマックルーアが、5人の健康な男子について行った次のような研究である。
「1.8〜1.9ppm のフッ素を含有する飲料水や、3.0〜4.0mgの1日あたりのフッ素の平均摂取量を来すような飲料水が、蓄積性のフッ素中毒症の流行をもたらすことはない」(8)。
この論文は、同時に次のようにも述べている。
4.0〜5.0mgのフッ素は、「1日あたりの摂取量としては、体内に貯留しても障害を起こさない限界量である。」

 飲料水の消費量と、飲料水と食品から摂取する1日あたりの平均フッ素量に関する1940年代のマックルーアの見積もりは、表19−1に示したとおりである。
現在、合衆国で1961年に定められたフッ素化の基準である0.7〜1.2ppm という濃度は、この数値に気温の効果を加味したものに基づいている。
公衆衛生局によれば、この濃度でも2倍の安全性があるという。
と言うのも、〔彼らの見解では〕フッ素の最大許容量は1.4 〜2.4 ppm だからである(15)。
しかし、この濃度は、ディーンが夥しい数の歯牙フッ素症に遭遇した濃度だ(16)。
更に追加して言うなら、食物からくるフッ素量を0.5mg/日と低く見積もっても、2.4ppm のフッ素化水を毎日1.5リットル飲むとすれば、その量は3.6mg/日となり(17)、
これでは簡単にマックルーアが「体内貯留により障害を起こす」とした1日あたりのフッ素摂取量の下限に達してしまうのだ。