http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120324-OYT1T00828.htm
まさか死亡事故が…エアボード・安全整備途上

群馬県片品村のスキー場で、ソリ競技の一種「エアボード」で滑走していた
埼玉県羽生市の女性(30)が立ち木に衝突死した事故は、国内初の死亡例とみられる。
初心者もすぐに乗りこなせるのが魅力で、徐々に愛好者が増え始めた中での事故だった。
まだ指導的役割を担う競技者団体がなく、
安全対策は大会やツアーを企画する会社や個人に委ねられている部分が大きいという。

エアボードは、空気で膨らませた長さ約1メートルのボードに腹ばいで乗り、
左右にバランスを取りながら頭から斜面を滑り下りる。
エアボードの輸入代理店「モンベル」(大阪市)などによると、約10年前にスイスで始まり、
日本では5年ほど前から企画会社によるツアーや大会が開かれるようになり、愛好者は徐々に増えているという。

同社の広報担当者は「スキーやスノーボードに比べて技術が必要なく、コントロールも取りやすい。
足でブレーキを掛ければすぐに止められる」と魅力を説明する。

しかし、亡くなった女性はエアボード経験者で、当日は、みなかみ町の企画会社が運営した
「第5回全日本エアボード選手権大会」に出場するため、ゲレンデで斜面を滑走をしていたが、
スピードが出すぎて止まりきれず、立ち木にぶつかったとみられる。

同じ大会に参加するため、東京都から訪れた女性は
「スキーやスノーボードは上達しなかったが、エアボードは簡単だったので始めた。
コントロールも簡単で、怖いと思ったことはなかった。まさか死亡事故が起こるなんて」と驚いていた。

別の男性(33)によると、エアボードは「スキーやスノーボードに近いぐらいのスピードが出る」といい、
「この日は雪が硬く、スピードが出やすかった」と振り返る。