なんか住所なんて住民票でつながるじゃんみたいな,実務をやったことのない
人間の意見に押し切られてるなあ(笑)。
相続でいうと,転勤族で,家を買ったときから自分はその家に住んだことがな
いくらい住所を何回も転々としている人なんて,普通にいる。しかも,実務経
験のない人にはわからないだろうが,附票とか住民票は市役所の勝手な都合で
本人に断りなしに改製されるので,知らないうちに登記簿上の住所とつながり
がつく証明書がなくなるなんてざら。附票の保存年限と書いたが,正確には,
除附票。除附票と除票の保存年限が短すぎるから,こんな問題は登記をやって
いると普通におこる。従って,「住民票でつながるじゃん」的なことを言う人
間は,登記で食っている人間でないと断言できる。

また,税さんは富裕層相手のようなので,すぐ申告しなければならないから,
その時に相続登記もするであろうため,「住所がつながらないことがなかっ
た」と言うのだろうが,俺みたいに田舎だと,相続がおこって何十年か後に,
死んだジ様の持っていた山で,平成に入ってから林業が復活して,林道を作
るから持ってる土地を売ってほしいと言われたとかいう相談もある。そんな
時,ジ様の最後の住所地なんて証明するものがないのが普通だし,権利書な
んてものもないのも普通。ちょっと賢い受験生なら,「そんなの本籍が一致
してればいいじゃん」っていうかもしれないが,それも一致してない場合と
いうのも少なくない。これは田舎の土地に限ったことじゃなく,いわゆる空
き家問題的な物件で,必要に迫られて登記しようとしたときや,被相続人が
死んでから忘れたころに思い出して相続登記しようとしたときにはありがち
な話。

ま,税さんに馬鹿にされるが,地域によって・人によって「良くある話」は
違うものだ(笑)。