原告中傷の準備書面提出の鮎沢弁護士 戒告の懲戒処分に 愛知県弁護士会

 民事訴訟の相手方の人格を誹謗中傷する内容の控訴審の準備書面を裁判所
に提出したのは不適切だとして、県弁護士会は弁護士法に基づき、鮎沢多俊
弁護士(63)=瀬戸市=を戒告の懲戒処分にした。処分は2月23日付。

 鮎沢弁護士は、大手薬局チェーン「スギヤマ薬品」(名古屋市)に勤務し
ていた薬剤師=当時(24)=の死亡は過重労働が原因として、両親が会社
に損害賠償を求めた訴訟で、会社側の代理人を務めた。弁護士会は「訴訟の
一環とはいえ、相手方の人格に問題があるかのような表現は必要なく、容認
できない」と判断した。薬剤師の両親が懲戒請求した。

 鮎沢弁護士は「相手方の人格をおとしめるつもりはなく、不公平な判断だ」
と主張。日弁連への異議申し立てを検討するとしている。

 この訴訟で、名古屋高裁は2008年9月、一審同様、過労死と認めた上
で同社に約8700万円の支払いを命じ、判決は確定した。

2011年3月1日 中日新聞