戻ってきました。
まず読みは「けんけつ」ね。
 回答の方ですが,少しむずかしかったでしょうか?
まず錯誤に取消しはありません。法的効果は無効です(民法95条)。
動機の錯誤という趣旨と理解しましたが,判例上は,動機は,表示され
法律行為の内容にならなければ,無効の主張ができないとされています。
 したがって本件では,自殺者がでていない部屋であるとの動機が
表示されているわけではないので,困難なように思われます。
 本件では,もっと簡単に売買契約を取消すことができないか?
 消費者契約法では,事業者が消費者に「利益なことを言って
不利益なことを故意に言わなかった場合には,取消しうる」と
しています。
 したがってY会社が,「この物件は,ほかの物件に比べて
格安でお買い得ですよ」などといいことばかり言って,自殺を
したこと(不利益なこと)を故意に言わなかったのであれば
取消し可能となります。
 仮にYがそのようなことを言わなかった時には,取消しは
むずかしいと思われます。
 この場合は,売買契約に付随する信義則上の義務としての
説明義務違反で損害賠償を求めるほかはないでしょうね。
 なお説明義務違反を理由に売買契約を解除できないかとも
考えられますが,判例は一般的には否定的ですので,無理と
考えられます。