高齢人口急増 総人口の約4割
「2040年大量孤独死社会」の恐怖

https://mainichi.jp/premier/health/articles/20190612/med/00m/100/001000c
(毎日新聞・医療プレミアより)

「介護」と言われても具体的なイメージはなく、「その時が来ればなんとかなる」と思っている人が多いだろう。これまではそれでも良かった。
しかし今後はそうはいかない。
高齢化で介護や医療のインフラは圧倒的に足りなくなり、「家族介護」の時代に逆戻りしかねない。

現役世代人口は減り、国の財政がさらに悪化し、年金不安も増す。
この最悪シナリオの主役は高齢者だけでなく、国民全員だ。

年をとって施設に入るとき、いったいどのくらいの費用が必要かみなさんはご存じだろうか。80歳男性の例を見てみよう。

例えば2019年1月分の利用料は、介護保険3割負担7万3785円▽食費(朝昼夜)3万8148円▽洗濯代4120円▽電気代7696円▽立て替え金2万7581円▽家賃9万6000円▽管理費2万9808円――。合計27万7138円だった。

この男性は大手企業の社員だった。高度成長期に会社員人生を送った“恵まれた世代”だ。それなりの貯蓄があり、毎月の年金額も多く、老人ホームの費用を何とか支払えている。

この老人ホームは民間企業の経営。入居時負担金はないものの、食費も含む1カ月の費用はかなり高額だ。

現在、老齢年金の平均月額は、厚生年金約14万7000円、国民年金は約5万5000円(17年度末)だ。
一方、自治体の補助などがある特別養護老人ホーム(特養)の費用はざっくり丸めて月額7万〜15万円、民間経営の介護付き有料老人ホームは月額15万〜30万円以上必要といわれる。
特に都市部では、年金だけで民間有料老人ホームの費用をまかなうことは難しい。

費用を低く抑えられる特養への入所希望者は多いが、15年以降、要介護3以上でなければ原則入所できなくなるなど、入所基準は格段に厳しくなった。入所待機者数は高い水準でとどまったままだ。
(続く)