赤ちゃんポスト
16年度は過去最少5人 累計130人に

 熊本市は22日、親が育てられない乳児を受け入れる「赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)」に2016年度は5人が預け入れられたと発表した。慈恵病院(同市西区)が運営するゆりかごは、07年5月の開設から今月で10年を迎えたが、これまでで最少。累計は130人となった。

 各年度の預け入れ数は、08年度の25人をピークに減少傾向にある。16年度は3年ぶりに1桁となり、過去最少だった11年度より3人少なかった。16年度の5人は全員が自宅出産した乳児で、男児3人、女児2人。1歳以上から6歳未満の1人が含まれ、2人は身元不明だった。預けた理由(複数回答)は「生活困窮」「その他」が2件。

 過去最少となったことについて、同市子ども支援課の池田賀一課長は「特異なものと見るかは今後の推移を見て判断する」と話す。また慈恵病院の蓮田健副院長は「乳児の遺棄事件が相次ぐ中で、ゆりかごの機能が十分に発揮されていないのではないかと危機感を持っている」と述べた。

毎日新聞2017年5月22日 14時00分(最終更新 5月22日 15時54分)
http://mainichi.jp/articles/20170522/k00/00e/040/293000c