結婚ビジネスにかかわっている人たちは、最近の婚活ブームで活況なのかと思ったが、当事者はそうでもないようだ。
兵庫県内で結婚相談所を運営している50代の女性から少し意外なメールが届いた。
この女性は、婚活ブーム自体に違和感を持っているようだった。

《結婚は打算や計算で幸せになれるものでもなく、それらの思いで結婚が成立できるほど甘いものでもない。
家柄や収入などを計算し、それで結婚できるほど世の中は甘くない。つまり、家柄や条件だけで誰も結婚できないし、
結婚紹介所を運営していても、そのようなカップルに出会ったことがない》

電話で尋ねてみると「婚活がブームになってから、完成されたお相手を求めている人が
増えたような気がするんです」という答えが返ってきた。女性によると、高収入で、性格もぴったり、
自分を愛してくれて、仕事は一生懸命しているけど、たまには妻の相談にものってくれる−
そんな理想の人を探すために、婚活に励むという女性相談者が珍しくないという。

結婚紹介所は、友人の紹介と同じように、ひとつの出会いの形に過ぎないのだ。
知り合いからの紹介にはお金はかからないが、結婚紹介所の場合、会員を募るのに費用がかかり、
データの提供やサポートにも経費がかかるため有料になるというだけ。
出会いのきっかけをつくることはできても「理想の相手」を連れてきてくれるわけではないということだろう。

「夫婦というものは、結婚した後も、お互いの足りない部分を補い合いながら、
かけがえのない相手になっていくものです。はじめから完成された人物を求めることに違和感があるのです」
しかも、過剰な期待に胸を膨らませ、高い理想を求める女性相談者たちに対し、
「では、あなたは相手に何を与えられるのですか」と尋ねてみると、みな絶句してしまうのだという。

この女性は、「まず、自分を磨き、自分らしさを大切にして、出会いを求めてほしいと思います」と話していた。

≪ソース≫http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/090729/sty0907291132004-n1.htm