■加齢による精子のDNA損傷
医療関係者が接するのはもっぱら出産する女性側であるために、女性側への啓蒙が主として行われがちであるが、
男性の精子も高齢になると劣化することが、近年の研究により報告されている。
中高年男性であっても精子はたえず再生産されるから射精は可能だといっても、再生産される毛髪の質が年齢と共に劣化するのと同様
中年になるとホルモン系の老化が始まり、男性が良質な精子を作り出す能力が衰えていく。
その結果として、男性の精子の質も劣化し、女性を妊娠させる可能性も低下する。
欧州での報告によると、被験者2,100人を対象とした研究で、45歳を超える男性の精子DNAの損傷は、
それ以下の年齢グループに比較して有意に高く、30歳未満の男性との比較では2倍であった
(2005年コペンハーゲンで開かれた欧州ヒト生殖学会議(ESHRE)での報告より)