二人はかなり密着した状態でとても楽しそうに何か話をしているのが見える。
上手くいったんだな。

おめでとう。ハルヒ。
ハルヒを泣かすんじゃねえぞ、古泉。

俺の存在に気付かない二人にテレパシーを送る。
届くわけないか。
それにしても本当に絵になる。お前達、お似合いだぜ。

でも、やはり俺は素直に喜べない。
暫くするとハルヒは駅の方へ、古泉はその反対側へ歩き出した。
あいつらも帰るのだろうか?

そう思った瞬間、ハルヒが古泉の方へ走り寄り、ハルヒの方に振り向いた古泉に、

キスをした。

古泉は驚いた顔で、
ハルヒは目を閉じ、まるで幸せそうに。

目を疑った。
嘘だろ?

俺はいても経ってもいられず、走ってその場を去った。
街の街灯や車のライトが眩しい。息が苦しい。
涙が溢れて来るのが分かった。

家に着くと俺は自分のベットに突っ伏して泣いた。

終わった。
俺の初恋は終わっんだ。
あの二人のキスを見て俺は今更、失恋した事を実感した。
ハルヒはもう、俺を見ることは無いだろう。
俺の為にポニーテールにしてくれる事も無いだろう。もう俺はあいつの『鍵』でも何でもない。