ノイエ版銀英伝で取り上げられたのは皇帝フリードリヒ4世が世継ぎを定めぬまま崩御した後の帝国内での皇位継承をめぐる暗闘がガッツリ描かれいました。
特に大きかったのはフリードリヒ4世の葬儀のシーン。
原作及び石黒版においては皇帝の死についてはラインハルトの感慨一つであっさり終了してしまいましたが、
第2章のキーマンである門閥貴族たちの本格的な顔みせの場であり、早速私は貴族たちに釘づけとなってしまっていたのでした。

サビーネ「エルウィンはまだ小さいでしょ。だから私が次の皇帝になるのですって」
エリザベート「あらお馬鹿さんね、おじい様に代わって皇帝になるのは私よ」

話の最初に登場したのはフリードリヒ4世の娘婿のブラウンシュヴァイク公オットーの息女であるエリザベートと
リッテンハイム侯ヴィルヘルムの息女サビーネが2人きりになって談笑するオリジナルシーンが挿入。
まさかここで彼女らが登場するとは思いもしませんでした。
2人とも原作版でも石黒版でも名前と画像だけの存在(サビーネは一応石黒版外伝でちょこっとだけ登場)でしたのでこれは意外。
祖父帝の葬儀を前に共に父親から都合のいい情報を鵜呑みにして「次の皇帝は私よ!」と言い争うのですが、
深窓のご令嬢らしさが満載でこれが美しい。これが実に微笑ましい。
親父同士は犬猿の仲ですが、娘たちは血のつながった従姉妹同士でもあるためか仲は良さげ。
父親に外見的にも性格的にも似なくて良かった。年齢相応の無邪気さで談笑する姿は救われます。
まあこの後、大人同士のどす黒い権力闘争ですからねぇ。
そしてこのわずか1年後には彼女らもやがて親とは永遠の別離となり、それまでの恵まれた環境を失うことになるのでちょっとこれは少し心痛みます。