>>241
帝国領から見た僻地の中でも
要路や拠点になる要素が全く無いネーベンラントなどは
同盟軍が視察にも来なかったために住民の8割にあたる
約60万人が餓死していたのだが、ながらく知られることは無かった。

同盟軍侵攻直前に同惑星方面の防衛を担っていたのはロイエンタールであったが、
多くの餓死者が発生する可能性を予見していたとも言われる。

この悲劇が明らかになったのはグリルパルツァーの死後である。
彼がネーベンラント周辺の地理調査に訪れた際に、
この悲劇について人々の証言を聞き、記録することとなった。

しかし地理調査は彼の個人的趣味であり、また地理とは違う論題であるためか、
住民の犠牲について軍への正式な報告は無く、論文で触れられることも無かった。
なお、グリルパルツァー訪問時のネーベンラント行政は過不足無く行われていた。

グリルパルツァーの個人的行動について詳細な調査が行われた際に
彼が記録した帝国辺境での大規模餓死事例をメックリンガーが知ることとなったが、
ラインハルト1世の治世においてはいっさいの事実が伏せられた。