かくして、中村隆太郎は制作話数5話にして
監督としての責任と権利と義務を放棄し降板したのだった。
以降の脚本チェックには関わらず、編集にも立ち会わず、
名前だけは、テロップに残った。
監督が関わったのは5話までで、以降はほぼノータッチ。
第1話と最終話を見比べていただけば、
決して同じ人間のフィルムではないのが解ると思う。
なにより、1話でプンプン匂っていた中村臭が、
最終話ではすっかり毒気が抜かれてしまっていた。
このことを、当時スポンサーだったTBSは知っていたのかは定かではないが、
現場では緘口令が敷かれていた。
かくして同作品は、迷走を始めるのである。