>>873
「スネ夫から電話だと? …………ハハハハハッ(冷厳な嘲笑)!! 嘘だろう。出ないぞ。引っかかるものかッ!!」
「…………は? なんだと? 切手のコレクションをやめる? 不要になったから取りに来いだと? それはどーもありがと!!」
“ガチャンッ!!”(のび太、けんもほろろに電話をガチャ切り)
「誰が騙されるか!!」

「食べ切れないほどケーキを貰っちゃってさ。分けてやるから、必ず取りに来いよな」
「フンッ! べええだッ(冷厳な態度)!!」

「そうか!! 今日は4月1日、エイプリルフールだ。…………笑い事ではないぞ! 毎年騙されて、みんなの笑いものにされているから、今年こそは騙されまいとしている。何とかしよう」

「おいッ!! ドラえもんまで嘘をつくのかッ!!」
「それなら、これから言う事は独り言だから、きみは全く気にしなくて良い。…………ハリ千本バッジ」
「これを着けている時に、誰かに嘘をつかれると、バッジが唸る。すると、嘘を言った相手は、その嘘を現実にしなければならない。…………独り言はこれで終わり。うっかり、バッジは置いて行こう」
「ハリ千本…………? フンッ、騙されんぞ!! だが…………ひょっとして…………」

「では…………今月はお小遣い、千円余計にあげます」
“ノマスー”
「!? !? !? …………わたしは、何をしようとしているのかしら?!」
(ママは財布を取り出して、のび太に千円を渡さざるを得なくなる)

「さっきの事を本気にしているんだろ?」
「…………は? さっきの事とは、一体何の事だ(完全に忘れたフリ)」
「ケーキを食べ切れないから、分けてやると言ったんだ」
「切手のコレクションを譲るから、と言ったんだ」
“ノマスー”
「!? !? !?」(ジャイアンはケーキ屋に、スネ夫は自宅に、猛スピードで向かう)
「ケーキおくれ! …………いや、そんな物は要らん!…………でも、やっぱりおくれ! クソーッ!!」
「わあ、やめろ! やめろってば! ぼくは一体、何をやっているんだ?!」

「やあ、御苦労、御苦労」
(以上、ハリ千本ノマス)