手塚治虫が酒井七馬のことを無くなった直後にぼろくそに貶めたような
風評(事実とは異なる)を文章にして発表したことについては、
新寶島を赤本で出版したときの不満ないきさつもあったんだと思うが、
きっと酒井氏がなくなる直前に出した新寶島のトレースを載せた本を
おそらく無断で出したことが背後にあったのではないかと思っている。
無断で出したとしても手塚治虫の耳に入ったり手元に本が行っただろう。
手塚治虫のファンからのたれ込み連絡もあったにちがいないから。
無断で出したのだとすれば、やはり奥付の著者が酒井氏単独のままで
出されたりしたことは、著者が酒井氏自分一人だという意識を持ち
続けて居たのだという憤懣が再燃したのかもしれない。
 新聞マンガの青いトリトンの中に地方から出てきた少年が先輩風を
吹かせる人間にうまく騙されて搾取されて、という下りがあるのは
このときの体験が原型だったのではないだろうか?