前回で人物評はほぼ書き尽くした感があったが、
何の活躍場面もなく、亡くすには惜しい人物という思いがあったため、
供養の意味も込め、今回は「もしもあの事件が無ければ」という
パラレルワールドについて書いてみた。そもそも本作品は若松の死という
あまりにも重すぎるテーマを背負ってスタートしてしまったため、
その空気感が前半ずっと支配していたように思う。この手のスポーツアニメ
にしては導入のハードルが高めであり、重苦しい雰囲気に同調できず第1話で
チャンネルを回してしまった人も結構いたように思う。このハードルを乗り越えた
人達こそ、作品全体を俯瞰し、後からあごだしのようにジワジワ楽しむことが
できるのだろうが、そこまでの道のりは移り気な子供たちにはきつかったのだろう。
ある程度、年齢の高い層をターゲットにしたのは間違いない。
もし若松が元気だったらどんな作品になってただろうか?
まったくの創造になってしまうが、おつきあい頂ければ幸いである。

<もし若松が元気だったら>
・3年生になった聖、杉原を中心にバレー部は精力的に活動中。
・若松は1年の入部時からレギュラーで、2年生になって一番伸びている。
・卒業した前3年生主導の練習がハードで、去年の4月には20人いた
部員が現在は10人になっていた。残ったのは3年生2人、2年生が8人である。
・残念ながら現在、監督が不在のため長期間募集している状況である。
・成績は地方大会の準決勝(ベスト4)までいってるが、今年は最強部員である 
 聖、杉原、若松の調子がよく、大いに期待できるところだ。
 そのためにも新戦力(1年生)に期待していた。
・4月になり1年生が20人入部、その中に西もいた。西は最初マネージャーに。
・数日遅れて関谷、太田が入部、人数は多かったが経験者はほとんどいなかった。
・聖が杉原から一条のことを聞き本人へ入部を打診、最初は断られるも遅れて入部。
 一条が攻撃の要になること、練習は本人のペース、早帰りOKという条件を了承。
・伝統の基礎練習が厳しく、4月後半で1年生達が次々と離脱(退部)
・一条が勘違いしてマネージャーの西にレシーブ練習したところ、筋が良かったため
 半強制的に選手に変更。関谷と太田も必死で続けていた。