杉原は聖を「美々」と呼ぶが、学校でそう呼ぶのは杉原だけのようである。
これは同性の親友だからよく分かる。意外なのは嵐を「三吉さん」と呼んだこと。
第2話の後半でそう呼んでいるが、ある程度、親密でないとそう呼ばないだろう。
残念ながら嵐から杉原への返答が無かったが、もし「ゆかりちゃん」と返答
していたら、小学生ぐらいからの幼馴染とか、実家同士付き合いがあるとか
想像しただろう。嵐は聖を「聖ち(し?)ゃん」と呼んでるので、杉原のことを
「杉原ちゃん」「ゆかりちゃん」等と呼びそうだが、それを入れると嵐と聖の
親密性がぼやけてしまうため、返答シーンを意図的にカットしたのかもしれない。

三本柱の性格(主に前半)を比較すると
聖は楽観主義、杉原は現実主義、一条は悲観主義だろうか。
ここでポイントは杉原だ。聖と杉原は親友だが、
意外にも杉原の意見は聖側だけでなく一条側にふれるケースもあった。
一条が「どうせダメなら早く廃部した方がいい」という趣旨の話を
再三言うが、杉原は聖に味方しつつも、
状況が悪化すると「やはり廃部した方がいいかも」
と一条よりになることもあった。
船員チームとの試合賛否も多数決で実施になったが、
反対したのは一条と杉原だ。ただし反対理由が違うところが面白い。
一条は負けたくないから、杉原はユニフォームや準備が整っていないからだ。
どうやら一条もそのあたりを後半になると分かってきたようで、
四条通高校との試合前のチーム雑談でも、聖でなく、杉原に向かって意見を
求めていたように見えた。(実際は1年生達が答えていたが)
初期の一条暴走時代は聖側、中盤はケースバイケース、最終回は一条側に同調
していたように感じた。一辺倒にならない杉原のバランス感覚は特筆すべきだろう。