主人公の聖美々も夕方には帰宅し家事や宿題等、一般の学生と同じ
生活をおくれていた。この監督の凄いところはバレー部の練習より
先ず学生の本分たる勉強をしっかりするよう指導したことだ。
考えれば当たり前のことだが、他のスポコンアニメはスポーツ漬け
になる主人公ばかりで、中には体を壊して再起不能になったり、
最終的に亡くなってしまう主人公までいた。

あしたへアタック!は広義ではスポコンアニメに入るのかもしれないが、
厳密にはスポコンアニメではないと思う。選手達はバレーが好きだが
命をかけて体をボロボロにしてまでというほどではなく、他の分野にも
関心を持っており、行き過ぎずバランスが取れているように思う。
恐らく行き過ぎたスポコンに対し、暗に警鐘を促したかったのだろう。
この監督の良い点は選手の自主性を重んじ、決して強制しない点である。
古い作品だがこの監督の指導方針は現在のやり方に近いかもしれない。
個人的にはスポコンアニメは大好きなのだが、続くと辟易する時が
あるのも正直な気持ちである。そんな時、「あしたへアタック!」は
新鮮な気持ちにさせてくれるのである。