この作品放送の前年に日本中を震撼させるロッキード事件が発生した。
政界、財界の癒着が海外の会社にまで飛び火し、最終的に現職の総理大臣が
逮捕されるという超ド級のスキャンダルにまで発展した。
この時、事件の核心を握っていた中心人物が病気を理由に捜査から
逃れ続けたのである。このあたりの報道は連日連夜なされており
制作スタッフが影響を受けただろうことは容易に察しがつく。
特にこの作品、作中に社会政治色の強い時事ネタをちりばめており
ロッキード事件の影響を嫌でも想像してしまうのだ。

田中〇栄、現職総理の逮捕でトップ不在の状況→トップである校長不在で暗喩
児玉〇士夫、病気で捜査から逃げ回る→逃亡した前任監督で暗喩
小佐野〇治、記憶にございません→追及から逃れた教頭で暗喩

校長不在がロッキード事件の暗喩だとすると真相は闇の中という答えが
正解かもしれない。真相が解明されない状況を強烈に皮肉って
アニメ作品にも「真相は闇の中」を持ち込んだのなら、機知にとんだ演出
と言っていいかもしれない。