ある日、呼び鈴を押す音がして、玄関に出てみると、黒い服を着てサングラスを掛けた
2人組が戸口に立っていて、ドアの間に足を挟んでから、あれを所持していますね?
と尋ねた。何のことですか?と尋ねると。とぼけるんじゃ無い、調べは付いているんだ。テープを出して貰おうか、全部だ。誤魔化してもダメだからな。おとなしくみんな
出せば今後危害を加える事は無い。しかしだ、従わない時は何が起きてもしかたがない
そう思って頂くことになる。と低い声でうなるように言った。それを聞いて恐ろしさ
から、すべてを漏れなく揃えるのにはちょとだけ時間がかかる、明日また来て欲しい
と言った。2人の男達はしばらく相談をしていたが、よかろう、その代わり逃げよう
などと思うなよ。お前は見張られているし、我々も無駄な罪を侵したくはない。
それでは明日の何時になれば受け取れるのか言え! 午後3時なら。よかろう、
さつには知らせるな、明日またな。そういって男達は戸口から姿を消した。
 それから慌ただしく、ビデオテープの詰まった押し入れからテープを段ボール
箱に詰める作業が始まった。奴らは従わなければ必ずや自分を消すはずだ。
そうでなくても火事などまっぴらごめんだ。そうして、最愛のテープ達に