富山事件って別に裁判になったわけでもなく、
クレームがついたからトラブルをいやがって放送をとめただけの話でなんの根拠にもならない。
当時のアニメの権利者と放送局が裁判で争えば、
藤子と藤子プロと小学館が権利の濫用として敗訴した可能性もあったが、再放送料なんてたかが知れてるから裁判で争う理由がない。

安彦良和は自らが原作者であり監督作のヴィナス戦記を封印したくて国内ではDVDをずっと出させなかったが、ビデオは出てたしスカパーではずっと放送されていた。
衛星放送を含む放送やビデオについてはアニメ製作時に許諾が出ていたので、DVDのように改めて原作者の安彦の許諾が必要ではなかったからだろう。
単に作品が気に入らないからというだけの理由で差し止めるのは権利の濫用にあたる可能性がある。権利者だからと言ってなんでもできるわけではない。
原作者の気分次第で公開の中止がまかりとおるなら契約の意味がなくなってしまう。いったん契約を交わしておいて原作者が気分次第で難癖をつけて、製作に入った作品の中止をにおわせることで原作料の吊り上げが出来てしまう。

映画に不満だった原作者が脚本の出版に反対した「やわらかい生活事件」では
脚本家が荒井晴彦が原作者を訴えたが、原作の映像化の許諾を得た当事者である製作会社が訴えたわけではないので脚本家が敗訴したが、
いくら気に食わない映画だからといってもいったん許可した以上は原作者といえど映画自体は封印させることは難しい。

ドラえもんの場合、(契約がないのではなく)契約書を交わしていないとはいえ、いったんはテレビ放送を許諾しているのだし、
再放送が許されるかどうかは業界での慣習がどうなっていたかで判断がされる。

映画の場合はニュープリントでわざわざ原作者の許可を取らないし、
名画座での再上映も原作者の許可など取らない。なぜなら映画化の時点で許諾してるのだから。