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3人はそれから少し沈黙した。
ハビシャム「それでもこじれるようでしたら相手方は法的手段に出てくるかも
知れませんよ」
伯爵「その覚悟もできておる。去年、セドリックの件でもミンナという女が
法的措置に出ようとしたな。ハビシャム、ちょっとウェリントン子爵夫人の
身辺調査ともし訴訟となったら和解金額がどれぐらいになるか…。
もちろんこれは金で解決しようという下心で言っているのではないぞ。
万が一、そうなったらじゃからな」
ハビシャム「ええ。もちろんですとも」

伯爵「それからこのことは2人とも、内密にな。メロン夫人やアニー、
セドリックにも言ってはならんぞ。あいつらには心配をかけたくはないし、
どこでこの交渉が漏れるかわからんしな」
ハビシャム、オリヴァー「承知しました」

伯爵「ちょっとお茶にしないか?お前たちも疲れたじゃろう」
そう言って伯爵は席を外そうとした。
ハビシャム「御前、どこへ行くのですか?」
伯爵「トイレじゃよ。そのついでにキッチンへ行ってお茶の準備を頼んでくる」
ハビシャム「そのようなことはオリヴァーに任せてください」
伯爵「いいんじゃ。トイレに行くついでじゃし、お前たちは少し休んでいなさい」
そう言って伯爵は書斎から出ていった。