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伯爵はその様子をわずかばかりドアを開け、様子を見ていた。
そしてウェリントン夫人でないことを確認するとリビングに出ていった。
伯爵「何じゃブリジットか、わしをあまり驚かさんでくれ」
ブリジット「あ、伯爵さま、お邪魔しています。…驚かせてすいません」
アニー「本当ならセディを驚かせたかったんでしょ?」
ブリジット「そうなんですが、何か余計なことをしてしまいましたね」
しかし伯爵はうれしかった。数年前までなら自分を恐れて誰も近づかない、
近づかないとばかり思い込んでいたからである。ひょこり来られる経験など
何十年も経験していなかったからである。
伯爵「そうじゃブリジット、そなたもわしらと明日、ドリンコートへ行こう。
旅費ならわしが出す。どうじゃ?」
3人は驚いてしまった。
ブリジット「でも学校がありますので…」
伯爵「ほんの数日じゃぞ。たまにはそなたも田舎の空気を吸った方がよい。
ロンドンは空気が悪いw。都会の誘惑ばかりであまりいいことがない」
メロン「それはちょっと言いすぎかと…」
伯爵「いや、まあ都会にもいいところはあるが…でもな、せっかくの機会じゃ。
ブリジット、お前も来い。ハリス夫人ならわしがまた電話で説き伏せてやる」
伯爵にしてはかなり強引なやり方であった。

メロン「そこまで申し上げるのなら4人で行きましょう。アニーさま、ブリジットさま」
アニー「ええ」
ブリジットもうれしくなった。
ブリジット「いいのでしょうか?」
伯爵「黙ってついて来い。悪いようにはしない」
ブリジット「はい、わかりました」
さっそく4人は出発の準備をすることにした。