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セディ「よし、お祖父さんたちの馬車より早く着いたぞ」
セディはハリス邸の呼び鈴を鳴らした。
ブリジット「おはよう、セディ。…ちょっと早かったわね。まだ9時になって
いないじゃない。もう少し後にして欲しかったわ」
セディはいつもの金の懐中時計を出して驚いた。
セディ「あ、10分も早く来ちゃった。ごめん…」
とそこへ運悪くハリス夫人が出てきた。
セディ「おはようございます、ハリスおばさん」
相変わらず無愛想な素振りでこう言った。
ハリス夫人「セドリック、ここはあなたが来る場所ではありません。帰りなさい」
セディ「でも、今日はブリジットとお墓参りの約束をしたんです」
ハリス夫人「ブリジットは行かせないわ」
セディ「でも、今日はブリジットとハビシャム先生の奥さんのお墓参りに
行く約束したんです」
ハリス夫人「セドリック、ブリジットはあなたのような粗悪なアメリカ人と
つき合う身分じゃないの。帰りなさい」
セディ「アメリカ人の何が悪いんですか?」
ハリス夫人「今度のアメリカの大統領選挙、新聞で見たわ。随分、粗暴な人が
大統領になったのよね?」
セディ「おばさんはアメリカの何がわかるのですか!?」
ハリス夫人「まあ、大統領も粗暴なら出身者も粗暴なのねえ…」
ハリス夫人は皮肉をこめて言った。