>>226
ウォルトン医師が伯爵の部屋から出てきた。
ハビシャムはウォルトン医師を見送りに玄関に出て行った。
ハビシャム「先生、今日は本当にありがとうございました」
ウォルトン「あ、いや、これが私の仕事なのでね。ミスターハビシャム、
あなたも無理なさらないでくださいね。伯爵は随分、うなされていた
みたいですよ。時々、うわごとのように”ダイアナ、すまん”と何度も
言っていましたからね。…あ、いや、昼間何があったか詳しくは
分かりませんが女性の名前が出てくるところをみると何か訳アリの
ようですからな。もちろん、秘密は守りますよ。患者の秘密を守るのも
医者の義務ですから」
ハビシャム「どうか内密にお願いします」
ウォルトン「それでは私はこれで…」
そう言ってウォルトン医師は帰って行った。