>>219
セディは驚いた。
セディ「そんなのヤダよ!」
アニー「セディ、私もあなたの気持ちはわかるわ」
オリヴァー「失敬。それは最悪の場合であって必ずそうなるわけでは
ありません。長期化するのは免れないでしょう。
…ですがウェリントン夫人が御前と別れるにしても相当の慰謝料を要求して
くるのではないかと思われます。ウェリントン家に傷をつけられたと
いう理由で訴えてくると考えられるかと」
ローズィ「貴族はお金よりプライドよ」
オリヴァー「そう言っても未亡人だし、今は家督相続して息子のエリオット様が
子爵の爵位を継がれて結婚もされている。息子のウェリントン卿もどう出てくるか…」

セディはこう言った。
セディ「貴族ってプライドで生きて行かなきゃならないの?貴族っていったい
何なの?ねえ…」
ローズィ「若君、私はプライドがあるからむしろお金なんて請求しないのが真の
貴婦人だと言いたかったのよ」
セディ「そうなの?僕はてっきり貴族はプライドのためにお金を要求してくるのか
と思ちゃった」
セディは胸を撫で下ろした。
オリヴァー「あ、いや、お金が欲しいのは貴族でなくてもこの世にたくさんいるよ。
去年、若君の地位を狙ってきたミンナという女性もその一人だった」
オリヴァーはその場を取り繕った。
ローズィ「ああ、そうだった。夕食の支度が半分だったわ。早速、準備するわね」
ローズィは夕食の支度をしているところへ伯爵とハビシャムらが帰ってきて
大騒ぎになったのですっかり忘れていたのだった。